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プロローグ
機体が大きく揺れていた。俺はただ、自分の星の海洋生物たちの未来のために米国の星に行きたかっただけなのに。もっとたくさんの研究をして海洋生物たちへの感謝を表すはずだったのに。
父が、母が、船客の方々が、宇宙船に備え付けられていた数少ない脱出用の小型機を一番に俺に乗船させてくださった。
未来のある若者にとおっしゃってくれたことへの感謝もせず、小型船の中にあるたくさんの海洋生物の研究論文が全てあるかを確認し続けている、そんな非情な下等生物に。
小型船は驚異的なスピードでぐんぐん本体から距離を広げている。どこへ行くかもわからない。一番近いと思われる星へ不時着するのだろう。
論文が全てあることを確認した直後、機体が大きく揺れた。避難用のため窓もない船内は暗く、外がどうなっているかも分からない。
ただ唯一わかることは、俺はたくさんの人が命を懸けて守る程の人間ではないということだけだった。




