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2 天狗の仕業

 俺を連れてきた天使を、そして俺を見つめた後、超偉そうなじいさんが話し始めた。


「土25673888よ、たしかお主は今日が初日だと思うんじゃが、……どうやらいきなりやらかしたようじゃの?」


 ため息まじりのじいさんの問いかけに、天使は直立不動のまま肩をビクンと揺らした。ちなみに俺はその横で浮いてる。……って浮くんかい。なら何故俺を落とした。


「は、はい! 昨日は初出勤の緊張でなかなか眠れず、とりあえず眠るまで地上のゲームで遊んでいたんですけど、いつの間にか朝になってたのでそのまま出勤して一時間ほど魂洗作業をしていたら、気が付けば魂をはたき落としてました! きっと妖怪の仕業だと思われます!」


 はたき落としたのかよ。


「天界に妖怪なんぞおらんわ! つまり居眠りして手元が狂ってしまい魂を覚醒させてしまったと」


「じゃあゴル○ムの…」


「おらん!」


 じいさんがジロリと睨んだ。


「だいたい合ってます……」


「はぁ……原因は理解した。さて、それではお主……、個体名ヨシダ マサルか。お主はどうしたい?」


 どうしたいって何をだろうか。


「この後のことじゃ。お主の魂の記憶が天界にて強固に上書きされ、このままでは輪廻転生はできん。魂を砕いて新たな魂を作り直すことは可能ではあるが、どうやらお主はそれほどの罪を犯した人の子ではないようじゃ。不手際はこちら側にあるゆえ、そのような手段を取るのも躊躇われる」


 魂を砕くとか恐ろしいこと言い出しましたよ。出来ることなら回避したい案件だよなあ。


「それなら生き返らせてもらえたり……とか無理ですかね?」


「無理じゃな。お主からすれば寝て起きたら今ここにいるのかもしれんが、実際にはもうそれなりに月日は経っておるぞ。もちろん肉体はすでに喪われておる」


 ああ、そうなんだ……。母ちゃんごめんよ。親不孝だったよなあ。親孝行したとは胸を張って言えないだけに後悔が残る。


「母親はお主が死んで半年後にパート先の男と再婚したようじゃぞ。これまではマザコン気味のお主に気を使っていたようじゃな」


 クッソ! パートに行くにしても化粧しすぎなんじゃね? とは思っていたんだよなあ!


「お主は現世に恋人も親しい友人もおらんかったじゃろ。それなら現世にはもう思い残しも無いのではないか?」


 なにげにボッチと言われているような気がするけど、特別親しい友人がいなかっただけで、それなりに会話したりメシを食いに行ったりする同僚や友達は居たんだからね! 本当なんだからね!


 とはいえ、先立つ不孝をしてしまった母ちゃんもまぁ元気に生きていけそうだし、それなら心残りは無いのかもなあ。


「それで、じゃ。お主は現世には戻れない。このままでは輪廻転生の旅にも加わることもできない。そこでこちらから提案がある」


 あっ本題っぽいですね。なんですか?


「異世界に転生してみる気はないか?」


 おっと来たよコレ。

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