表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

雨も滴るいい男?

暴徒たちは立ち尽くしている。狂犬ならぬ狂人の前に恐れおののいた人たちは立ち尽くしている。


「これはどういう事かしら」


「っ、S級冒険者!」


「“韋駄天のフーカ”!」


「フーカ様、離れてください!この男は狂っています!」



周りの人達に事情を聴こうとすれば戻ってくるのは遠ざける言葉。ただただ《《S級》》を思っての言動が重ねられる。


「私はここで何が起きたかしりたいの。教えなさい」


「そ、それが。そこに倒れている娘が盗みを働いたから成敗しようと思い」


「盗みって、ここまでする必要はないですよね?衛兵を呼びに行くべきだったと思いますが?」


「この子教会から盗んだんですよ!?」


「それでも、衛兵を呼ぶべきでした。ここは私が引き受けます」



辰也の前に歩いていくと自然に人がモーゼの奇跡の様に分かれ、道をあけてくれる。


彼はお構いなしに叫び続ける。目はうつろで焦点もあっておらず、辰也は精神的に限界なのが見てわかる。


「その子の傷を――」


「こいつに触んな!」


「日向君、私は雛菊風香、クラスメイト――」


「S級なんてくそくらえっ!栄誉だの正義だのほざくだけの薄っぺらいクソガキ共がっ!」


限界寸前だとしても、辰也は雨でどろどろになっている少女に誰も近づけさせない。私の事も覚えていないぐらい錯乱していてただひたすらに罵倒を続けている。



S級()が来たことで有象無象は納得したらしく、立ち尽くしていた人の森は薄くなっていく。


目の前でいまだに睨みを利かしている辰也に目を向け、覚悟を決める。


「仕方ないわね。“睡眠魔法スリープ”――」


「ちょっと待って、何してるの」


「...あなたは?」


「そこであんたが魔法で伸ばした奴の下宿先の娘。あんたS級のフーカでしょ?異世界からやってきたっていう。タツヤになんのよう?」


パタパタと雨の雫が地面に落ちる静寂の最中、雨の中を走ってきたポニーテールの町娘は辰也と似た目で私を睨んでいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ