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プロローグ
高校時代。青春真っ只中。恋に恋して、部活を愛して、夢に酔う。そんな3年間。俺も例外でなく、恋に悩み、部活に奔走し、夢に焦っていた。それでも充実していた。親友があんなでも。時にトラブルの引き金になり、時に華麗にトラブルを解決する。そんな愛すべき親友があれほどまでに歪んでいて、それ故に暗躍していたとしても、充実していた。今知ってしまった後悔も、当時知らなかった後悔も、そんなことは気にならないくらいには楽しい3年間だった。後悔も禍根も全く存在しない、彼なりの理由と覚悟と正義が今とても眩しく思われる。