40話 会話
お久しぶりの更新………毎日更新は無理そうですけど、ちょっとずつ更新していきます。
できれば、二作品目と投稿数を揃えたかったんですけどね。
リア友に投稿はよと言われてしまったので、これから頑張ります!
休憩をとり、私はひと段落付く。
そのはずだったんですがね〜。
「にゃ(誰?)」
はいはい、私には休憩する権利なんてないんですね、わかりますよ運営さん。
目の前の気配………完全に殺意マックスなのこれいかに?
私はゆっくりと立ち上がる。
そして、思いっきりそこからそいつの方までかけていく。
「………!?」
私はいきなり動いたことに驚いたのか、体が固まっている人型の何か。
っていうか、やっぱり早くなってるよね?
私がいない間に何があったというのだろうか?
まあ、どうでもいいけど。
「ちょっ!止まれ!」
何かが私の方に飛んでくる。
私はそれを軽々と避ける。
(何これ?クナイ?)
よく見慣れた………見慣れてはいないけど、日本人なら誰でも知っているであろう“クナイ“がそこにはあった。
そこまで殺傷能力が高そうに見えないのは少し不思議だ。
だが、私の体力で言えば、かすっただけでも即死なので、油断はできない。
「だから止まれって!」
何?なんなの?私は休みたいのですけど?
ゲームでもすわしなく動かなあかんっておかしいでしょ!
私はクナイを君が投げてきているから避けているだけなんだけど?
人型生命体君?もちょっとその投げるの止めてよ!
「っち!止まってくれ!」
その声とともに、クナイが飛んでくる気配が消える。
ふ、ようやく分かったか小僧。
私は動きを止める。
「うわ!」
すると今度は、それにびっくりしてか思いっきり転けてしまった様子。
よくよくみると、その服装は完全に忍者のそれであった。
いや、本物は絶対こんな格好してないでしょうに………。
あれだ、なんか顔の目の部分だけ見えて、あと全部は服で覆われてる感じだ。
だから喋っていても男か女かわからんかったわけである。
まあ、今思うと完全男だったわ。
がたい………は、細身だけど……。
声………も高い……。
あれ?こいつ男?
ちょっと不安になってきた。
「いたた……」
お尻の辺りをさすりながら、立ち上がろうとする男の子。
身長が低いからやはり、女の子か?
「って、うわ!」
私はその男(多分)の胸に飛び乗る。
そして、手を振り上げーー
「わ!」
思いっきり肉球で顔を殴りつける。
あ、ごめん。
殴るというのは少々語弊がある。
私は、純粋に被り物を外そうと思っただけで………。
ま、そのおかげで顔が見えた。
やはり男の子だった。
髪の毛は短く、長さは……多分バラバラ。
だが、なんとなくこの子は美少年に見える。
倒れたときの片目をつぶっている表情がなんとも可愛い………。
あ、いや、べ、別に変な目では見てないからね!?
私はショタコンではないのである!
「な、何をする!」
「にゃ!(大人しくして!)」
「な、なんていってるんだよ………」
猫語がわかるはずもなく、男の子は困り果てた。
決して危害を加えようとしているわけではないことに気づいたのだろう。
できれば、最初から気づいて欲しかった。
だったらこんな面倒なことにはならなかったのだ。
(あ?ちょっと待って?確か私、本を持っていたような………)
確か、標準語の本を持っていたはず。
私はインベントリを開く。
そしてーー
「いったー!」
あ、やっちゃった。
思いっきり、この忍者の男の子の顔面に落ちてしまった。
(ごめんよ少年。危害を加えようとしているわけではないから……勘違いしないでよね!)
私はその本を広げるように男の子の顔を叩く。
優しく………ね?
「え?何?」
私は体を動かして、本を前足で指し示す。
「え?これ………『標準語』?これを見ればいいの?」
分かったらさっさと開くのだ。
「どのページを開けば………」
(あ!そこだ!)
私はペラペラとめくるその男の子を腕を肉球殴打を繰り出す。
「今度は何?」
彼が開いたページは約五十音の文字が並べられている。
私はそのページを使って、文字を指す。
一文字ずつ………。
(これが私の作戦である!)
まあ、一文字ずつであれば足で指し示すことができる。
「『こ、ん、に、ち、は』?」
「にゃ(うん)」
「え、えっと〜こんにちは?」
「にゃん(どうも)」
……………やばい。
話すことない。
「えっと?『な、ん、で、こ、う、げ、き、し、てきた、の』?」
「にぇにゃ!(そうだよ!)」
「え?あ、ごめん、なさい?」
なんで疑問系なんだよ!
「だ、だって!里長が殺されると思ったんだもん!」
「にゃーにゃ!(言い訳するでない!)」
「ひぃぃぃ!ごめんなさい!」
泣きそうになる男の子に容赦なく、私は怒る。
「だ、だってだってぇ〜!」
それにしても、里長とはなんぞや?
「え、え?あ、はい。『さ、と、おさ、って』?えっと、うちの里に一番偉い人の声とです!」
いや、それは知ってるよ!
「『つ、れ、て、って』………ダメだよ!だってお前入れたら殺されちゃうかもしれないじゃん!」
いや、なんでそうなる?
私は別に殺したらなんかしないのだが?
「『わ、たし』?え?メス?」
あ?
なんかいったかな?坊や。
「あ、すいません………え〜っと、『な、んで』か………。強いているなら予言のようなもので出たからだよ」
予言とは?
多分里長が殺されるという予言が出たんだろうけどね。
「里長が殺されるかもしれないっていってさ。なんでかはわからないけど猫が怪しいっていうことになってさ。っていうか、僕が勝手に思ったわけなんだけどね」
「にゃにゃ!(なんでだよ!)」
なんで猫が怪しまれなくちゃならないんだよ!
「『どうし、て、そうな、ったの』?え?だってさ、圧倒的に強いじゃん!」
強い?
私が、か?
そんなわけないじゃないか!
私は攻撃力皆無だし、体力もゼロに等しい、雑魚なんだけど?
どちらかというと、ステータスバランスが大変整っていらっしゃるであろう、あなたの方が強いと思うのですが?
「こう、速攻で、バーン!って!」
いや、どういうこと?
「なんか、俺には見えなかったけど、すっごい速さで攻撃したんでしょ?」
え?スキルを使っただけなんですけど?
確かに私は体をの動きが素早いのかもしれないんだけどさ?
それだけなんだよね、いってしまったらさ。
だから攻撃手段もあまりにも少なくて、攻撃パターンを見切られたら、私は負けることしかできない。
だから、この子にも私の攻撃のタイミングを見切られたら勝ち目なんてなくなってしまうわけである。
「とにかく!ここの周辺を彷徨く、強くて不審な奴を警戒していたってわけです」
「にゃー(ふーん)」
ということはなんだ?
この子は、里長を守るために、里の周辺を警戒をしているということか……。
っていうことは、この子がまだ私以外に怪しい奴を見つけていないということはやはりただの勘違いとか、そういう可能性の方が高そうだと思うんだけどね。
「ま、まあもういいだろ!俺は警戒を続けるから、お前はどっか行ってくれ!ん?そう言えば話が通じてたの?」
いや、今更ですかいな旦那。
少々理解が遅かったんじゃないの?
私はどっかいけって………少しレディーに対する態度がなっていないようですな〜。
「じゃ、じゃあな!」
そういって、洞窟から出ていく男の子。
いや、せめて名前くらい教えて頂戴な!
どっか行ってしまった男の子をよそに、私はようやく休めると、重くなった腰をゆったりとおろす。
尻尾をブンブン揺らし、なんとか気分を落ち着ける。
その尻尾を洞窟の壁に打ち付ける。
そしてーー
「にゃ!?(え!?)」
一瞬で、私の地面の下が凹む。
「にゃ?にゃ?(え?え?)」
私は体を再びおこし、何が起こったのかチェックする。
(これは………階段?)
私は地面に生まれた階段の一段目の部分に寝ていたようだ。
大きさとしては大人一人がギリギリ通れるかどうかという大きさだった。
まあ、私には関係ないんだけどね。
体の大きさなら私は小さい部類だと思う。
猫の中でもね。
え?早く中に入ってみろよって?
やだよ?
だって、私休みたいんだもん!
というわけで、私はお休みしますね、はいはいじゃあ次回起きるときの私、後は頼んだ!
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