表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

終話



一晩中待っていたのだろう、ひだりのは戸を開ける前に勢いよく中からあけてくれた。


それから、いつもジイさんの右に在ったこぶが、となりのじさまの右に居ることに驚いたように目を大きくひらいた。


それから、ひだりのはとなりのじさまとジイさんのこぶに駆け寄った。


「ひだりの、俺は鬼の質にされとった。ととさまに、厄介者 《こぶ》の俺はおいてかれたんじゃ」


ジイさんのこぶはそういって、ほろり、とひとつ涙を流した。


ひだりのはぎゅとジイさんのこぶを抱き締めた。


「僕もかかさまに捨てられたんよ。となりのじさまに拾われてな、じさまのこぶになったんよ」


そういってひだりのは泣いているみぎのの涙を拭った。


そんな二人の頭をとなりのじさまは両手で撫でた。


みぎのこぶは右手に

ひだりのこぶは左手に


「わしの手にはふたつ立派なこぶができたなぁ」


となりのじさまは楽しそうに笑った。


「幸い、わしには手がふたつあるからの、どちらのこぶの手も繋ぐことができるのぅ」


そういって、となりのじさまは両手にこぶをこさえて家に帰った。




めでたしめでたし。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ