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二度目の魔法学園での生活で、元魔王の大切な人と相思相愛になりました  作者: 三羽高明
1章 二度目の魔法学園生活は、魔王討伐と共に
3/110

魔王が復活したことと同じくらいショックなんだけど!(2/2)

 コウモリの学級!? コウモリの学級ですって!?


 私は腕章を放り出して叫びそうになった。


 冗談でしょう!? コウモリの学級って、『奇人・変人・問題児が勢揃い』なんて言われてるあのクラス!? これからの六年間、私、そんな人たちと一緒に授業を受けたり、寮生活を送ったりしないといけないの!?


 そんなの、魔王が復活したことと同じくらいショックなんだけど!


「て、天馬の学級に戻してください!」


 私はベッドから跳ね起きて、腕章を校医さんに突き返した。


「私、本当は天馬の学級の生徒なんです! コウモリの学級の所属じゃありません!」


「そんなこと言っても、もう決まっちゃったしねえ」


 校医さんは困ったような顔になる。


「ここもそんなに悪くないわよ。……ああそうだ。あなたのお見舞いをしたいって言ってた子のこと、すっかり忘れてたわ」


 校医さんはどこかへ行ってしまった。私はそれを追いかけようとしたけど、すぐに足が止まる。


「元気になったのか、よかった」


 魔王だった。向かいのベッドに腰掛けて、にこやかに手を振っている。


「私もついさっきまで寝ていたんだ。同じクラスに学級分けされたみたいだね。何だか愉快なことになってしまったようだ」


「あなたのせいよ!」


 私は思いきり魔王を睨みつけた。


「きっと、あなたと一緒に大広間に乱入したせいで、『こんな問題児はコウモリの学級に入れておけ』ってなったんだわ! ……表に出なさい」


 やっぱりあのとき始末しておくべきだったと後悔した。


 でも、まだ間に合うはずだ。魔王と一緒に学園生活を送るつもりなんか、私にはさらさらない。さっさとこいつを倒して、学級も元のところに戻してもらい、平和を手に入れないと!


「君は血の気が多いな」


 魔王は少し呆れているようだ。


「少しは落ち着きを身につけないと早死にするよ。後、もう五分もすれば消灯時間だ」


「五分? 三分で決着をつけてやるわ!」


 私は杖を掴んで廊下に出た。先生に彼の正体を暴露しても信じてもらえなかったんだ。となれば、私がこの手で彼を倒すしか方法はない。


 魔王も困り顔になりながら杖を片手に廊下に出た。


 他の寮にはあんまり行ったことがなかったけど、コウモリの学級の寮の内装は天馬の学級と随分違っていた。


 天馬寮は床も壁も白大理石で作られていて、所々にペガサスの形をしたタイルがはめ込まれている。


 だけどコウモリ寮は、壁も床も天井も全部灰色の石でできていた。何だか殺伐として重苦しい印象だ。


 それに、窓もないから何だか薄暗くて空気も淀んでいる感じがする。そう言えばコウモリ寮って、洞窟の中にあったんだっけ。


 天井にたくさんシャンデリアをぶら下げたり、燭台をいっぱい設置したりしたって、きっと自然光には敵わないんだろう。


 宙に浮かぶ小島の上に建ってる天馬寮は、爽やかな風と光でいっぱいの、窓も大きいところだったのにと私はげんなりした。

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― 新着の感想 ―
[一言] さ、さすがに天馬とコウモリで扱いが違いすぎないかな? 寮の環境があまりに違いすぎる! 多分寮以外の待遇もきっと、いや確実に……。
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