その四十
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※※※
「何かすみません」「いいよいいよ。時間あったし」
さっきアタシを助けてくれたイケメンこと、大内弘明君は、アタシと同じ高校三年生で、ガッコはアタシとは違うとこらしい。で、これからバイトの面接に行くって言ったら、さっきの奴らがまた来たら危ないだろうって、暇だからそこまで付き添ってくれるって言った。当然アタシはお断りしようとしたんだけど、いいからいいから、と半ば強引に付いてきちゃった。……何だか雄介に申し訳ない気持ちになる。雄介以外の男の子と二人っきりで歩くなんてね。そりゃ仕方ないんだけど。だから心の中でごめんね、雄介、と謝ってたりする。アタシの想いよ届けー! とかも心の中で叫んでみる。
「でも安川さん、彼氏いるんだ。残念だなあ」「いやあ、ハハ……」
で、大内君も、もしかしたらナンパ目的かも知れないって思ったから、アタシは早々に「今日は彼氏いないのも、絡まれた理由かなー」とか、何の気なしにサラリと言って、会話に混ぜて彼氏いるアピールしといた。するとあからさまに残念そうな顔する大内君。やっぱあんたもかよ! て呆れた。更にヒロ君と呼んでくれ、とか言い出すし。妙になれなれしいから防御線張っといて間違いない。
そして他愛もない話しながら面接先までやってくると、ヒロ君とやらは驚いた顔した。
「安川さん、ここの喫茶店がバイトの面接先なの?」「へ? 知ってるんすか?」
知ってるも何も……、とか呟くヒロ君とやら。そして急に笑い出す。何か不気味。助けて貰っといてなんだけど。
「ハハハ。いや、俺の幼馴染が前ここでバイトしてたからさ。凄い偶然だなあと思って。もう辞めたんだけど」「そ、そうなんだ」
「で、更にここでバイトしてる奴がさあ、俺の幼馴染に惚れてるみたいでさあ。もうそれが……アハハハ」そして何が面白いのか分かんないけど、またも思い出し笑いしてるヒロ君とやら。
「ごめんごめん。ま、とにかく今日はここで失礼するよ」「あ、はい。どうもありがとうございました」何だか気味が悪かったけど、助けてくれた恩人なのは違いないので、そこで頭を下げてさよならした。……しかし今日はなんだか災難だったなー。
とりあえずこれから面接だ。アタシは気を取り直して入り口でふうー、と息を吐き、カランカラーン、とドアを開けた時鈴が鳴る音をさせながら、中に入った。
「失礼します。バイトの面接で来た安川といいます」「ああ、こんにちは。待ってたよ」何だか人の良さそうなおじさんが、店内入ったらニッコリ挨拶してくれた。
「初めまして。ここのオーナーでマスターの疋田です」「あ、はい、初めまして。安川明歩です」そしてこちらへどうぞ、と、喫茶店の中の席に座るよう勧めてきた。言われた通り座るアタシ。そういやアタシ、バイトの面接って初めてだった。そう思ったら緊張してきた。さっきあんな事あったから、緊張すっかり忘れてたのに。
「ハハハ。バイトの面接は初めてかい?」「は、はい。そーっす。じゃなくて、そーです」
「緊張しなくていいよ。とりあえず履歴書見せて貰っていいかな?」「へ、へい!」
おおっと、また江戸っ子みたいな返事しちゃった。美久に何度かツッコまれてんのに。気をつけないと。とにかく慌ててカバンから履歴書を出してマスターに渡す。そんなあたふたしてるアタシの様子を、微笑みながら観ながら履歴書を受け取るマスター。……ん? そういやこの人、疋田ってさっき自己紹介してたような?
「ふむ……。武智君と同じ高校なんだ」「え? たけっちー、じゃなくって、武智君知ってるんですか?」
「知ってるも何も、ここでバイトしてたからね」「あ!」思い出した! 疋田って、疋田さんだ! たけっちーが惚れてる! そっか、ここで二人バイトしてたんだ。
「すみません。マスターって疋田ってお名前なんですね。じゃあもしかして、疋田美里さんって知ってます?」そうアタシが言った時、マスターは驚いた顔をした。
「君、彼女を知ってるのかい?」「はい! 一度一緒に遊び行った事あって。武智君とも知り合いなんです」
そうなんだ、と呟いたマスター。でも、その表情が何か暗かったような?
※※※
「おう、お疲れ」「うぃっす」
「しっかし、マジで超いい女っすねー」「ホントホント。ヒロ君いなかったら手出しちゃってたかも」
「おいおい。俺の獲物なんだから手出すなよ。つか、やっぱ彼氏いたんだな」
「でもヒロ君、幼馴染はいいんすか?」「これはビジネスだ、ビジネス」
「とか言いながら、どうせ食うんでしょ?」「そうなったら、俺らにも回して下さいよ」「あれだけの女、中々ありつけないっすからね」
「まあそうなったらな。とりあえず、またお前らが必要になったら連絡するから」
※※※
「あ! おーい美久ー!」「あ、いたいた」
今日は土曜日。どんどん日差しが強くなってきた七月の中旬。あちらこちらで自己主張するように、蝉がけたたましく鳴いているのが聞こえてくる。いくら拭いても汗が吹き出る程暑い最中。夏休みももうすぐ。そして今、私は約束通り明歩を私の家に招待する事になってたので、分かりやすく駅前で待ち合わせ。
明歩は私を見つけると、自転車を手押ししながらこちらへやってきてバンと肩を叩く。「もう! なんで叩くのよ!」「だーって、美久の家行けるんだよ? テンションアガるじゃーん?」って、いつもテンション高いよね? 明歩。
ノースリーブを着てたから、素肌をバンされて肩がヒリヒリするのを摩りながら、私はため息つきつつも明歩と共に歩いて家に向かう。女友達が家に来る。明歩嬉しそうだけど、実は私も結構嬉しい。家に友達招待するなんて、本当久々だから。
「そうそう、こないだバイトの面接行こうとしたらさー、変な連中に絡まれて。ナンパ目的の男達だったんだけどさー」「え? 大丈夫だったの?」
「それがねー、アタシが困ってるところで、知らないイケメンが助けてくれた」「イケメン? 三浦君じゃなくて?」
「そーそー。残念ながら雄介じゃなかったんだよねー」そこではあ、とため息を吐く明歩。助けてくれたの、三浦君じゃなかったのがそんなに残念なのか。まあ、白馬の王子様っぽく、彼氏に来てほしかったのは分からなくはないかな?
「というか、明歩バイトするんだ」「うん! お金貯めたいからね」
そっか、と呟く私。確かに夏休み中って学校ないし、武智君みたいに大学行くわけじゃないなら、バイトするには丁度いい期間だよね。
「ねえ、明歩はやっぱり服飾の専門学校行くの?」そう。前から聞いてた話。明歩はファッション系の仕事に就きたいらしくって、高校卒業したらその勉強をするらしい。明歩はそのために特進科に進んだって言ってたから。
「そうだよー……。あ、芸能界は行かないよ」「うん、分かってるよ」フフ、と笑いながら明歩に返事する私。確かに明歩の美貌とキャラクターと歌声なら、いい線行くと思うけど、大事なのは本人の気持ちだから。……私はどうなんだろう。私の気持ちは、どうなんだろう。本当にやりたい事、かどうか、選択肢はなかったしな。本当にやりたい事……。
「で、それでさー、そのイケメンさんに助けて貰った後、バイト先行ったら、なんとたけっちーがバイトしてた喫茶店だったんだよね! それ聞いてびっくりしちゃった」「え? ……そうなんだ」
「しかも! ……ってどうした美久? 何か沈んでない?」「あ、ごめん。ちょっと考え事しちゃった。とりあえずもう着くよ」
お? りょーかーい! と相変わらずテンション高めな明歩。
そして今日、明歩が家に来る事になってから、私はとある覚悟を決めていた。
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