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その百二十八

これまでお読み頂き有難う御座います。

ブックマークまでしてお待ち頂いた皆様、感謝です。

これにて完結で御座います。約九ヶ月もの間、お付き合い頂き誠に有難う御座いました。

 ※※※


 十二月初日の寒い朝。白い息が俺の口から空にのぼっていく。今日もいつも通り自転車で学校までやってきてるんだけど、 まだ始業時間まで余裕あるにも関わらず、それでも俺は急いで下駄箱に急ぐ。


 間に合うかな? 


 やや息を切らし下駄箱に辿り着くと、そこには、


「ちょっと! 邪魔なんだけど」


 あの、超絶美少女が、外から流れてくる寒風に黒髪をなびかせながら、腕を組み仁王立ちで俺の下駄箱の前に立っていた。


「すみませんね。すぐ教室行くんで」


 面倒を避けるような雰囲気で、俺は靴を履き替えその超絶美少女の横を抜けていく。


 心の中で間に合った、と呟きながら。


「全く。相変わらず気が利かないんだから」


 安堵してる俺を、腕組したままのその超絶美少女は、その美しい黒い瞳で俺をジト目する。通り過ぎる時に少し口角が上がってるように見えたのは、きっと気のせいじゃないだろう。


 そして教室に向かう途中、後から俺を追ってきた雄介が俺の肩に手をかけた。


「よお。悠斗」「おう。おはよう雄介」


「……悠斗お前、顔ニヤケてんぞ?」「え? そ、そうか?」


「あんな風に悪態つかれてニヤニヤしてんの、お前くらいだろうな」「うるせぇ」


 なんだ雄介見てたのかよ。でも否定できない。だって凄く懐かしくて、そして心底嬉しかったから。


 ※※※


「うー、寒っ。さすがにこの季節の屋上は冷えるなあ」


 自分の体を抱きしめブルルと震えてしまう俺。


 昼飯のこの時間、俺は文化祭以来久々に、この屋上にやってきてる。


 そんな寒さに凍える俺の様子を見て、この屋上扉の鍵の持ち主はどこか嬉しそうな顔をしながら、ギュッと俺の腕にしがみついてきた。


「本当寒いね。だからつい腕組んじゃった。うん、あったかい」「ハハ。確かにこの方があったかいね。とりあえずあの小屋に入ろっか」


 うん、と可愛らしく返事する彼女と共に、俺達はその小屋に入る。そしてお互い持ってきた弁当を広げた。


「あー、この感じも懐かしい。この小さな小屋の中でも色々あったよね」「そうだね」


 本当最近、嬉しそうな顔が増えたなあ。以前は何かに悩んだり、辛そうだったりしてた事が多かったけど。


「あの嫌われ演技も懐かしくてさ。教室行く途中ニヤケてるって雄介に注意されちゃったよ」「アハハ。そうだろうね。あんな態度取られてニヤニヤしてたら」


「でもまたこうやって学校で一緒に過ごせるの、メチャクチャ嬉しいよ」「うん、私も」


 またも嬉しそうに俺に向かって微笑みを見せながら、早速弁当に箸を伸ばす柊さん。 


 そう。彼女、柊美久さんは復学した。残りわずかとなった高校生活を楽しむために。そしてそれは、俺との高校生活を楽しみたいからだって言ってくれた。


 当然俺はメチャクチャ喜んだ。この最高の彼女と、高校生最後の年を一緒に過ごせるんだから。正に夢が叶ったようなもんだ。


「だけどまだ俺と一緒にいるところ、他の生徒に見つかると面倒なんだよなあ」「うん。確かに」


「だから、あの嫌われ演技は卒業まで続けた方がいいよね」「うん。ごめんね。迷惑かけちゃうね」


 迷惑だなんて思ってないよ、と俺は慌てて柊さんの言葉を否定した。


 いくら芸能界入りを辞めたとは言え、柊さんはCM出演したり写真集発売したりしてたわけだから、やはりまだ有名人な事は変わりない。特に高校という閉鎖された空間なら尚更だ。もし俺といて余計な噂が立って柊さんに迷惑かけたくない。だから卒業までは、嫌われ演技を続けよう、と二人で決めた。


 なので学校内でカップルらしい事をしようとするなら、この屋上だけしか無理だ。でもそれでも俺は、十分満足だけどね。


 ここには柊さんとの沢山の思い出が残ってる。そしてこれからもこの、俺達だけの特別な場所で、いっぱい思い出作っていけばいい。


「……ん? どうしたの?」


 俺が色々思い出しながらふと柊さんを見つめる。相変わらずの超絶美少女。長いまつ毛の奥の宝石のような黒い瞳が、俺の様子を見て不思議そうにしてる。


 つい、そのまま吸い寄せられるように、柊さんに顔を近づける。柊さんも俺の意図を悟り、やや顔を赤らめながらニッコリ微笑んでから、目を瞑り受け入れようとする。


 そして……。


「あー! まーた二人でイチャイチャしてるー!」


 突然ドアをバーンと開け、大声を上げる安川さん。俺達は慌ててサッと距離を取る。


「あのなあ悠斗と柊さん。俺達が来るの知ってたよな? なのにそういう事するって事は、俺らに見せつけたいの?」


 安川さんの後ろから呆れた顔して覗き込む雄介。


「そ、そそ、そんなわけ、あ、あるかよ」「そ、そうだよ、三浦君。あ、あき、明歩も、な、何言ってるの?」


 明らかに挙動不審な俺達を見て、はいはい、と声を揃える安川さんと雄介。


 でも、こうやってこの二人にからかわれるのも何か楽しい。共に大切な友達だからだろうな。この二人ともこれまで色々あった。この屋上でだけじゃなく、本当に色々。


「とりあえずアタシ達も中入れてー。外超寒い」「っつか、さすがに十二月になるとここは寒いな。久々に来てちょっとびっくりしたよ」


 雄介と安川さんがそう言いながら震えてる。俺と柊さんは慌てて二人を中に入れた。狭い小屋なのでぎゅうぎゅう詰めだけど、その分暖かい。


「よし! じゃあ昼ご飯食べよー!」「……明歩って本当、いつもテンション高いよね」


「なーに言ってんの! 美久がいるからでしょ!」「フフフ。だと思った」


 言うねー、と柊さんに肘ツンツンする安川さん。二人してとても嬉しそうだ。


 これからもこの四人で、ずっといい仲間として付き合っていけたらいいなあ、そんな事を思いながら、俺は自分の弁当に箸をつけた。


 ーーーーそして月日は流れ……。


 ※※※


 そろそろ桜が咲こうと準備している春の温かい季節。外では春風が時折吹いているようで、俺達のいる体育館の窓をガタガタと揺らしてる。


 俺達は整然とその体育館の中に並べられてる椅子に座ってる。制服の胸に付けられた花のワッペンが、誇らしげに輝いてるように見えた。


 で、皆して黙って壇上を見てるわけだけど……。


「わ、私は、グズ……、この学校で、ヒックヒック……。ぼんどうによがっだあああーーー!」


 と、大声で叫んだ後、壇上でうつ伏せうわあああんと大泣きする綾邉さん。それを同じく壇上の傍で心配そうに見ていた飯塚が、慌てて綾邉さんの元へ駆け寄った。綾邉さんは元生徒会長って事で挨拶してるのは分かるんだけど、何で飯塚はあそこにいるんだろうか? ……そういやあの二人あれからどうなったんだろう? 


 とりあえず、体育館の壇上で起こってるコントみたいな様子を、ざわついてる大勢の生徒と共に、俺とその隣にいる雄介は苦笑いしながら見てた。


 そしてグズグズだった綾邉さんの挨拶が終わると、今度はこの学校で活躍した三年生への表彰式が執り行われる。教頭先生がその名前を呼ぶためマイクスタンドの前に現れる。


「武智悠斗君! 前へ!」「え? あ、は、はい!」


 あ、そうか俺だ。急に呼ばれて慌ててその場で返事する。雄介が小馬鹿にするように肘で小突いてくる。俺は雄介を一瞥してから、緊張しつつ生徒達の間を縫うようにして壇上に向かった。


 緊張のせい足が震えるのを何とか抑えつつ、ギシギシと古びた階段を上がり振り返る俺。すると一斉に生徒達の視線が俺に集まった。うわ、これめっちゃ緊張すんな。綾邉さん、実は結構頑張ってたんだな。


 そして生徒達を背に演台の前に立つ。それを挟んだ反対側に校長先生がかしこまって立っていて、演台の上に置いてあった紙を取って読み上げた。


「武智悠斗殿。昨年夏に行われた県空手大会にて、個人の部優勝した栄誉を称え、ここに表彰致します」


 校長先生から表彰状を渡された瞬間、生徒全員から拍手喝さいを浴びる。嬉しいのと恥ずかしいのが入り混じって、何とも言えない気持ちになりながら、恭しく表敬状を受け取り、校長先生に頭を下げる俺。


 そう。今俺達は卒業式の真っ最中。俺達は今日を持って、高校生活が終わる。


 鳴りやまない拍手を浴びながら、緊張しつつ壇上から降りる際中、特進科の生徒達がいる方向をチラリと見ると、何か変な笑いしてる安川さんと、どこか嬉しそうな顔で微笑んでる柊さんが見えた。


 ※※※


「雄介ー! たけっちー!」


 まるで猛牛のようにドドドと一目散に駆けてくる安川さん。それを見つけた雄介は嬉しそうだけど、俺は若干引き気味だ。そしてなんと、雄介だけじゃなくて俺にもダイブしてきた。ぽよんとふくよかなアレが俺の顔とかに当たる。


「ちょ? 安川さん?」「へっへー。たけっちー、かっこよかったよー」


「い、いやあのさ……」「ああやってうちの学校で運動系で表彰されたの、たけっちーが初めてらしいじゃん? やーるねー」


「そ、それは分かったからもう離れた方が……」と、言いかけたところで、隣のイケメンさんの顔がドンドン阿修羅のような顔に変わってく。いやちょっと待て雄介? 分かってるよな? 俺は何も悪くないぞ?


「悠斗。明歩から離れろ。さもないと……」「分かってるって! そもそも俺なんも悪くねーだろ!」


「そういう問題じゃねー!」そう言いながら雄介は俺めがけて殴り……かかろうとせず、卒業証書が入った筒でポコン、と俺の頭を叩く。


「ま、これで許しといてやらあ」そう言ってニッと笑うイケメン雄介。ったく、ちょっとだけ本気かと思ったじゃねーか。


「つーか安川さん、もうちょっとわきまえようよ」「たけっちーならこれくらい大丈夫だって!」


 何が大丈夫だよ。全く。


「ま、とりあえずほら。あっち見てみ」「え?」


 ニシシと変な笑い方してる安川さんの視線を追うと、その先には、あの超絶美少女がニコニコと俺達の様子を見てた。俺はつい、嫌われ演技をしてたのを忘れてしまい、笑顔に応えるように手を挙げる。柊さんはそれを見て驚いてたけど、遠慮がちに同じく手を挙げた。


 でもまあ、高校卒業したら嫌われ演技は終わりだ。カップルなのにああいうの続けるのって結構しんどかったんだよな。いつの日か堂々と、柊さんと出かけられる日が来ればいいなあ。


 ※※※


 ー高校生の青春ストーリー、(群青を駆け抜ける)、今秋公開予定!ー


 ショッピングモールにデカデカと掲げられた映画の宣伝広告。その広告の中心には、桃色がかった茶髪で両おさげの、あの自意識過剰な超絶美少女が写っていた。この映画がデビュー作で、そして元々素人なのに何と主役を勝ち取ったという事で、巷ではかなり注目されてる。


 まあ、この映画、発表会の時も相当騒がれたもんなあ。それも伴って映画の公開前からメチャクチャ話題を集めてる。ゴシップに疎い俺でさえ知ってるくらいに。


 そのヒロイン役となる、山本玲奈こと俺の元後輩は、現在高校に通いながら毎日厳しいレッスンを受けているらしい。だから毎日メチャクチャ忙しくしてて、塾も喫茶店のバイトも辞めてしまったそうだ。ただ、生活費その他諸々の経費については、恩田プロモーションが全て担ってると聞いてる。


 そんなだから山本とは中々連絡が取れない。先日安川さんがようやく連絡ついたって言ってたけど、そんな多忙な日々でも凄く充実してて楽しいって言ってたらしい。まあ当人が楽しんでるなら大丈夫だろう。まだ若いし。


 なので学校には連日マスコミが押し寄せてると噂で聞いてる。だけど山本には同じ高校生の親衛隊がついてて、いつもその身を守って貰ってるんだと。


 因みにその親衛隊は、空手部の後輩達だったりする。


 ……うんまあ、適任だろうけど、あいつらには空手を頑張ってほしいんだけどな。先輩としては。


「しかし遅いな」


 因みに俺は今、待ち合わせのためK市内の駅前にいる。


 先日の卒業式から数日経った今、相変わらず春風が暖かい空気を運んできてる。街路樹もそろそろ芽を吹きだしてて、夏には祭りが行われる神社では桜がちらほら咲きだしてるらしい。


 俺はこの四月から地元の大学に通う。そう、俺は東京の大学受験は辞めた。だって今更あっちに行く理由なんてないからね。


「……てか、遅すぎね?」


 気になってスマホに手を伸ばし、電話をしようとしたところで「ごめーん!」と聞き慣れた声が正面から聞こえてきた。


「ごめんね。待たせちゃった」「さすがに連絡しようとしちゃったよ」


「出る前にスマホ見失っちゃって。結局見つかったんだけど」「じゃあ仕方ないね」


 茶髪ウイッグの黒縁メガネのその可愛い彼女は、ひたすらごめんと謝る。


「とりあえず行こっか」「うん」


 彼女の息が整ったのを見計らって俺は声をかけ、彼女は自然と俺の腕を組む。


「あ。この映画広告……」「うん。山本凄いよな。……まだ未練ある?」


「ううん。もう全然ない。寧ろ山本さんには感謝してるくらい」「そっか」


 山本がデカデカと真ん中に陣取ってる映画広告を見てる彼女、柊さんは、どこか安堵したような、それでいて嬉しそうにも見えた。


「じゃ、疋田さん。とりあえず今日はどうしましょう?」「うーん……」


 実は今日待ち合わせしといてなんだけど、ノープランだったりする。ま、そういうのもカップルらしくていいよね。


 柊さんが復学してから、クリスマスも年末年始といったイベントは全部一緒に過ごした。俺がセンター試験受ける際にはお守りを作ってくれたり、バレンタインには手作りでチョコをくれたり、正に彼女って感じで甲斐甲斐しく俺と一緒にいようとしてくれた。


 だから俺は、高校生最後の年、本当に楽しくて幸せな日々を過ごす事が出来た。柊さんがずっと俺の傍にいてくれたから。でもまだ、未だ外出の際はこうやって変装してる。けどそれも、そのうちなくても大丈夫になるだろう。


「あのね? 今度二人で旅行行かない? 時間は沢山あるんだし」「おー、それいいね」


 しかも旅行行くくらいの金はあるもんな。喫茶店でバイトしてた溜めた金、結局余ってるからね。だって一人暮らししないわけだし。まあでもいつかは姉貴みたいに家出ていきたいとは思ってるけど。


 そして柊さんは、この四月から地元の短大に通う。実は柊さん、保育士になりたいらしくって、その資格を取得するためなんだって。俺の通う大学でも良かったんだろうけど、うちにはその課程が無かったんだよな。


「今日はどうする?」「そうだなあ……。家でまったりでもいいかも。だって、黒髪の超絶美少女も見たいし」


「じゃあDVDでも借りて武智君の家で観る?」「それもいいね。今日親いないし」


 俺としては家から出てきてまた帰る事になるんだけど、でもまあ待ち合わせってのも楽しいから気にしてない。


「じゃあ行こうか。そ、その……、み、美久!」「!」


 そう。俺は今日決めてた事がある。そろそろ下の名前で呼びたいって思ってたんだ。高校通ってた頃は意識してお互い上の名前で呼んでたしね。でもなんでだろ? スゲェ緊張した。空手大会の決勝より緊張したぞ。あ、手汗がドバって出てきた。


「……もう一度」「え?」


「もう一度呼んでほしい」「う、うす」


 そのリクエストに応えようと、俺は、はあ、ふう、と、思い切り深呼吸する。そして、


「今日は俺ん家行こうぜ、美久」


 と言いながら、俺は照れ隠しに無理やりサムズアップをし不格好な笑顔を作ってみる。それを見た柊さん……、て、もう柊さんって言うの違うよな。……美久はクスクスと笑う。


「うん、分かった。行こうか、え、えーと、ゆ、悠斗!」「!」


 まさかのカウンターパンチ! そして美久はトマトみたいに顔を真っ赤にしながら両手で顔を覆って俯く。ほぉら見ろ。恥ずかしいだろ? そして言われた方も結構恥ずかしいなこれ。


 でも、かなり嬉しい。


 すぐにお互い顔を見合わせ笑い合う。傍から見たらきっとバカップルっぽく見えてるだろうけど、でも幸せだから気にしない。そして美久は改めて俺の腕に絡みつく。俺はその天使が転ばないよう、歩幅を合わせて歩き始める。


「しかし高校の頃、ああやって俺の事嫌ってたって思ってた子が、こうやって下の名前呼びあいながら俺の腕にいるんだもんなあ。本当、不思議だ」「だ、だからあれは演技だったんだって。そして悪いと思ってるって言ったじゃない」


「じゃあもう一度」「え?」


「もう一度呼んだら許してあげよう」「……いじわる」


 可愛らしく頬っぺをぷくぅとふくらませ、黒縁メガネの奥からジト目する美久。そして今度は美久がふう、はあ、と深呼吸。


「と、とりあえず、先にコンビニ寄って買い物しようよ、悠斗」「よ、よし! そうしましょう!」


 何でか敬語になる俺。それを聞いてお腹抱えて大笑いする美久。


 突然、サアァと強い風が俺達の間を吹き抜ける。不意を突かれた美久は「キャア」と黄色い声を上げ、風から身を守ろうと頭を下げる。でも俺は春の心地よい空気を孕んだその風を受け、何だか爽やかな気持ちになる。


 そしてお互い顔を見合わせる。二人揃って自然と笑顔になり、俺達は再び歩いていく。だけど俺は再度、美久の顔が見たくなった。


「どうしたの? 悠斗?」「え? いや……。今日も美久は可愛いなあって」


 またそんな事言って、と照れながらゲンコツを作り、軽くコツンと俺の頭を叩く美久。怒ってるけどそんな仕草もまた可愛い。


 これからも色んな事が二人の間にあるだろう。でも、きっと俺達なら乗り越えられる。これからは遠慮なくお互い本音を言い合って、二人で共に進んで行こう。


 とりあえず。


 この、超絶美少女に好かれる日常が永遠に続くよう、これからも頑張ろう。俺は彼女の笑顔を傍で見ながら、改めてそう誓った。






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― 新着の感想 ―
[一言] 作品完結、おめでとうございます‼️ 9ヶ月になるんですね、長いような、短いような、ずっと楽しませていただきました。良い友人、敵役、全て個性的な方々でした。恩田さんには、随分ヘイトを貯めさせて…
[一言] とりあえずおつかれちゃんちゃん
[良い点] 完結おめでとうございます(*^▽^*) [一言] ハラハラ、ドキドキ、ワクワクさせていただき面白い作品でした(*^▽^*)アフターストーリーも楽しみにしています(*^▽^*)ありがとうござ…
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