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キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋と不死鳥
5/50

殺し屋の苦悩 その1

 不思議な女子高生 大堰川未来(おおいがわ みく)との一件がひと段落した次の日、俺はごく普通に登校した。

 流石に不死身の女子高生に出会うのは初めてだけど、怪物じみた能力を持つ人に会うのが初めてという訳ではないので、次の日まで影響が残るほど動揺はしていない。

 だけど…

(超速再生能力と不老不死の身体を持つ人を殺す方法なんて、あるのかよ…)

 授業中や休み時間、ずっと頭を抱えていた。

 腕を吹っ飛ばして修復させている間に、足を切るか?いや、修復の速度や制限によっては使えない可能性の方が高い。

 また、一度喰らった攻撃はどうやら吸収されやすいみたいだ。5発の弾丸は心臓こそ外れたものの、それぞれの局部に命中した。にも関わらず、心臓の傷より修復が早すぎるのがいい証拠だ。

 じゃあ、爆発によって身体を四散させるか?いや、そこまでの威力を民衆に隠す事は困難だ。俺は、暗殺は得意でも破壊するのはやったことがあまりないので、経験が少ないのが悔しい。


「おーい、ひかる?難しい顔して何考えてんの?」

 いつの間にか、後ろから声がかけられていた。

 いつのまにか授業が終わり、話し声が教室を包む。

「あー…いやさ、さっきの授業の授業寝ててさwwノート写してたらこれどういう意味なんだろうって」

 まさか、本当のことを言うわけには行かないので適当にでっち上げた。

「相変わらず、寝不足だな。またゲームか?健康に悪いぞ」

「うるせーな、俺は12時間寝ても寝足りないの!」

 だいたいにおいて、睡眠不足はこの仕事やってりゃ職業病だ。


 ちなみにこの男は橋本 涼輝(はしもと りょうき)、運動神経はまあまあでサッカー部に所属している。友人の俺から見てもかなりイケメンで、成績も悪くないのでモテて当然のはずだ。

 しかし、当人は『将来のためにうつつを抜かすわけにはいかない。』とか言っている。

 貴重な3年間なんだから楽しめばいいと俺は考えるのにな。

 ……俺が言えることじゃないか。

「相変わらず女子の目線が痛いよ、あいつらと話してきたら?」

「俺はそういうの興味が無いって言ってるだろ。ひかるこそ気になる人とかいないの?」

 この色男は、そういってはぐらかす。

「このクラスには俺の好みはいないな」

「お前の好みってなんだよww 二次元か?だったらこの世界にはいねーよww」

「バカにすんなよww」

 別にアニオタってわけでも無いのに、根暗ってだけでそういうレッテルを貼られるのはなぁ…

「だったら他のクラスは?例えば…ミクさんとか?」

「だからからかうなって、初音ミクがここにいるかよ」

「お前本当に同級生と関わりないんだな…ほら、4組の大堰川未来さんだよ」

 は?

 嘘でしょ?

「いやぁ、あの娘は静かそうだけど美人だよ、絶対将来可愛い娘になるんじゃね?」

 お前結構そういう目で見てんじゃねーか、恋愛に興味ないとか言ってさ、

 じゃなくて、未来さんって…

「おい、どうした?」

 俺は席を立って4組の教室へ行った。


 他のクラスへ行ったことは無く、少し緊張したので、遠目から見た。

 すると確かに彼女はいた。

 まさか同じ学校の生徒だとは思わなかった。制服も着ていなかったのでしょうがないのかもしれないが…

 教室の机で本を読んでいるみたいで、他の人も余り関わりがなさそうである。

 ちょっと観察していると、彼女は視線に気がついたのか本を読むのをやめた。

「お前、行動が早いんだよ、ったく…」

 涼輝がこっちに来たみたいで、肩を掴む。

 いつの間にか、彼女はこっちを見ていた。バレた?いや、俺はあの夜と格好がちがうし、気になるのは有名な涼輝の方だろう。

「あれ?ライトさん?」

 しかし、結局彼女は一番嫌な結果に傾いた。

 そうだった。メガネの人が裸眼にしてもバレにくいが、裸眼の人がメガネをかけても気づく可能性の方が高いんだった。

 俺は思わず溜息をついた。

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