表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月明かりの妖姫  作者: 穂月千咲
藤ノ宮編2
104/114

序奏舞 プロローグ

 我が主人は不運だと思う。小さい頃から忙しい親には相手にしてもらえず兄妹の世話ばかり任されていた。主人は嫌がった。親に構って欲しくて兄妹の面倒など全く見なかった。侍女達の気遣いも嫌がった。そのせいもあって今では兄妹、特に妹から嫌われているようである。


 また侍女達の間での黒い話を幼い頃から聞かされていた。どこからとなく、いじめや愚痴が聞こえてくる。遂には主人にある侍女を無視するようにとお願いした侍女がいたそうだ。せめてもう少し主人が大きくなってからにしてほしかった。いや、いくつになってもしてほしくはなかったのだが。


 主人は幼い頃に女の標的になった。主人の有無も聞かず服を脱がせ迫ってきた。次から次へと女達は主人に手を伸ばしてくる。主人の女嫌いはここから来ている。


 それに。主人は命を狙われた。主人の両親のやり方に納得行かない連中が集まって脅しとして主人を殺そうとした。誘拐されたこともあった。その時はなんとか見つけ出し、助け出せたから良かったものの、彼の心は深い傷を負っていた。自分の親の子であることを嫌がるようになった。


 それからはなんでも一人でこなしている。噂話などを含め、他人のほとんどの話に関心を持たないようになり、また命を狙われても対処できるようにと鍛えた。誰にも相談もせず、一人で考え一人で決める。大人らしくなったと同時に子供っぽい所は何も変わらない。


 行き詰まれば、怒りを声に出して叫ぶし、自分が不利だと分かれば子供のように拗ねたり、思ってもいないことを口走る。多少呆れることがあるが、仕方ないことである。そりゃぁ怒りたいことは度々あるが、時に尊敬したいと思う時もある。


私はただこの主人に一生お仕えするのみ。私の命は主人の物であり、どのように使われようとも文句はない。

全ては我が主人のさちのために…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ