表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/72

第参話:違和感の答え

 その晩、しずくは宿に行くふりをし、サエモンの家を張り込んでいた。

 そして深夜、周りの家ももう寝静まった頃、家から出てきた。後を気づかれないように追っていく。

 一里ほど歩いた時、とある建物の中に入っていった。


(あれは……)


 この村にきた時一際目を引いた、あのお屋敷だ。


(こんな夜中に、あんなところに、なんの用が……?)


 と不思議に思いつつ、見張りに見つからないよう柵を飛び越えて敷地に入っていく。


(こういうの初めてでござったな。確か……)


 2階以上の窓には鍵がかかっていないことが時々ある。そう師匠から教わっていた。それが無理なら通気口などから入るという手もあると聞いていた。それは、できればやめておきたいところだ。


(やった。おじゃまするでござるよ)


 一つ鍵の開いている窓を見つけ、そこから中に入り込む。


(さてとサエモン殿はどこに……)


 あまりに大きなお屋敷だったゆえ、探すのに苦労するかと思ったのだが———。正面入り口からすぐの大きい扉の向こうから、声が聞こえてきた。

 扉越しに聞き耳を立てる。


「ふん、1000フル、確かに受け取ったぞ」


 自分の1000フルが何者かのところに流れていったらしい。


「じ、地主さま……。もう、ちぃとでよかですけん、取り立ての量ば減らしてもろうことは、できんじゃろか……? 税とは別に、十日ごとに1000フルっちゅうのは……もう、わしの稼ぎじゃ立ちゆかんとです……。ほ、ほんな上に、今回はちぃと……詐欺まがいの真似までしてしもうて……」


 サエモンの声だ。震えているように聞こえる。


「ほう? では人質に取っている娘がどうなってもいいということだな?」

「そ、そいは……」

「この刺し傷をつけたのはあの娘だ。本来ならば警察隊に捕まっていたところを、寛大なわしが税を上乗せするだけで許してやると言っているのだ。わかったらまた10日後1000フルを持ってこい」

「し、しごたぁ言われても……」

(なるほど。どうやら面倒臭い事情があるようでござるな……。まずはサエモン殿の娘さんを探してみるとするでござるか)


 そう思ってしずくはその場を離れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ