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黒山羊の卵  作者: 高槻泉
5/10

5

 * * *


 おい、聞いたか、昨日のニュース。

 え、連続殺人事件のこと?

 そうそうそれなんだけどさ、あれ殺されたのうちの学校の生徒らしいぜ。

 マジで!?知らなかった。どこの人?

 二年生の□□□□□っていう人……


 幾度となく聞いた会話。

 ある者は信号待ちで、ある者はケータイごしに、またある者は靴箱に寄りかかって大声で叫んでいた。誰もかれもがその話題。口では怖い怖いと言いながらその実それは戯言で、目には好奇心旺盛な子供のようにいたずらな光を宿している。

 みんな突然舞い込んできた非日常に浮かれている。

 明日死ぬかもしれないね。そう言うと馬鹿だねと言われる。みんな驚くほどに自分が安全圏にいると思い込んでいる。そんな保障はどこにある。誰が自分を助けてくれるというのだ。いや、誰も助けてはくれない。みんな自分のことしか考えていない社会では誰も構ってくれやしないのだ。そんなこと、とっくに知っているはずだった。なのになぜだろう。なぜ自分は安全だと錯覚してしまうのだろう。

 かくいう僕もこの間までは事件の話しかしていなかったのだけれど。

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