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第捌話:北方へ

 しずくは以前にも増して依頼を多く受けるようになった。

 まるで空いた穴を忙しさで満たそうとしているかのように。

 それに対して唯一事情を知るナミネは苦言を呈したが、それでもしずくは手を止めようとはしなかった。

 そんなある日のこと。


「霊脈の調査でござるか?」

「はい。ぜひ護衛をお願いできないかと」


 セキヤミからまた護衛の依頼が入ってきていた。


「緋焔の龍源。デモル京から遥か北の雪の地にある、この国でも最も霊脈が強い場所なのですが……。どうにも様子がおかしくて、調査に行くことになりましてね」

「……」


 流石のしずくでも、さすがに勘ぐってしまう。


「そ、それもしや、また拙者を個人的に連れていこうとしているんじゃ?」

「はい。そうですよ」

「……やっぱりセキヤミ殿も、おっぱい揉んだりとか、したかったりするのでござるか……?」

「ゴホッ、ゴホッ!」


 そうしずくが聞くとまたいつかのように、セキヤミがむせた。


「で、ですからしずく殿! そういったことはあまり! 人前で言わないほうが良いかと……」

「冗談でござるよ」


 いや、冗談ではなく思ったことをそのまま口にしただけなのだが。


「……その、返事は前と変わらぬでござるよ?」

「わかっていますよ」


 こうして北方への旅が決まったのだった。

今回も少し短めです。申し訳ありません。

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