16話 新たな刺客?
突然ですが、少しの間小説が書けなくなるかもしれません。
というのも、お仕事の方が繁忙期的な?ものに入ったためです。
できるだけ、徹夜の合間を縫って書いていきたいと思うので、どうかこれからも見てやってください……!
2人の息の揃った怒鳴り声にビビッたのか、勢いよく謝りだす。
「いや、ホントごめんって!」
その姿が私の現実の方での唯一の友人である人に一瞬だけ姿が重なって見えた。
(やっぱ友達っていいもんだな……)
このゲーム内の世界では、私は猫として過ごしている。
ゲームを遊んでいることには変わりないため、楽しんで日常を過ごしていられる。
と言っても、所詮はたった2日だが。
だが、このゲームでは先ほど言った通り、猫として過ごしていたため、まともな友達ができない。
まあ、ゲームをやっているという点でそういう寂しさはカバーされる。
できればリア友と一緒にやりたいとか思っちゃうよね…。
誰でも、1人でゲームをするよりも絶対楽しいと回答するだろう。
私は2人の様子を見ながら苦笑する。
(でもでも!私にだってああいう友達をゲーム内でも作って見せるんだから!っていうか、まともな友達はいないと言ったが、猫さんはそうしたらどうなるの?)
猫さん……いまだにグースカ寝ているであろう猫のことを考える。
一応は同じ種族?なのだ。
友達と言っても差し支えないのでは?
それに猫さんは優しいし!
昨日の猫たちから走って逃げている時も、チラチラと私の方を確認して、私が怖がらないように冗談を言ったりしていた。
(私の友達の中で一番まともなんじゃない?)
まともっていうのはなんか違う気がするが、少なくとも人のことを気遣えることができるという点では圧倒的理想の大人。
ああいう大人になりたいな、と子供が思うレベルで…。
猫さんに子供がいるかどうかは知らないが…。
猫さんって父親なのだろうか?
今まであった猫はそんな気がしなかったが…1人強いていいのであれば、白猫かな?
おそらく女性だと思うが、そんな気配は感じなかった。
(まあ、別にいっか……気にしたところでしょうがないからね〜。切り替え大事!)
私は2人のルキさんの説教が終わるまで待つ。
「だから、なんで波動を抑えなかった!」
「だって、あのオークを殺すことしか考えてなかったんだもん!」
「だとしても、オークキングに余波を当てるのは違うだろ!」
「あんたみたいに器用にそんなことできないわよ!魔女を舐めんじゃないわよ!」
言い合いはこの後も続いていく。
「だいたい、お前の手加減した拳の威力じゃオークキングを殺れないだろ?」
「あんたが私の名前呼ぶからじゃない!」
「手加減させなきゃ、討伐証明部位まで粉々にするつもりだっただろ!………まあいいさ。とにかく!今はお前が吹き飛ばしたオークキングを討伐しにいくぞ!」
説教はそこで終わり、私のことを思い出したかのように再び抱き上げる。
「ねえ?探知魔法使っていい?」
「うーむここには誰もいないだろうし、いいぞ」
「『探知』」
しばし無言の時間が流れる。
そして、数秒したのち目を閉じていたラナがカッと目を開く。
「見えた。11時の方向、そこから森の奥に進んでる。最深奥部分」
「森の奥?そこには確かドラゴンが住み着いていると聞いたが……」
「そんなの所詮は噂でしょ。う・わ・さ!ドラゴンがいるかどうかはこの際はいいでしょ」
「中位……平均的なドラゴンまでだったら2人でなんとかなるかな。よしすぐに向かうぞ」
「猫ちゃんは?」
「保護魔法をかけておけ。風圧で圧死しないようにな」
圧死?
なんだか物騒な言葉を聞いて私はいや〜な予感がぷんぷんと漂っていくのを感じる。
こういう時の私の勘は結構な確率で当たるため、不安は拭えず、さらには彼らが体を動かすのを見て恐怖感が倍増する。
「『保護』」
保護魔法をラナが唱えて、隙はそれを確認してから告げる。
「よし、走るぞ!」
「おっけ!」
そうなっちゃいますよねええ!
私はあそこで2人と別れればよかったと物凄い後悔を感じるのであった……。
♦︎♢♦︎♢♦︎
「よーし、視界に捉えたぞー」
「後、数百メートルと言ったところか」
2人はそんな会話をする。
音速を超えそうな速度で走りながら。
果たしてこれが音速かどうかは知らないが、とにかく私は新幹線以上のスピードで移動しているということだけはわかる。
視界に映るはずであろう木々や草花はもはや色だけしか見えない。
2人の声も結構かすれかすれでしか聞こえてこない。
近くから聞こえた音が耳から入ってくるはずが、遠くから響いてきた声を聞いたようなそんな感じ。
これって本当に保護魔法かけてあるの?
かろうじて私は目の前を向いて、2人の進行方向を眺めることはできるものの、それ以外のことで体を動かそうとすることは、風圧か何かでできなくなっている。
(別にラナちゃんの魔法の腕を疑っているわけではないのだが、なんとなく……ただただなんとなく……これって私生きてます?)
息をしているかどうかも怪しいと感じ始めてきた頃だったが、なんとか鼻からスンスンと音が漏れているのを聞き……幻聴かもしれないが……私は一時の安心を得る。
一応私はまだ生きているとな。
(おそらく半分以上走ってきただろう……。もう少し耐えれば、止まってくれる!……はず…)
私はそう信じて、2人に対して聞き取れないであろう文句を口にすることはなかった。
♦︎♢♦︎♢♦︎
「ようやく追い詰めたからね!豚の王様!」
「オークキングだぞ?」
「わかってるわよ!」
ようやく追い詰めたのか知らないが、私はその様子を愛しの地面から眺める。
内臓がフヨフヨと空中浮遊しているかのような感覚から解放され、私は地面に体を擦り付けながら、その冷たさを感じ取る。
(ああぁぁぁ〜。いいわぁぁ)
それは幸せな瞬間だった。
ひんやりと冷たいのは地面のせいだけではないだろう。
辺りはツルなどの植物に囲まれたかのような大きいドーム状の形をなしている空間。
そこには先ほどとは少し違う冷たい空気が流れている。
(涼しいのはいいんだけど、そろそろ倒してもらっていいですかね?)
ラナは本気でやっているように見せかけて、オークキングとの戦いを楽しんでいるのが見て取れた。
(さっき、オークを吹き飛ばしたばかりじゃん……明らか手加減してるでしょ?)
それはルキさんもわかりきっているような表情で『たく、あいつは………』とぶつぶつ呟いている。
彼もすぐに終わらせる必要はない。
要するに、手伝う必要がないと判断したようで、そのままさっきと同じように戦いを観察し始める。
今度は堂々と仁王立ちで二人の戦いを見ている。
(見ていて楽しいのだろうか?)
私の気分だったら、友達がやっているゲームを横からのぞいているだけというような気分になると思うのだが……。
戦うのが嫌いなのか、観察することが好きなのか。
どっちでもいいんだけどね。
「はーい。おしまーい…だ、よ!」
最後の力を振り絞ったかのようなオークキングの一撃を軽く、体を傾け回避したのち、ラナは残酷にも彼の首を一撃で仕留める。
「やっとか。時間かかりすぎなんじゃないか?」
「しょうがないじゃんか。楽しいんだもん!」
「お前の場合、能力も関係するような気がするが……。まあ、それは今はいいか。特に問題はなさそうだな」
アイテム…討伐証明部位と言っていた、手のひらサイズの石を手に持ち傷がないか確認するルキさん。
確認が終わったのと同時に私たちに向かって声をかけてくる。
「よし、このまま討伐証明部位を持ってギルドに帰るぞ」
「えー!明日にしな〜い?」
「まあ、別にいいが」
そこまでいうと2人は入ってきたつたの部分を潜ろうとする。
その瞬間、大地がひしめき出した。
「「「!?」」」
その場にいた全員が驚き、お互いに何が起こったのか確認している。
私は2人が話している間に、さらに何が起こっていたのか突き止める。
「んにゃ?(あれは?)」
私の声で2人も視線の先を見る。
そこにあったのは大きな影だった。
その形はどんどんと巨大な何かの形態を象っている。
「あれは……まさか」
ルキさんの何かわかったような声を聞き、私は振り返る。
重い空気の中でルキさんが言葉を発する。
「ドラゴン?」
私は喋ることができないくらい驚愕するしかなかった。
上で書いた通り、書けなくなると言ったのですが、二週間程度で完全復活できると思うのでお願いします。
できれば、毎日……最低でも3日くらいに一本は出します。
みなさんが見てくれているおかげで楽しく書かせていただいています。
最近では、PV数を見るのが毎日の楽しみです。
以上近況報告でした。
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