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2。

で、あれから一週間経つわけだが。

何かわかったか?


「いいえ、まず電話住所全部嘘っぱち。電話は転送サービス住所はさら地よ」


だろうな。まあ胡散臭いにも程があったわけだ。

スーパーに聞いたらそんなの知らないとか言われたしな。

となるとやはりネット上の噂を信じるしか無くなるわけだ。


「その場で止めなかったアタシにも責任あるけど……双子ちゃんにダダ甘なアンタが一番問題よ」


わかってる。わかってたんだ、なら止めるべきだった。二人にとってあまりにも最高の逃げ場なんだ。

生まれる前から一緒だったんだ、そうなってしまうのもしょうがない事なのかも知れない。

世間体が許さない、法律が許さない、社会が許さない、そうなのかも知れない。

けど二人が想いあうのは止めるべきじゃないんだ。


「ま、アンタが防波堤になるって態度は良かったんだけどね。ただでさえアンタに負担かけてるって思い込んでる双子ちゃんにしてみれば」


……わかってる、つもりだったんだがな。


「けど、落ち込み続けてる暇無いわよ」


ああ、そうだな。

どうなんだ、コレ。


「コードを繋いで夢の同期、倫理規定関係のプロテクト解除による強制起床停止、せめて夢の中だけでも……って事よね」


夢の中でくらい双子じゃなければ……じゃないんだな。


「そう、あくまで双子ちゃんは双子ちゃんである事を選んだ。当人達しかわかり得ない事ね」


そうだな……。よし、そこら辺は二人を連れ戻してから説教兼話を聞くとしよう。

まずは二人を連れ戻す事だ。

こっちは言われた通り一通り読み込んだ。

VRMMOに入り込んで出られない題材だけでこんなにあるとは思わなかったよ。


「主流だからね。後はファンタジー系も読んだわよね?二人が設定した世界は剣と魔法の世界」


ただし倫理規定解除によりモラルハザードを起こしている可能性有り、か。


「そうね。アンタが繋がった途端世紀末世界になっててもおかしくない」


……読むかぎりだと死ぬと現実でもショック死なんだよな。

生きて帰れるのか?


「生きて帰らないと双子ちゃんは助けられないわよ。まあ、そこら辺はこっちで設定をいじってあるわ」


というと?


「夢の中で死んだらリアルで死ぬ前に強制切断するようにしてあるわ。死ぬ痛みと強制切断の痛みで正に死ぬ程痛いだろうけど」


まあ、本当に死なないだけマシか。

よし、気合い入れるか。


「アンタが寝てる間は体の世話してあげるわ。三人分よ三人分、ボーナス出しなさいよね」


わかってるわかってる。センセーには連絡入れてあって、もし俺に何かあったらお前に全財産渡るように色々工作してもらってるから。

条件は苗字が同じになる事と双子の面倒見続ける事だがな。


「へー、ついに年貢納めるんだ。さんざん双子ちゃんが成人するまでとか言ってたのに。30越える前には無理かと思ってたわ」


あくまで俺に何かあった時だがな。無事帰ってこれたら30過ぎの花嫁確定だ。


「うわー嬉しくないわ。親戚のおばさんの見合い攻撃が止まらないじゃない。家の息子の嫁攻撃とか辛いのよ」


それはそれは。大変だな。


「嫉妬した?」


いんや。






痛い


やめ

からだ とけ



死に た く








やべえスライムマジ怖ぇ!生きたまま溶かされるとか体験した事ない!


「体験するような事あったら現代社会とは呼べないわね。それで、どうだったの?」


ああ、典型的なファンタジー世界だったよ。

なんか普通に電気ガス水道があったが。


「あー、若いからね。そういうのも有るわ」


そんなもんか。

とりあえず色々調べて回って、情報収集に限度があったんで定番のギルドに入会、資金稼ぎにスライム退治を受けたら見事に死んだよ。


「世界によっては最弱or強敵だからね。その様子だと後者?」


ああ、道理で報酬が10万円とか書いて有るわけだ。


「……円?」


ああ、ファンタジー風日本だったせいか文字も言語も日本語、貨幣は円だったな。

おかげで金銭感覚が狂ったよ。


「……時代だわぁ」






とりあえず向こうの生活や死ぬ感覚もわかったのはいいんだが……。

また最初からか?


「一応そこら辺も弄ってあるわ。強くてニューゲームよ」


なるほど。なら少しは楽になりそうだ。

っと、すまないが……。


「はいはい、後始末はしておいて上げるからさっさとシャワー浴びて来なさい」


すまんな。

よく自殺者は垂れ流すと聞くが、自分がなってみるとキツいな。


「下の世話もボーナス出してもらえるんだし気にしないわよ。ま、次は処理してから寝るべきね」


だな。


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