38話 見知らぬ場所
総合評価200と、PV2万ありがとうございます!
女子トークも終わり、白猫は帰っていった。
何をしにきたのかといえば、もともと、猫さんが住んでいたところに猫さんがいなかったから、探しにきていたらしい。
まあ、ここでグースカ寝ているのを知って、『あなたに任せる』と、足早に姿を消してしまった。
任せると言われても、私は何をしていいかわからない。
それよりも、猫さんは寝ているんだから放置しておくのが良いのでは?
モンスターとかに襲われて痕跡もないし、そもそも今の私では起こせない。
レベル不足ってことらしいんだが、私的にはちゃんとレベルは上げてあるので、きっと何かの間違いだと思っている。
だって、そのほかに考えようがないんだから。
それはいいのだ。
すぐにレベルはあげられるし、今すぐにという、急な用事が猫さんにあるわけでもない。
とりあえずは、違うところで何かしよう。
(じゃあ、今日1日は何をしようかな〜)
何もすることがないのだとしたら、森に入って探索したり、アイテムを集めるのも悪くはないのではないか?
もしかしたら、金銀財宝が……………。
(よし、行こ!)
♦︎♢♦︎♢♦︎
やってきました!どこかの森の中!
いいね〜やっぱりこういうところの方が落ち着くわ〜。
鳥がさえずっていて、静かに木々の葉っぱが擦れ合う。
この音が最高なんだな〜。
わかるでしょ?
ASMR聴きながら寝ている人には特にわかってくれるはずだ!
(っていうか、ここどこだろ?)
私はあんまり見覚えのない森を見渡す。
森の中に見覚えもクソもないかもしれないけれど……。
何となくだが、普段の森とは雰囲気が違うような気がする。
つまりは、猫の勘だろう。
そして、猫の勘以外でも、私の勘はかなり当たることが多いのだ。
それも、ゲーム内問わず、現実でもね!
ということで、そんな私が見覚えのないというのなら、きっとほんとに知らない場所なんだろう。
(こういう時こその、マップ!)
私はマップを開く。
《解放されていないエリアです》
そう文字が出てきて、マップは黒く塗りつぶされてしまっていた。
(……………は?)
いや、どうしてそうなった?
私はただ単に、冒険者組合にあった転移陣に適当に入っただけなんだが?
あの後、自分で走っていくのは時間がかかり、めんどくさいと思ったので、冒険者組合まで、こっそり戻ったのである。
なぜ、こそこそする必要があるのかといえば、ギルマスに仕事復帰させられる危険があるからである。
せっかく休みをもらったのに、また死にかけるようなとこ行かなきゃ行けないってさ?
それは流石に嫌なので、転移陣を使って早々に逃げることと致したわけ。
それが裏目に出てしまった。
(マップでもわからないような場所に出るとは思わなかったんだもん!)
マップは全てを見通すものと思っていた……。
そうかそうか、君はそういう奴なんだな……。
マップでもわかんないとなると私は自力で帰った方が良くないだろうか?
とすると、私は自力で帰んなきゃ行けないってことだよね?
(無理)
その言葉が頭を過ぎる。
つい昨日もマップを使ったのに何回か迷ってぐらいなんだ。
私がマップ無しで、帰るなんてことは不可能ってこと。
(オワタ)
どうする?
こっから帰るなんて、道わかんないからできないよ?
(あー!思いつかん!もう、ここら辺探検するしかなくね?)
どうせ、ゲームなのだ。
いつかは元の街に戻れる。
というか、戻る必要もないのでは?
だって、特にこれと言って思い入れがあるわけでもなく、帰るべき場所があるわけでもないと……。
あ、でも猫さんがいたわ……。
猫さんのクエスト逃すのはなんか嫌だな〜。
でも、すぐレベル上げてすぐにやりたいってわけでもないから、今の所は変える必要はないと……。
(……………探索しよ)
考えるのは疲れるため、私はそれをやめる。
代わりに何か手がかりと言うべき何かがないか探す。
冒険者組合の転移陣によってここまできたのだ。
だから、帰ることはできなくても、なんかしらイベントが起こったりするだろう。
私はイベントとかにはあんまり興味はないけど、すぐにできるイベントが近くにあるのならやっておきたい派なんだよね。
どんな派閥だよそれっていうツッコミはまってないんで。
私は歩き出す。
どこを見ても、緑の景色。
特に変わったものがあるというわけでもなく、ただただのどかなだけなんだよな〜。
帰りかたがわかったら遊びにこよう。
結構安全そうじゃね。
だって、ここモンスター出てなーー。
「グルルルルルルッ」
「……………」
訂正。
いた。
白い毛並みのモンスター……。
そのシルバーウルフは私に襲いかかってくる。
(あれ?)
だが、その動きはかなりゆっくりで……まるで、スロー再生されているように感じた。
(どうなってんの?)
確かに私は早くなった。
だからと言って、こんなに遅く感じるものだろうか?
銃弾の弾のように早く見えていたのが、いきなり50メートル走15秒だいくらいに感じるのは絶対変だ!
私は軽々とその突撃を避ける。
その、シルバーウルフは自分よりも早く動かれたことに驚いた様子。
まあ、そうだよね。
ただの猫だもん………それが自分よりも早いとなると…。
シルバーウルフはそれを学習し、今度は鉤爪での攻撃。
だが、これも遅く感じる。
当たっても痛くなさそうと感じてしまうほどだが、私の体力では一瞬でお陀仏になってしまうのでしっかりと避ける。
それも避けるか、という渋い顔になったようなシルバーウルフが、私の目の前で対峙する。
(そろそろ倒れてもらおうね〜)
私はスキルを発動し、その動きを止める。
同時に私のインベントリにアイテムが流れ込んでくる。
そして、目の前から狼が消える。
(って、あっけなさすぎ……)
私の昨日の苦戦が嘘だったように、1分も経たないうちに勝負がついてしまった。
このスキルの力は何回も使っているので知ってはいるのだが、やはり、驚いてしまう。
まあ、勝てたんだし、気にすることはないぞ私。
決してスキル使っておけばあの時死にかけなくてよかったのになんて考えちゃダメだ!
頭を振って思考を切り替える。
んじゃまあ、探索再開ですな!
♦︎♢♦︎♢♦︎
速報です。
洞窟を発見しました。
私の前に大きな穴が広がっている。
奥の様子は私の目を持ってしても見えないため、何があるかは見当もつかない。
至って普通の洞窟って感じがする。
(ちょっとここで休憩するか。疲れたし……)
私は洞窟の中に入っていく。
それにしても暗い。
正確には奥が暗いのだが、ワンチャン落とし穴とかあるのかな?
十分に警戒しおいた方がよさそう。
暗い場所は足元が疎かになるからね。
最悪の場合、モンスターがここに住み着いているという可能性もあるのだ。
こんな暗くて、誰もこなさそうな場所なので、モンスターなどはこういうところで暮らしているのではなかろうか?
私の見解なので、あくまで推測だが……。
(これ、どこまで先が続いているの?)
猫の足とはいえ、かなり歩いてきたはずだ。
なのに、先が見えないのだが?
これいかに?
私が歩いていると、ついには壁に突き当たる。
(あれ?何もない?なら、いいけど……)
私は安心し、少々そこで休憩を取るのだった。
♦︎♢♦︎♢♦︎
それは、ある小さな古い家の中でのこと。
「侵入か?」
「いや、違う」
「猫?どうしてこんなところに?」
各々が意見を述べている。
だが、それを止めるものがいた。
「やめい」
「長……」
「お主らの言い争いから生まれるもの小さい。それよりも、猫の行動を観察するのじゃ。猫の感覚は敏感、敵に気づかれないための良い訓練となろう」
「さ、さすがです長」
1人が返事を返し、残りのものはすでに何処かへと散り始める。
「ですが、猫1匹に警戒する必要なんてあるんですか?」
「あるとも。かつてのこの里は猫によって滅ぼされかけた」
「ね、猫に?」
「そうとも。ほれ、お主もさっさと去ぬがいい」
「はっ!」
素早く何処かへと散っていく。
残った長と呼ばれた人物は、独り言を呟く。
「猫……ついにこの時がきたんじゃな。かつての先祖たちとの務めを果たす時が……」
これは悲願していた事実であり、警戒すべきものではない。
だが、若輩者たちのいい訓練となろう。
何せ、相手は猫なのだから……。
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