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(二)-17

「ジーノ!」

 僕は大声でジーノを呼んだ。

 ジーノはこういう事になれているのか、驚いた表情も見せずに「困ったガキどもだな」とこちらに歩いてきた。

「俺は、お前らをさっきのイスラム商人に売ったんだ。こっちに戻ってきてどうすんだよ」

 ジーノは僕たちの腕を掴み、引っ張って外へ出ようとした。

「あんた、こいつの父親を知っているんじゃないのか?」

 引っ張られながらアンドレアが尋ねると「誰だよ、そいつ。お前らのオヤジなんて知らねえよ」と、僕たちの腕をグイッとさらに引っ張った。

「ビアージョ。それが僕の父さんの名前だ」


(続く)

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