↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】異世界で妹天使となにかする。  作者: 深見おしお@『伊勢崎さん』電撃大王連載中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/387

126 トマトソースパスタ

 セリーヌとニコラが寝た後も馬車は何事もなく進み、気がつけば昼食時となった。


 二人を起こし、相変わらず景色の変わらない草原に若干呆れながら馬車から降りた。デリカが馬に飼葉と水をやっている間に土魔法でテーブルと椅子を作り出す。


 ちょっと日差しが眩しいから、屋根も付けちゃおうかな。ふんふんふ~んっと。――見る見るうちに前世の公園に設置されていたような東屋が完成した。


 ……うーむ、やっぱりヌシと戦う前より魔法のノリとでも言うのか、マナの練り込み具合が力強くなっているように感じる。戦闘以外でも役に立つのはありがたいね。


 ヌシとの戦闘を丸投げされた時はセリーヌに抗議をしたい気持ちで一杯だったけど、今は逆に感謝しかない。……こうして借りがまたひとつ作られていくんだなあ……。


 せめて昼食はセリーヌの好きなものを食べさせてあげよう。寝起きで腕をぐっと上に伸ばして背伸びをしているセリーヌに声をかける。


「セリーヌ、何食べたい?」


「んー、そうねえ~。さすがに連日テンタクルスは遠慮したいわね。それ以外なら何でもいいわよ」


「うん、わかった」


 もうっ、何でもいいってのが一番困るんだからねっ! なんて俺は言わない。粛々とテーブルの上に昼食を取り出した。


 アイテムボックスから取り出したのは、父さんに作ってもらったシンプルなトマトソースのパスタを一皿づつ。白パンは中央のカゴに山盛りして取り放題に。飲み物はニコラがおねだりして買ってもらっていた果汁たっぷりのよく冷えたジュースをそれぞれのコップに注いだ。半日馬車に乗っていただけだし、軽めの昼食でいいだろう。


「じゃあこれでいいかな」


「十分よ~。それじゃあみんなで食べましょうか」


 四人でテーブルを囲み、一斉に食べ始めた。



 自家製の魔法トマトから作られたソースは別格だ。前世でも生トマトは嫌いだったがトマトソースは普通に食べられた。つまり嫌いなトマトもソースにすると食べられるようになるというなら、最初から生でも美味しい魔法トマトなら? そりゃもう美味しいに決まってるのである。


「出来たての料理が旅の途中で食べられるってのは本当にいいわね~」


 セリーヌが満足げにフォークにパスタをクルクルと巻きつける。普段の移動中はろくなものが食べられないのもあって、シンプルなパスタでも十分に気に入ってもらえているようだ。


「お兄ちゃん、ジュースおかわりー」


 ニコラはパスタよりも飲み物が気に入っているらしい。スッとコップを俺の方に突き出し、お代わりを要求する。


「飲んでばっかりだな……。ちゃんと食べなよ」


 自分でおねだりしただけあって、好みの味なんだろう。三杯目も注いでやったと同時にクピクピと飲み始めた。


『やれやれケチくさいお兄ちゃんですね。仕方ないから次の一杯で終わりにしてあげます』


 くっ、こいつ……。そんなに飲んで後で知らないぞ。


「前もこんな場所で食べたわよね」


 デリカが周囲を見渡して口を開く。前にセカード村に行った時もここに似た草原にテーブルを作ったなあ……。って、なんだかピクニック気分になってるな。


 一人気を引き締め念入りに空間感知を行うが、結局何事もなく穏やかな空気に包まれたままランチタイムは終了した。



「ふうー、満足満足。美味しかったわ。夕食も期待しておくわね」


 セリーヌが皿に残ったソースをパンで拭い、ひょいっと一口で頬張ると席を立つ。


「さてと、ちょっと腹ごなしにお散歩するわね。すぐ戻ってくるから」


「あっ、私も行く!」


「はいはーい。それじゃデリカちゃんも行きましょうか。ニコラちゃんはどうする?」


「……んーん。ここで待ってるー」


「そう? それじゃあちょっと行ってくるわね」


 セリーヌがデリカを伴い散歩に出かけた。俺を誘わないってことはお花も摘んでくるんだろう。


 そしてニコラだが、セリーヌたちが席を離れると途端に小刻みにプルプル震えだし、いつも愛想を振りまいている町のアイドルとは思えない苦悶の表情を浮かべる。……だから言ったのになあ。


「……俺に何か言いたいことでもあるのか?」


 ニコラは青白い顔でお腹をさすりさすり、震える声で力なく答えた。


「……やさしいイケメンお兄ちゃん、E級ポーションをひとつ私に恵んではもらえませんか……? そろそろ私のお腹の中の門番が『よし、通れ!』って、言いそうなんです……」


 なんだかまだ余裕がありそうだな。だからといってうっかり門番に職務放棄させると後で色々と大変そうだ。俺はため息をつきながらも素直にE級ポーションをニコラに手渡した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作『森を焼かれた転生エルフはそれでも絶対引きこもりたい』
タイトルクリックで飛べます! ぜひ読んでくださいませ!

「異世界で妹天使となにかする。」一巻二巻発売中!
Kindle Unlimitedでも読めますよ~。ぜひご覧になってください!
コミカライズ一巻発売中! ただいま「ニコニコ静画」にて連載中です!

↓クリックで二巻書報に飛びます。
i000000

i000000
↑クリックで一巻書報に飛びます。

Twitterはじめました。お気軽にフォローしてくださいませ。
→https://twitter.com/fukami040

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。