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第1話 レベリングプログラム開始

 この世界に生まれて16年が経った。

 

 「おいそこ! タラタラしてねえで早く運べ!」


 「す、すいません!」


 俺は神に見放された、、、


 この世界は生まれた瞬間に人生が決まる。

 なぜなら生まれた瞬間に職業が決まるからだ。

 闘士・剣士・魔法使い・農民・貴族...などなど。それはほとんどが遺伝子に左右されるが、ごく稀に農民の家から貴族が生まれ、どこかの貴族の養子になることもある。その逆もまた然り。

 そしてその職業に応じて将来のステータス値が決まる。同じ職業でそれぞれに個体差があるとはいえ誤差の範囲でしかなく、ステータス値は努力するしないに関わらず、食って寝て、と成長するだけで上昇する。

 で、俺の職業は何かというと、、、村人だ。

 村人というのはステータス上限値が全てにおいて他の職業より低い。

 貴族のようにお金があるわけでは当然なく、剣士や魔法使いのような冒険者になって稼げる強さも無い。

 両親は与えられた畑を耕し、俺は毎日毎日やっすい給料のアルバイトの繰り返し。面白いことは何一つなく、、、

 

 「ああ。 俺の人生はこのまま何の面白味もなく過ぎ去っていくのかな、、、」


 ある日の夜、そんな俺の人生に追い打ちをかけるような出来事が起こった。


 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 村の端の方から痛々しい男の悲鳴が聞こえてきた。

 なんだなんだ? ざわつく村人たち。

 「おい! お前ら武器を持てー!! 魔物の襲来だー!!」

 リーダー格の村人が声をあげていた。 

 おいおい嘘だろ、、ここは100年間魔物の襲撃を受けていない村だぞ。

 そのため村に武器などなく、数人の勇敢な村人は不安な表情で農具を構えていたが、ほとんどは家の中で怯えていた。俺もそんな臆病な村人の一人。

 

 「ほら! レオはタンスの中に隠れてろ!」


 父は玄関で農具を構え襲撃に備えていた。


 「私も戦うわ! あなたをひとりで戦わせるなんて出来ない!」


 そういって母も父に加わった。

 勇敢な両親の元に生まれたのにどうして俺はこんなに臆病なんだ。

 そう思いながらも俺はタンスの中で震えながら隙間から二人の様子を見ていた。


 「ゴブリンだーー!! 無理だ! 逃げろー!!」

 「うわぁぁぁぁぁ!!」

 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」


 家の外からたくさんの悲鳴が聞こえる。全身の震えが止まらない。頼むから家の中に入って来ないでくれ。俺はひたすらそう神に祈った。 

 だが、その祈りは届かなかった。


 ドォォォォンッ!


 玄関が壊されゴブリンが侵入してきた。その瞬間父は構えていた農具を振り下ろしゴブリンの頭を真っ二つにした。

 いいぞ父さん!その調子でやれば全部倒せる!

 だが現実は甘くなかった。次々にゴブリンが侵入し父と母はあっという間に殺されてしまった。

 あ、、、ぁぁぁぁぁぁぁ、、、

 俺はそんな時でも両親より自分のことを考えていた。

 ここにいれば絶対にバレないよな?とにかく息を殺して静かにしてないと。

 だが夏の夜でタンスの中はとても暑く、汗の匂いでバレたのか、3体のゴブリンに襲われ、あっけなく俺は死んだ。はずだったんだが、、、

 

 チュートリアルを完了しました。

 これよりレベリングプログラムを開始します。

 

 謎の声で俺は目を覚ました。

 え、、、? 俺って死んだんじゃ、、、それにどこだここ。

 俺は目を覚ますとどこかの洞窟にいた。

 ん? なんだこれ。

 目の前に突然何かの画面が現れた。


 ーノルマクエストー

 [未完了]ゴブリン討伐 0/1体

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