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キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋と7人の同業者
49/50

不死鳥とメイドの話 その4

 ご主人様方が殺された後、私は何も考えずに動く日が続いた。

 警察の取り調べなど、慌ただしい時間だけが流れていく。

 それは今まで旦那様や奥様、そして坊っちゃまとの思い出を忘れていくようだった。

 事件についてある程度落ち着き、ようやく自分の今後について考えることが出来た。

 私が元々所属しているメイドの派遣会社には一旦休みを申し出た。

 直ぐに次の現場に働けると言ったら嘘になる。

 仕事として割り切っていたはずなのに、あの家族が愛しく思えてしまう。

 ごく普通といえばそういうわけではないけど、急に現れたあんな死神みたいな奴に殺されていいような人達じゃなかったはず。

 家で、パソコンをいじりながら私は考える。

 そういえば、あの黒い男の子は何だったのだろうか。

 あの夜の出来事が現実味を全く帯びてこないので、本当に悪魔とかそういう超常現象の類なのではないか?

 そう思った私はネットで彼について調べ始めた。

 しかし、子どもの殺し屋なんて都市伝説みたいな話としか出てこない。

 痺れを切らした私は、幾つかの知り合いを通じてとある情報屋にたどり着いた。

 かなり黒に近いグレーの知り合いに聞いたので、怖い人や詐欺にでもあったらどうしようかと不安だったが、意外にもその人は眼鏡をかけたスーツ姿のサラリーマンみたいな人だった。

「はじめまして」

 向こうが指定した喫茶店に入った私はウェイトレスに案内されてその人の席に行く。

 サービスをする給仕さんの姿を見て、私はメイドをやめてかなり時間が経ったことに気付いた。

 もう、あの日々には戻れないのか。

「どうも、猫屋敷雅俊といいます」

 席を立ったその人は深々とお辞儀をして挨拶をする。

 きっちりしたイメージで信頼は出来そうだが、なかなか付き合いにくそうな人だ。

 まあ、あの男の子の情報を聞くだけなので付き合いなんて考えないでも良いとは思うが。


「それで、本当はメイドなんてやる気なかったんですよ〜」

「そうなんですか、いやでも天職だと思いますよ」

 話し始めて30分ぐらいだっただろうか。

 何故か猫屋敷さんの身の上話から始まって、いつの間にか私の人生相談になっていた。

 最初のイメージは何処へ行ったのか。いつまでも話していたくなるような感覚だった。

 この人はこうやって情報を得ているのだろうか。

 という事は私が話した事の中で、もしかしたらこれから情報として買われるものもあったのだろうか。

 注文したコーヒーを飲みながら飲みながら思案していると、猫屋敷さんは椅子に座り直した。

「ではそろそろ本題に行きましょうか」

「ええ、お願いします」

 黒ずくめの少年の殺し屋でしたっけ?と私に確認する彼はさっきまであった笑みを剥がす事なく続ける。

「あの男の子について教えていただけませんか?」

 私は財布を取り出した。

 情報屋の相場は一応調べてきたが、現金は多めに用意してきた。

「ああ、代金は後で大丈夫ですよ」

 思わずキョトンとしてしまったが、取り敢えず言われた通り財布をしまった。

「まず彼、『ライト』は実在するプロの殺し屋ですね」

 そう言って彼は話し始めた。

 フリーの殺し屋ではあるが、実力は一流で未成年とは思えないほどの仕事をこなしているという。

『死神』という通り名がついてるほど、その筋では有名らしい。

「わざわざお抱えの殺し屋を作らず、彼に依頼する暴力団もいますし、かなりの実力派ですね」

「そうですか」

 説明を受けて、彼が本当に居たということを改めて理解した。

 私のご主人様はそいつに殺されたんだ。

 私が心にその事実を飲み込むのに時間をかけていると、猫屋敷さんは話を続け出した。

「まあ、これが世間的に知らされている事実ですね」

 まあ裏の世間というわけですけど、と彼は笑いながら話す。

「じゃあ、まだ情報があるのですか?」

「ええ、追加料金がかかりますが大丈夫ですか?」

 この人は本当に強かな人だ。

「分かりました、お願いします」

 私が答えると、彼は言った。

「今、ライトは私の家に居候しています」


 え?

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