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到着

ストックせず書きあがり次第公開しております

 狩りの指導を受けながら町へ向かって歩き2日目。日もだいぶ傾き始めたころ町の入り口が視界に映る。道中は本当に大変だった。でもこの狩りは必要なことでこれから僕が1人でやっていくためにも必要になるのかもしれないのだ。夜は木の上で過ごし交代で眠りについた。と言ってもどう考えても母さんのほうが睡眠時間が短かった。魔物も見かけることはまれな森なのだからもう少し僕に任せてくれてもよかったと思う。


「ほらぐずぐずしない。少し急がないと門が閉鎖されるよ」

「え、そうなの?」

「うむ。やはり夜は動物も魔物も動きが活発になるからね。むやみに町に入り込まないように入り口を閉めてしまうんだ」


 それを聞いた僕は母さんの後に続き門へ向かい走ることにした。すでに門が半分ほど閉まりかけていたのだ。多分門のところから僕らがいることが見えて少し待ってくれているんだと思う。息を切らせながら急いで門へ走りこむと外を確認していた鎧を着た人が手をあげた。それが合図だったんだろう。門が重そうな音を立てながら閉まっていく。その様子を僕はじっと見上げ眺めていた。しばらくお世話になる町の出入り口で木で出来た門。気持ち厚目ではあるがこの門で魔物とか本当に突破されないのか少しだけ不安を感じながら。


「さて、まずはどうするかね?」


 母さんがじっとこちらの反応を窺うように眺めている。今からの行動をちゃんと自分で決めなさいということなんだろう。よほど無理なことを言い出さない限り口を出さないつもりなのかもしれない。僕はまず周りをキョロキョロと眺めることにした。日は傾いて夜と言うにはまだ少し早い時間。外を歩くのは問題がないレベルだ。僕はこの町でしばらく滞在する…つまりまずは宿がいるだろう。


「えーと…まずは宿をとるかな?」


 スパーーンッ


「ハズレ」

「ちょっ いちいち叩かないでよ」


 叩かれた頭をなでながらもう一度考え直す。宿をとるのは間違いじゃないと思うんだけどそれが違うってどういうことだろうか…でも宿はいるよね。あ、そうか宿に泊まるにはお金がいる。よく考えたら僕お金もっていないや。母さんなら持っているだろうけど、出してくれるだろうか?


「母さん宿に泊まるお金ってどうしたらいい?」

「ふむ、出してやってもいいがそれじゃこれから困るよね?」

「うん」

「だったらどこかギルドに狩りで得た物を売るしかないね」

「ギルドか…」

「この町だと商人ギルドと冒険者ギルドがあるね」

「どっちがいいの?」

「売るだけならどっちでもそう変わらんかな」

「ふぅーん…じゃあ近いほうは?」

「冒険者ギルドかな。誤差だけど」


 なるほど…変わらないならどっちでもいいし、さっさと売って宿で休みたい。やっぱり気の上で寝るというのはあまり体が休まらなかったのだ。


「じゃあまずは冒険者ギルドへ行こう」


 僕がそう言うと母さんは黙ってうなずいていた。この行動は多分それほど間違っていないということなんだろうな。


「場所は…」

「ここからでも見えるだろう? ほら、あの盾に剣と槍が書かれた看板だ」

「弓はないんだ」

「…全部の武器があの看板に収まると思うか?」

「あー…」

「あほなこと言っていないでさっさと行くぞ」


とりあえず町に到着しました

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