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すばやさに極振りした猫〜VRMMOで最強目指す〜  作者: 翡翠 由
第一章 ゲームを始めました
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28話 アンデットの王

12時などに多く見ていただいているのですが、皆さんちゃんと寝れているんですか?

体調には気をつけてくださいね。


追記 1日でのPV数が1,000いきました!

ありがとうございます!

AIにまで、私は悪役認定されているのではないかと言う一抹の不安を覚えつつ、私は考えることをやめる。


 考えたところで、思考が悪い方向に進んでいく気しかしないためである。

 こうなってしまったらいつか、アリーをぶん殴ってしまいそうだ。


 アバターを初めて作ろうとしたときに出てきたあのAI。

 あいつのせいで私はこんな愛らしい見た目になってしまったと言ってもいいだろう。


 実際悪いのは私なんだが、それを踏まえてもアリーも悪いと思っている。

 何せ、アリーは伝え忘れることが多いらしい。


 らしいって言ったけど、アバターの変更不可っていう大事な部分を伝えてくれなかったのだ、こんなことが1回きりしか起こらないはずがない。


 もしそうだったとしたら、もはや運営が狙ってやったとしか思えなくなる。

 流石に運営に喧嘩をふっかけるのはお門違い………ということもないが、AIとの()()()()()に無理やり混ぜるというのは、なんか違うのである。


 それにアリーにはいつでも会いにいくことができるのだ。

 というのも、実のところアリーとはアバターを作ったとき以外あったことがないっていうわけではないのだ。


 アリーはおそらくログインするたんびに出てくるAIなのだろう。

 私は記憶を呼び覚ます。



 ♦︎♢♦︎♢♦︎



「おかえりなさいませ!ようこそ!EFOのせか………い?」


 私が姿を見せたことで慌てふためいているアリー。

 もし、私が個人的恨みを持っていなかったら非常に可愛らしいと思ったことだろう。


 今は、ちょっと憎たらしいと思っている訳だが。


「な、なんでエミさん……さまがこちらに?」


 様付けに呼び方を変え、頭を低くしていつでも土下座ができる体制に移行している。


「あら、あらららららら?」


「あ、ひゃい!」


 私はその様子を見てとても満足げな気分になった。

 だが、それだけじゃ満たされないのが、私の心。


 何せ、私の心はだーいぶ!広いのだから!

 優しい分、怒りはなかなか晴れないのだ。


「ちょっと………いや、たくさん殴っていい?」


「ダメです!っていうか、どうしてちょっとからたくさんにしたんですか!?そこは、許してあげるの一言ぐらいいいじゃないですか!?」


「あはは、そんなこと言っていいのかな〜私の拳の届く位置にいながらよくそんなこと言えるわね〜」


「あ、えっと」


 私は拳を両手でパンパンと鳴らしながら、偉そうな態度で笑う。


「す、すみませんでした!だから、前みたいにログインが完了するまでの間私を追いかけ回して、殴りかかろうとするのはやめてください!」


「それじゃログイン完了するまで暇になっちゃうじゃん!だからさ。お・ね・が・い☆」


「あああああぁぁぁ〜!誰か助けて〜!」


「あ!逃げちゃうの〜?追いかけっこには自信ないけど、頑張っちゃうわよ〜!」


「いやあああぁぁぁ!頑張らないでえええぇぇ!」


 白い空間にアリーの雄叫び…絶叫が響き渡った。



 ♦︎♢♦︎♢♦︎



 私的にはキャッキャうふふと楽しく遊んでいただけなんだよ?

 これを聞くとそう思わないという人がいそうなので、訂正しておく。


(でもな〜毎回いいところでログインが完了しちゃうんだよな〜)


 それが、少し残念に思いながらも、今日もログインした訳だけど……。

 何しろ今話したのは朝の出来事だからね!


(そういえば、なんでこんな話になったんだ?)


 あーそうそう。

 スキルのことだった。


 まあ、スキルに関してはもういいだろう。

 突っ込むのも疲れるし、なんてったって体力がもたないから……。


 んで、次なる問題の話をしようじゃないか!


 その問題とは!


 デデデデデデ……


 デン!


(こっからどうでようかな?)


 私は当たりの壁を見ながら、出口らしきものがないか探す。

 だが、やはりあるのは壁画が描かれている壁のみだった。


 ここから入ってきたときは、上に空いている穴から出てきたんだよね。

 私の頭上から差し込む光を感じながら、懸命に暗視のゴーグルのような私の目で探すが、特にこれと言ってさっきから代わり映えがない。


 まあ、まだ先に行けば廊下のどっかで空いているかもしれないし、そこが出口になっている可能性もなきにそもあらずだからね!


 私はどっちの方向に向かうか決めたのち、その方向に向かって小走りする。


(いった!)


 すぐに壁に激突する。

 小走りと言えども、なかなか制御が難しい。


 本当は、制御にはステータスは少しづつ上がるため、慣れていくのだろうけど、私の場合、一気にステータスを振り分けたもんだから、全くと言っていいほど自分でも見えないほどのスピードなのだ。


 これも慣れが必要だな……。


 私はぶつかった壁を見据えながら思う。


(ん?ちょっと待って?)


 私の頭の中に疑問が浮かんでくる。

 先ほどぶつかった壁だが、何か普通の壁とは違う気がした。


 なんていうんだろう?


(木にぶつかったようなそんな感じがしたな)


 そう。

 ぶつかった感触は、何か壁よりも柔らかく感じた。


 それに、ぶつかった音もガン!じゃなくて、ギシ!みたいな、気がしたのだ。

 自分で言っている意味がわからなくなってきたのが、私は気にせずもう一度その壁に触れてみる。


 違いを確かめるために、違和感を感じない壁から順にと……。

 そして、その壁に触れると……。


(おわ!?)


 壁が動いた。

 いや、正確に言えば壁が開いただろう。


 その壁は、まるで扉のようにギシギシと音を立てて開いた。

 私は思わず中に飛び込んでしまったため、後ろを振り返り、壁の状況を確かめる。


(やっぱ、これって壁じゃないじゃん!)


 私に見えたのは、木のただの扉だった。

 だが、開いている扉の向こうに側にはしっかりとした壁が見えた。


(幻覚?)


 さっきまでいた廊下から見えるのが、幻覚で壁に見えたってことか。

 それなら納得がいくっていう話だ。


(なんでもありな魔法の世界だもんな〜)


 異世界転生とかはちょっと怖いけど、ゲームだったらめっちゃくちゃ楽しめるって話!


(う〜ん。出口じゃなかったぽいし、部屋出るか〜)


 私がその部屋を出ようとしたときーー


「待たれよ、侵入者」


「にゃ?(え?)」


 私は声のした方向………暗がりの方に目をやる。

 いきなりパッと明かりがつき、部屋全体が明るく照らされる。


 全く見えないほどの暗がりだったため、急な光にめまいがする。

 それもおさまり、私はその方向を確認する。


 そこに立っていたのは、


「にゃーにゃ?(アンデット?)」


 どこからどう見ても、アンデットなのですが?

 さっき倒し尽くしたと思っていたんだけどな〜。


 だが、私はのんきな風に見えて実はちょっと体を強張らせている。

 そのアンデットは明らかに他のアンデットとは違った。


 何が違ったかと言えば、まずは服装だろう。

 スケルトンは服を着ていなかったが、こいつは白衣のローブを見に纏い、偉い人の象徴、王冠を被っていた。


 その姿はアンデットの王そのものだった。


「いかにも。私はこの迷宮の主人である」


 へ〜ここって迷宮なのか……。


 ん?

 私の言葉通じてない?


 猫語なのに、通じているってことは、こいつ猫語勉強してたりする。

 それはちょっと面白いけど……。


 今はそんなことを考えている暇はなさそうだ。


「侵入者、悪いが貴様にはさっさと死んでもらいたのでな。では、いくぞ?」


 その声とともに、目の前のアンデットの王の姿が近づく。

 かろうじて、その姿は私にもみえ、身体能力を持ってして避ける。


「ほう、なかなかやるではないか。私の初撃を避けられたのは侵入者の中でお前が初めてだ」


 そりゃそうだろうよ……。

 私、勘で避けただけだもん……。


 半分は身体能力、半分は勘で避けられた。

 私のような極振りをしていても、避けられるかギリギリだったんだけど…。


「では、次だ」


 そう告げたローブのアンデットは再び接近してくる。

 いつの間にか手に持っている大鎌をかかげながら……。


 それが戦いの火蓋を切り落とすのだった……。

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