0話
第0話 ー机の上のあいつー
『これは御誘いJ K』
とイラストを載せた俺、17歳の男子高校生。SNSのフォロワーは3.7万人。趣味で同人誌の手伝いをしている。
今日も投稿した瞬間からかなりグッドとシェアが来ている。イラストをあげるのは毎日午後1時、朝からアイデアを膨らませ昼休みには投稿するからだ。ラブコメ漫画をたまに投稿していたりもする。SNSでは有名人。だがそんな俺にも悩みがある。それは…
「彼女ができなあああああい!!!!」
そう、俺は彼女いない歴=年齢なのだ。プラススキルとして童帝である。
「うるさいよ雪ちゃん(ペンネームからとったあだ名)。」
「仕方ねえだろ?俺にはJKのおっ○いを揉むっていう夢があるんだよ!!!!お前はないのか!?そういう夢はよォ!!」
「俺彼女と卒業したしいいかなって。」
「は?????俺より先に卒業しやがってお前、お前…」
「ざwまwあw」
こいつは唯一のダチの広斗、最近彼女が出来たらしい。まさかもう卒業していただなんて、許さねえ。
「お前フォロワー?沢山いるんだし募集してみろよ、会ってみたりとかさ。」
「コミュ障陰キャ根暗オタクにどうしろと??」
「まあそんなこと言わずにさ、貸せよ」
スマホを取られてしまった。ちょっとしてから返ってきたが…
『彼女募集。』
と、投稿されていた。おい、何しやがるこいつ。性別不詳にしていたのに。
『雪野さん男の人だったんですか?』
『!?』
『彼氏なら♂』
『繊細なイラストだったから女だと思いました!』
などと寄せられている。俺は投稿を引用し、
『これは友達がやりました。すみません。』
と訂正をしておいた。流石に炎上はしたくない。彼女が欲しいのは事実だが。
「えーつまんなー」
広斗が拗ねている。いたずらした子供みたいだ。
−キーンコーン…カーンコーン…−
「おわやべ!?予鈴だ、次体育じゃねえか!」
「待ってよ雪ちゃーん!!」
☆○☆○☆○☆
「今日は先輩達とバスケの試合をします。」
だるいな、これ。運動神経がないからどうしようもねえ。恥をかくだけだ。見学するかどうするか…。よし、しよう、決行だ。
「先生、体調悪いので見学します。」
「またかあ?お前何回目だよ。絶対でてもらうからな。」
チッ…めんどくせえな…。こうなったら説得は不可能。仕方ねえ、あの手を使うか。
「ーーーーーーーーー」
「…なぜそこまでして出たくないんだ雪野。」
クソ、ダメだ。正直に言うしかない。
「運動ができないんです。」
「は?」
「運動ができないんです。大事なことなので二回言いました。」
「ダメだ。出ろ。」
俺の任務は儚く崩れ去っていった。
☆○☆○☆○☆
そんなこんなで色々あり家に帰宅した。体育では大ヘマをかまし、その後のホームルームではイラストを晒される始末(健全だからよかったが)。こりゃひでえや。
クラスの陰キャが晒されると陽キャ共がはやし立てる。最悪だ。
「はーあ…」
ぐったりして机に倒れる。もう本当に何もしたくない。その癖いつもよりも周りに敏感だ。俺は気付いてしまった。そこにいつもは無いものがあったことに…。
「これは…育毛剤…?良くハエールMAXって書いてあるけど…。うさんくせえなw」
親父は禿げてはいない。俺も禿げてはいない。何故だ…?いやしかし今は寝よう。忘れよう。
だが何を思ったのか、俺はそいつを手に取ってじっと眺めてしまった。かれこれ15分が経った頃である。
「うお!?!?」
それが俺のこの世界での最後の言葉だった事はまだ誰も知らない。




