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【書籍化】異世界で妹天使となにかする。  作者: 深見おしお@『伊勢崎さん』コミックス1巻9/27発売!


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28 町の外

 ギルドに行った後はついに町の外だ。ギルドまでの道のりを引き返し、自宅近くの南門へと向かう。門の近くには槍を持ち武装した四十歳手前くらいの男が立っていた。


「おっ、『旅路のやすらぎ亭』の坊主と嬢ちゃん。それとセリーヌか」


 こちらに気付いた男が声を掛けてきた。門番のブライアンである。この辺りは近所だけあって、ブライアンとは顔見知りだった。


「レオナさんから話は聞いてるぜ。外に行くんだってな。気を付けるんだぞ」


 どうやら母さんが先に話を通してくれていたらしい。


「うん、行ってきまーす」


「おじちゃん、またね~」


「私が付いてるんだから大丈夫よ~」


 セリーヌが手をヒラヒラ振りながら門を通り俺達もそれに続く。そして門を抜け、初めて町の外に出た。


「……おおう、なんかすごい」


 思わず素の声が出た。周囲には草原が広がり、目の前には草の剥げた街道がまっすぐ続いている。街道からは馬車がこちらに向かってくるのが見えた。行商人だろうか。


 右側に視線を向けると遠くに森が見えた。教会に住んでいるラングは森に薬草と取りに行くことがあると言っていたが、あの森なんだろうと思う。


 とにかくだだっ広くて果てがない風景に圧倒される。町の内側からちらっと外を見ることはあったが、迫力が全然違った。


 そして最後に町の外壁周辺を見渡す。外壁の周りには煉瓦造りの建物や柵で囲った場所があった。牧場だろうか。圧倒的大自然にビビった後に人工物を見るとなんだかホッとするね。


 建物を眺めているとセリーヌが説明してくれた。


「壁の外側にも家はあるわよ。内側の土地は限られてるけど、外側はご覧の通り空いているし税金も安いの。そのかわり内側ほどの恩恵は受けられないけどね」


 その数少ない恩恵のひとつがゴブリンの間引きなんだそうな。ゴブリンの討伐依頼は町から依頼料が支払われており、ゴブリンを減らすことで外壁沿いで生活している人々や家畜を保護しているんだとか。


「さて、これから森の方にゴブリンを探しに行くんだけど、その前にマルク、魔法見せてくれる?」


「いいけど、どの魔法?」


「あんた土魔法が得意なのよね。石礫とかの攻撃魔法って出来ない?」


 石礫かあ。ファンタジー物でたまに見る、ストーンバレットとか言われてるやつかな?


 とりあえず手の平から石を出して前に飛ばそうとイメージする。


 突き出した手の平から赤ちゃんのこぶしくらいの石が生み出された。そして十センチほど前にポコンと飛んで、地面に落ちてコロコロと転がる。


「あっれー?」


「あはははは! 土魔法で建物を作ったりジャージャーと水を出したり、どんな神童よと思ってたけど、初めてあんたの年相応なところが見れた気がするわ!」


 そうだよ、俺なんてこんなもんですよ。とはいえちょっとイラっとしたので、もう一度チャレンジしてみる。


 石が動くのをしっかりとイメージする。前に動かすのだ。前に、前に……。


 すると新たに作り出された石は、手の平からスウーっと5メートルほど前まで動き、そこでポトリと落ちた。あれ以上はマナが届かないみたいだ。全然アカンかった。


『……センスゼロとはこの事ですね。今回は練習よりも見学の方がよさそうです』


 ニコラの呆れ声が響く。


 こうなれば最終手段しかない。再び石を作り出す。そしてそのまま石を掴み取り前に投げてみた。放物線を描く石ころは十メートルも届かずに落ちた。……年相応の遠投だった。


 ストーンバレット(物理)

 当たりどころが悪ければゴブリンは死ぬ。


「……それでゴブリンを倒すのは無理ね」


「やっぱそうだよね」


「まぁ六歳にしては大したもんよ!」


 背中をバンバン叩きながらセリーヌが俺を励ます。どうも攻撃魔法は苦手みたいだ。生活魔法で使ってる時ほどうまくイメージが沸かない。


「マルクはおいといて、ニコラちゃんは何か魔法が使えるの?」


 ニコラはその辺で拾った木の枝を掴んで言った。


「わたしはそうりょニコラ。たたかいはできませんがちりょうのつえがつかえます」


 よく分からないけど、あんまり戦う気はないらしい。


「……そ、そう。ニコラちゃんは僧侶なのね~」


 おままごとだと思ったのか、セリーヌはスルーした。


「うーん、戦えそうならちょっとやらせてあげようかなと思ってたけど、無理っぽいなら普通に見学ね。それじゃあ行きましょうか」


 そしてしばらく歩くことになった。ゴブリンが棲息する森の方へと進むらしい。


 それにしても自分がここまで攻撃魔法が不得意だとは思わなかった。今までなんやかんやでうまく魔法を使いこなせていただけに多少はショックがある。前世で生活していく上で物を作ることはあっても、他者を攻撃することなんてなかったからイメージがうまくマナに伝わらないんだろうか。


 俺が若干落ち込みつつセリーヌの後ろに付いて歩いていると、おでこに柔らかいものがムニュっと当たった。セリーヌの尻だ。考え事をしていたらセリーヌが立ち止まっていたらしい。


「ほら、しっかり気を付けていないとダメよ。いたわよ、あそこ」


 まったくもってその通りである。尻がモンスターなら死んでいた。反省しつつセリーヌの指差す方を見ると、森の入り口あたりに小さい子供のようなものがウロウロしているのが見えた。


 粗末な布を纏う子供のような背丈。毛髪は無く小さな角が生えている。そして極めつけは緑色の肌。そうかあれがゴブリンか。

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[良い点] 面白い [一言] まったくもってその通りである。尻がモンスターなら死んでいた。 ある意味尻はモンスター、魅了され敷かれる。
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