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第弐話:港町のデート・後編

「どうですか? しずく殿に似合うと思いますが」


 食事の後、2人は服を見に来ていた。やはり異国風のものが多い。


「いやいや、こんな可愛らしいもの、拙者のような女には似合わんでござるよ」

「そんなことないですよ。しずく殿は可愛いです」


 真正面から言われ、少し照れてしまった。


「し、しかし、ああいったようなものは、やはり戦闘には向かんでござろう?」


 あまりにヒラヒラしていると、何かにひっかけたりしてしまうかもしれないし、短いスカートはそれだけで気になってしまう。


「確かに。あ、ではここのものはどうですか?」


 そう言って寄ったのはアクセサリーの店。


「この宝石なんてしずく殿の瞳によく合います」


 そう言って手に取ったネックレスの先には、確かに綺麗な青い宝石がついていた。

 見ると、フラエル産の宝石らしい。


「そ、そう言ってもらえるのは嬉しいのでござるが……」


 そのネックレスだけで、安い刀一本は買えてしまうのでござるが?! と叫びそうになった。


「気に入ってもらえたならプレゼントしますよ」

「ええええ?! で、でも……」

「しずく殿が着けてくれるなら、それだけで十分です」


 結局それを受け取ることになった。


「こちらの宝石は魔響石というらしくて、魔術を込めておくことができるらしいですよ。その魔術を使うと砕けちゃうらしいですけど」

「そうなんでござるか」

「よかったら、私が魔術を込めましょう」


 どんな魔術がいいかと訊かれた。


(うーん。壊れてしまうのなら基本使う事のない魔術がいいでござるよな……)


 そう思いつつしずくは一つの魔術を提案した。爆発耐性のバフを付与する魔術だ。昔、攻撃すると爆発するという厄介な敵に出会ったことがあって、これまでで一番苦戦した敵だった。

 似たようなことはもう無いとは思うから使いはしないが、お守りにはなるだろうと、それをお願いしたのだ。

 そして魔術を込められて渡され、ネックレスを首にそっとかけた。

 セキヤミにとってはなんでもないことなのかもしれないが、あの値段をみてしまうとどうしても首もとが重く感じられてしまった。


 翌日はリトラルトからの客人が来るまでにやらなければならない仕事があるとのことで、しずく一人で街を散策していた、その最中———。


(あれ……)


 シンノミヤの女性が、異国の男二人に連れられて歩いているのをみた。騒がしい市場の声の中で、その三人だけが妙に静かに見えた。

 それだけならまだいいのだが……。


(今、手に枷が嵌められていて、明らかに異様でござるよな……。それに目がうつろで……)


 まるで魂が抜けたようなその様子に、どうにもおかしいと思い、その後をつけることにした。

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