表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完全試合  作者: メシア
1/4

第1話【凡ミス】

 そこは夜の東京ドーム。プロ野球、新宿サラマンダ―ズvs博多ギガンティスによる試合がおこなわれていた。

 

 

 そんな東京ドーム内は異様な緊張感と高揚感に支配されていた。

 

 

 9回裏、2アウト、ランナーなし。3対0で新宿サラマンダ―ズが勝利を目前にしていたのだ。

 

 

 が、理由はそれだけではない。サラマンダ―ズのマウンドに立っているのは37歳のベテラン投手、鴻上。なんと彼はこの日、ただの1本もヒットを許していず、ただのひとつの死四球も許していなかった。つまり夢の【完全試合】を目前にしていたのである。

 

 

 深く息を吐き、心臓の鼓動をいったん静める鴻上。そして彼は渾身のストレートを投げる。

 

 

 博多ギガンティスのバッターはバットに当てるのがやっとのぼてぼてサードゴロ。それをサラマンダ―ズの三塁手・田神が捕球してファーストに送球。誰もが鴻上の完全試合達成を信じて疑わなかったそのとき、事件は起きた。

 

 

 パスッ━━という感じで、一塁手の佐々木がキャッチミスをおかしてしまったのである!

 

 

 結果、鴻上はノーヒットノーランは達成したものの、完全試合には手が届かなかった。

 

 

 試合終了後のヒーローインタヴュー━━。

 

 

 「いやー、鴻上選手、夢の完全試合まであと一歩だったんですが……」

 

 

 そういうインタヴュアーに、鴻上はポーカーフェイスでとうとうとこういった。

 

 

 「エラーをした佐々木くんを一生恨み続けたいと思います」

 

 

 そのブラックジョークに東京ドームが爆笑に包まれる。が、鴻上はもう一言こうつけくわえた。

 

 

 「いや、マジで」

 

 

 鴻上のその言葉にインタヴュアーはやや笑顔を曇らせ、『は?はぁ、そうですか』といった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ