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キルユー キルミー!  作者: 星崎咲也
殺し屋と7人の同業者
40/50

殺し屋と2人目の同業者 その1

 そんなこんながありつつ、夜は更けていった。

 さっさと寝てさっさと起きて、学校へ行く支度を整える。

 正直腹の傷もまだ痛むので休もうかと思ったが、新学期になって2日目なので一応顔を出しにでも行こうと思った次第だ。

「ひかるくん、調子は大丈夫ですか?」

「ああ、思ったより無事そうだ」

「無理してないですよね? 痛いのならちゃんというんですよ」

「お前は俺のオカンかよ」

 心配してくれるのは嬉しいが、こんなとこで弱音を吐くつもりはない。

「今日は一緒に学校に向かっても良いですか?」

「ん?なんで?」

 急な未来の申し出に困惑する。

「いや、何となくなんですけど、今日は一緒にいたいっていうか」

 ミクをよく見ると、顔が少しが赤くなっている気がする。

「わかったわかった、良いけどさ…」

 俺は明後日の方向を見ながら続けた。

「別に付き合ってるわけでもないんだし、あんまり良くないんじゃないか?」


 何故か俺は未来を怒らせたみたいだ。

 結局一緒に家を出たものの、特に会話をする事もなく少し間隔を開けながら歩く。

 未来はこっちを全く見ずに仕切りに辺りを見渡しながら前を歩いている。

 一体何をしたいんだろう、この子は。

 最近少しずつ仕草とか分かってきたつもりだったのに、今日はなんか変だ。

 と、色々考えながら進んでいると校門が見えた。

 こんなに学校って近かったっけな?

 あれか、通い慣れて特に目につくものもなかったから早く着いたように感じただけだったのか。

 桜が咲き誇る校舎への道を進むと、騒がしい声が聞こえてる。

 高校3年生となってくるともう、進学やら就職やら将来のことに駆られて今の学校生活を楽しもうという考えがなくなる。

 とは言っても、俺には元々学校生活に興味はなかったが。

 昇降口を抜けて、廊下を歩いている間も、未来は言葉を発しない。

 普段から無口ではあったが、ここまで何も喋らないとちょっと心配だ。

 まあ、学校内でこの関係をバラす訳にはいかないから、話さないということは楽ではあるのだか。


「おはよー」

「おう」

「おはようございます、橋本さん」

 ドアを開けると、涼輝が既に座っていた。

「涼輝でいいって未来ちゃん」

「はい、橋本さん」

 未来に素っ気なく返されて涼輝はあからさまに落ち込む。

「全く…ほら顔上げなよ、菓子あげるからさ」

 彼の目の前にポンと置くとすぐさま手を伸ばし回収していった。

「サンキュー、やっぱ持つべきものは友達だな」

「現金なやつだ」

 どうやら、いつもの調理を取り戻したみたいで、涼輝は袋を開けてつまみながら話す。

「昨日の特番見たか?最近のバラエティは正直面白くなくなったと思ってたけど、まだまだ捨てたもんじゃないね」

「悪いな、昨日はちょっと用事があって見てないんだわ」

「えー、あんだけ念押ししといたのに」

「うるせぇな、急用だったんだよ」

 ふうん、と涼輝は聞き流す。

「そういや、園田さんまだ来てないのかな?」

「ああ、どうやら近所で事件があったらしく父親と一緒に捜査の手伝いしてるらしい」

「そうか、正義感の強いことで」

「なんか聞いた話によると、公園で3人の女性の死体が発見されたらしいぜ」

「……物騒な話だな」

 他人事のように答える。

「なんだよ、もうちょっと食いつけよな」

「全く興味ねぇな」

「死体があったんだぞ!見に行きなくないのか?」

「嫌だよ」

 なんでそんな好きで人の死体を見に行かなきゃいけないんだよ。

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