長男、小さな恋の芽吹き
「はるくん、そろそろすきな子できた?」
「んっとねぇ、こうがくん!」
男の子か!というツッコミを内心入れていたのはもう2年前、クラスの顔ぶれは多少の入れ替わりはあっても、ほとんど同じ面子で年中組にあがった春の頃。女の子なら、そろそろクラスの男の子の誰が好きだとかガールズトークに花咲かせ始めるお年頃らしいのですが、うちの長男はるきにはそんな様子は微塵もなかったりするのがちょっと寂しかったのです。
そして私は折を見ては同じ質問を繰り返しました。
「はるき、いちばんすきなお友達はだぁれ?」
「んーと、あっくん!」
またしても男の子か。
と毎度のツッコミを心の中で入れていると。
「あとねぇ、こうがくんと、ななちゃんとそらちゃんと……」
おっ、女の子が混ざってきたぞ。
よしよし。
「じゃあ女の子でいちばんすきなのは?」
「あのね、ボクね、そらちゃんがスキ……♪」
ちょっとてれてれもじもじしている長男の様子に恋の芽生えを感じたのは、初夏のことでした――。
長男の恋バナは現在も進行中。
次男……そういえば、この頃の長男の年頃になったけど、恋の話は聞かないな……。