旅程編 Ⅲ
快適さと観光、そのどちらに旅行の重点を置くかは人それぞれですが、とりあえず、病的なエジプトマニア、兼真夏に砂漠を歩き回ることを苦にしない者が新旧どちらを選ぶかと言えば、間違いなく前者。
観光の一点だけを考えて、後者が優れているのは、アブシンベル宿泊のみ。
アブシンベル神殿はじっくり見る価値はありますし、宿泊者しかいない早朝のアブシンベルは他人に邪魔されずにじっくり内部見学ができますので。
ですから、同じ日数で、アブシンベルまでは空路、しかも、アブシンベル宿泊があればこれこそ望ましいものということになります。
ついでにいえば、新コースで訪れるエドフとコム・オンボは建物こそしっかり残っていますが、グレコローマン時代のものなので、純粋な古代エジプト好きにとってはパンフレットの謳い文句ほどよいとはいえない。
これが率直な感想です。
これはイシス神殿も同じようなものでしょうか。
それと、これは何度もエジプトに行った者の感想ですが、ギザのピラミッド群は観光最終日ではなく、初日エジプト観光の最初にすべきだと思います。
多くの遺跡を見慣れ、疲れた状態で眺めても感動は最初に見るより小さいでしょうから。
ついでにいえば、クフ王のピラミッドの内部観光は非常にハードです。
まだまだフレッシュの状態で行くべき場所です。
まあ、ハードと言っても、観光できるピラミッドの最難関ダハシュールの赤ピラミッドに比べればだいぶ楽ですが。
赤ピラミッドは往復した後に膝が笑う人が続出する名所、迷所です。
それと、新コースはカイロ博物館観光が含まれていませんが、ツタンカーメンの遺物が大博物館に移動していなかった場合は大惨事となりますので、必ず「ツタンカーメンの黄金のマスクを見ることができるか」を確認しましょう。
もし、スケジュール上、含まれていなかった場合は、七日目の出発前にタクシーで行くことになるのでしょうが、やや厳しいかもしれません。
それと七日目は観光後直接空港に乗り込むのかもしれません。
これは汗を掻いたまま飛行機に乗るということになります。
その辺も事前チェックが必要です。
これは個人的感想ではありますが、やはり、最初の観光はギザ、締めくくりはツタンカーメンというコースがいいと思います。
ツタンカーメンの遺物がギザの大博物館に移っても、最後にツタンカーメンの黄金のマスクを見たあとにもう一度ピラミッドを堪能するということになれば、いいエジプト旅行になると思います。