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すばやさに極振りした猫〜VRMMOで最強目指す〜  作者: 翡翠 由
第一章 ゲームを始めました
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プロローグ②

「発売日…夏休み前日…予定日…今日………え?」


 私の目はそこで釘付けになる。

 暗い部屋であるにもかかわらず、画面に顔をものすごく近づけ、もう一度予定日に書いてある日付を確認する。


「え?待って待って…。これ何かの冗談?だとしたら最高だけど…」


 黒く長い自分の髪を『邪魔…』とかき上げながら、発売日のところから読み上げる。


「発売日…ふんふん。そんで持って予定日が…やっぱり。ここの日付って絶対今日じゃん」


 一応私の勘違いという線もぬぐいきれないため、パソコンの右下の日付も見る。


「やっぱこれ今日の日付やん…」


 私は嬉しい気持ちと、『さっきまでの落胆は一体なんだったんだ…』というなんともいえないような気持ちに苛まれる。


「ん?でもこれってさっきのホームの方に書いてあった内容とちょっと違わない?私はこっちの情報が正しいと信じたいのだが?」


 思い出すのは『予定』というこの文字。

 私はこれを見て勝手にまだ開発段階だと思ってのだが…。


『予定』と、『予約』は言葉の意味から違う。


『予定』が、行事・行動などについて前もって決めるて、その決めた事という意味。


『予約』が将来のこと…まあ、お買い物だったり…を前もって約束したりすることという意味なのだ。


 こんなのは誰でも知っていることなので、あれなのだが…。

 私はもう一度予約さっきのページに戻り、私の見間違いか確認する。


「って、私どれだけ心配性なのよ…。こんなに確認しなくてもいい気もするけど…。自分で思っても仕方ないか」


 自分で自分に向けて苦笑をしながら、ページを戻す。

 そこには、さっきと変わらず予約・今日を書いてあった。


「やっぱり…ほんとどっちを信じればいいのよ?」


 そう頭を抱えていると…


「あれ?これスクロールできるんだ」


 私はマウスを使って画面をスクロールする。

 そこに現れたのは予約開始日の正確な日時だった。


 そう。()()()()()だ。

 それは、予約開始日とその時間帯が記されていた。


 そこまで見たところで、私は仰天することになる。


「今日ってところは合ってると…。そういえば、今は何時だっけ?」


 予約開始時刻を確認し、現在の時刻と照らし合わせる。


「え?9時?」


 そこで、すべての謎が解ける。


「予約開始時刻が10時で…今が9時と…ああ!そういうことね!」


 ホームに予定と書いてあったのは単純にまだ予約が開始されていないからだった。


「じゃあ、買えるじゃん!やった!」


 キャッキャと飛び跳ねる心を押さえ込み、私は予約が始まるまで待機することにする。


 そして、再び私は驚くこととなる…。


「って、ちょっと待って!9時ってところしか見てなかったからわかんなかったけど、もう9時…ていうか10時じゃん!?」


 パソコンに表示されるのは『9時59分』。


「やば!急いで、予約しよ…」


 私は予約できるであろうボタンを連打するのだった。



 ♦︎♢♦︎♢♦︎



「いや〜あれはいい思い出だね…」


 一人で目を閉じ、思い出(笑)に浸っている。

 ちゃんと道路のはじによってそんなことを考える。


「っと、そんなことは今はいっか。早くやってきたゲームで遊ばなきゃね!」


 目を開け、寄りかかっている壁の反対側…目の前にある私のマンションを見て、早くゲームがやりたい気持ちが高まる。


「そうと決まれば!…早くコンビニ行こう!」


 私は自分のマンションとそっぽを向いて歩いて数分のところにあるコンビニを目指す。


 私がコンビニに行くことには二つの理由がある。


 一つ目


 エナジードリンクやら食料をとりあえず買い占めるためだ。

『え?なんでそんなことする必要があるんだよ?』って思う人もいるかもしれないが、これにはちゃんと意味がある。


 だって、これからEFOという()()()()ゲームをするんだよ?


 そして、明日から夏休みなんだよ?

 つまりは食事を買いに行くことする面倒くさくなったりしちゃうかもしれないじゃん。


 まあ飽きないってところは希望的観測だけど…。

 自分たちで言ってんだらきっとそうだ!と、思うことにする。


 言いたいことは…私は家に引きこもってゲームをやる!

 ということだ。


 なので、気力が持つようにエナジードリンクを買って、すぐにゲームに戻れるように食料を買い込む。


 そして二つ目


 それは…


「ゲーム届いているかな〜」


 単純明快。

 EFOをコンビニに届けるようにしてもらってたんだ。


 いや〜最近のネット社会ってすごいんだね。

 届け先の住所を伝えておくと、そこで保管してくれるなんて!


 ただし、数日以内に回収しないかなかったら、発送元に送り返されてさらに時間がかかることになるらしい…。


 私はそんなことにはならないようにしっかりと届いた当日に来たわけだ。

 楽しみだったっていうのが一番だったんだけどね。


 そんなわけで、私はコンビニにやってくる。

 駐車場を突っ切り、まっすぐに入り口向かって行く。


 私に反応して自動ドアが開く。


「いらっしゃいませー」


 同時に、従業員さんが挨拶をする。

 私は迷わず受付に向かって、歩いて行く。


「すみません。荷物を預けておいたものですが…」


「お名前をお伺いしてもよろしいですか?」


「はい。神崎えみです」


 すぐさま自分の名前を言ったことで、食い気味になってしまったが、従業員さんは慣れた手つきで何かをメモする。


「少々お待ちください」


 奥の部屋に入って行く従業員さんを私は眺める。


(ああ〜楽しみだな〜。どんな感じなんやろ…パッケージ)


 ワクワクしながら待っていると、やっと従業員さんが戻ってくる。

 実際は1分ぐらいしか経っていないが…。


「こちらでお間違えないですか?」


 そう言って小さなダンボールが渡された。

 名前の欄には私の名前が書いてあり、商品名には『Eternal fantasy online』と書いてある。


「はい大丈夫です」


「では、こちらにサインをお願いします」


 渡されたペンで、勢いよく書き、ペンを返す。

 ダンボールを手に持ち、急いでコンビニを出る。


「ありがとうございましたー」


 従業員さんの声が、自動ドアによって途中で遮られる。


「さ、帰ろ」


 踵を返そうとしたところで、一人の声が響く。


「お?えみじゃないか?どうしたんだ?」


 男の声が聞こえ、私はコンビニの横に目をやる。


「え?玲二じゃない?そっちこそどうしたの」


 茶色の髪の毛をオールバックに決めた目つきの悪いやつ…玲二は、コンビニの裏から出てくる。


 私はその服装を見て、玲二がなんでいるのか理解する。


「バイト?」


「そうだよ」


 玲二も私と同じマンションに住む住人だ。

 そのせいもあってか玲二とはよく会い、今日みたいなことも何度かある。


 短い会話ののち、玲二が言葉を切り出す。


「お前、手に持ってるダンボール…ていうか箱、何入ってんだ?」


 玲二の目線にあるのは私の手に埋まっているEFOの入っている箱。


「たいしたもんじゃないよ」


「え…でもお前、そんな大事そうに持っているじゃんか?」


「べ!…別にそんなことないし!」


 頭をポリポリとかく玲二にしっかりと否定をしたのち、言葉を綴る。


「あんた。仕事中でしょ。早く戻ったら?」


「あ!そうだった!じゃあまたな!」


 そう言って私が出た自動ドアまで走って行き、玲二の姿は見えなくなる。


「なんだったの?」


 そう呟き、私は帰ろうとする。

 そこで、私はあることに気づく。


「あ…食料買ってないじゃん!」


 コンビニの方を振り返るが、さっき玲二が入って行ったところを見て、なんだか気恥ずかしく思い、私は、


「ま、いっか!」


 今度はネットで注文しよう…。

 そう思い、帰路に着くのだった。


 そういえば、玲二のやつ自動ドア閉まる前になんか言っていたような?


 彼女には『帰ったら、新しく買ったゲームでもやるか…』という、玲二の呟きは聞こえなかった。

本編なかなかはじまらず、すみません…。


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