第4話
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「くそっ、ここからだしやがれ!」
その言葉は体当たりした音と共に静かに消えていった。
「浩太!もうやめて!怪我しちゃう!」
「楓…でも、俺が…!」
元々責任感が強い性格からか、あまりの申し訳なさに言葉が詰まる。
「だいじょーぶよ!皆の承諾の上で行ったんだから!」
「……」
重苦しい雰囲気があたりを包み込む。…いや、二人、余りにもこの場に合わない考えをしている人が一人、いた。
(あぁ、俺が一番危惧していたことが現実に…だけど、いや、不謹慎なのはわかってる。でも…ワクワクしてしまう…!まるでノベルや漫画じゃないか…!)
「…あの」
そして、もう一人は希望の光を抱いて探っていた。
「ここ、物置みたいです。探したらもしかしたらこの扉は木なのでこわせるもの、あるかもしれないです…!」
「本当か?!…いや、今はそれを信じるしかない。それに、仲間を疑ったら逆に失礼だ。よし!皆、探すぞ!」
「「「おーー!」」」
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「…皆、何かみつかったか?」
浩太が皆に問いかける。あまり自信でみちあふれていないのは自分自身に何の収穫もなかったからか。
「「「………」」」
またもや重い空気が流れ込む。
「…ごめんなさい、真っ暗で見えずらくt…! 痛い!」
「花ノ希!…フフッまったくも~こんなときでもドジなんだから。」
「ち、ち、違いますっ恥ずかしいっっっ…じゃなくて、さっき足になにかあたって…」
「…これ…か?」
勇弥がそれらしきものを拾った。
「…!これ、大収穫だ!凄いぞ!香奈桐!」
覗き見た拓真が叫ぶ。
「え?」
「これ、バールだ!これなら壊せるかもしれん!」
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『世界神話』
この世界にはすべての人類共通の宗教、[世界神話]という神話が一つ存在する_____
昔、この世界には凶悪な神々が支配していた。一つの神が怒れば海は荒れ、雷が空を舞う。
人類たちはその神々に恐れ、どうすれば安全に、幸せに暮らせるかと聴くと、「生贄を週に一人、捧げよ。」と言った。
人類はその通りに生贄を週に一人、捧げた。しかし、友人が、恋人が、家族が生贄となった人々は、神への信仰が薄れた。
やがて人々は神でなく、様々なものに感謝をするようになった。空に、大地に、風に、花に、そして太陽に。人々の思いは束となり。新たなる神達が生まれた。その数は八百万とも言われている。
人々は新たなる神の誕生を盛大に祝った。そして、全ての神々には作れなかったが、社も造った。神が社につくと、その日を毎年祭りと称して毎年盛大に祝った。
力をつけた八百万の神々は人々を苦しめる邪神をあらゆる場所に封印した。
邪神たちは信仰心を必要とはせず、誰もが邪神たちが勝つとさえ思うほどにその力は強大だった。だが、封印できたのはそれを超える信仰心があってこそであった。




