3。
ふふふ、サラリーマンやってく上で必要無い知識が増えてくぜ……。
「少なくとも騎士の礼節くらいはサラリーマンに使えるんじゃない?サラリーマンに戻れればだけど。長期休暇受理してもらえたの?」
いや、残念ながら。
なんで全部終わったらカトーさん所に転がり込むつもりだ。
あそこなら知り合いもいるし、今までの経験も生かせるだろ。
親父さんにも誘われてはいるが、流石に、なあ?
「とーさんに?アンタがケーキ作るの?ないわー」
だよなー。一番ないのはそのケーキ職人の親父さんが何故かツテでこのドリームパスを手に入れて来た事だが。
「気にしない気にしない。とーさんとかーさんの人脈は気にしたら負けなレベルだから」
それもそうだな。
まあおかげで二人を連れ戻す事が出来るんだし。
しかしまさか本当に王様になってるとは……。
「双子の王様女王様ってね。すごい展開だわ。」
冒険者から騎士に成り上がるのが上手く行かなかったらどうなってた事やら。
まさか山賊から助けた相手が貴族のお嬢様でなんやかんやで貴族の仲間入り、行った宮廷で玉座に座ってる二人を見た時は巻き過ぎだろコレと思ったよ。
ま、後は上手い事目を覚まさせて帰るだけだな。
「それが一番難しいとは思うんだけどねー。アンタと違って完全に夢の世界に浸ってるわけだし」
まあ、どうにかするさ。
で、どうにかなりました、と。
「まさか鉤十字の方々が最後に関わってくるとは思わなかったわね」
「ごめんね兄ちゃん……」
まあ、二人が最終的に無事だからそれでいいのさ。
弟くんはまだ気絶中?
「うん……最後にあんな大技使ったから、負担が大きかったみたい」
ああ、あれは凄かったな。主人公ビームって感じで。
まあ、しばらくしたら目覚ますだろうから、しばらく膝枕でもしといてあげな。
取り合えず後は若いモンだけにしといてやる。
あ、いちゃらぶちゅっちゅっするならメールしてな。
空気読んで買い物行くから。
「あー、確かに。ここはそーいう場面だね。テンプレわかってきたじゃん。けどアタシまだオバサンって呼ばれたくないから避妊はしなよー」
「ちょっ!?二人とも!?」
あー、じゃあ俺らは下で茶ーしばいてるから。
ごゆっくりー。
いやー、マジ疲れたわ。もうしばらくゲームとかいいや本当。
「おつかれさん、無事兄の面子は保てたね」
そうなー。いやまあ、俺だけじゃ無理だったしな。
ありがとな比奈。
「……んー、その呼び名もう禁止な?」
んあ?なんでさ。お前がまみとか首もがれそうな名前嫌だとか言い出したから朝比奈略して比奈と呼べとか言い張ったんだろうが。
「いやー、もう朝比奈じゃなくなるからさ」
あ?いやいや、俺二人が成人するまでは待てっつったよな?
「ほほう、つまりアンタはこの子を片親にしたいと」
!!?いやいや、俺ちゃんと避妊してたよな!?な!?あ、まさかゴムに穴とか古典的な……ッ!?
「アンタが寝てる間に生でしました。見事ホームランです」
……。
「堕せとは言わないよね、あ、な、た」
……なんだいハニー。