Prologue →「にげる」
笑いが主体のギャグ小説ですが、最後のドンデン返しにご期待ください!
prologue
→「にげる」
「逃げろ! とにかく走るんだ!」
僕らはつい三十分前まで、巨大なカエルの胃の中にいた。消化される前に、カエルの胃をボッコボコに殴り続け、ようやく吐き出されたものの、当然の帰着として激昂したカエルに追いかけられている。
「足を止めるな! みんな走れ!」
戦闘回数百十数回――その内、勝利した回数は未だにゼロ。ようすに最弱パーティで、そんな僕らには選択肢が一つしかない。
逃げる——それ一択。
『ハジマリの町』を出るなり最弱モンスターに半殺しにされてからというもの、ノンストップの逃避行が続いている。逃げれば逃げるほど、人里から遠ざかるほど敵は強くなり、余計に逃げるしか他なかった。
「あたしもう走れないよ~!」
と耳長族の『ミミ』が、長い耳をひょこひょこと弾ませながら弱音を吐く。
「きっと逃げ切ったら、ミミちゃんに良いことがありますよ」
とミミを励ます『ポポ姉』は、全滅の危機的状況にありながらも相変わらずのマイペースだった。
「おいポーカー!」
と僕の名前を『ケイ』が乱暴に呼ぶ。
「このまま森を抜けても、視界が開けて別のモンスターに囲まれるだけじゃないのか!?」
僕らの前方に光が見えた。森の出口だ。この先がどんな地形になっているのかは僕にはわからない。というか、自分たちが今いったい、世界のどこにいるのかすらもわからない。
「とにかく森を抜けよう!」
祈るような気持ちで森を抜けると――数日ぶりの、裸の太陽が見えた。と同時、大きな川が目の前にあった。
「飛びこめぇえええ!」
『いよっしゃー!』
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