STEP2-4 ~そして、あちこちエトセトラ~
『“ユキマイ共和国”からの手紙来た?』
『来た来た。ミクロネーション同士で相互承認しませんかだと』
『こんっな夢夢しーサイトでクラウドファンディングしてるとこが、ねえ……』
『やめとけやめとけ。どーせまた朱鳥人の大好きなおままごとだよ。ミニ独立国とかってさ』
『相手にするだけ時間の無駄だろなー。まあルーナちゃんの画像はそっこー保存したがな!』
『うん、あのネコミミは超絶尊い。異論は認めん。』
『世界に名だたる萌え帝国の底力を見たぜ……』
『まったくけしからんな!』
『じつにけしからん!!』
『だが早期相互承認での割引特典はおいしいな。ユキシロの医薬品は優秀だし』
『事前登録かっ!!』
『ポイント還元もあるってよ』
『…… ちょっと考えよっか』
* * * * *
「雪舞砂漠の入手は彼らの悲願。言い値であろうと、確実に購入します。
――そして、隘路に陥るでしょう。
巨額の固定資産税。膨らむ遺跡の調査費用。“謎の勢力”による緑化の妨害。
いかにかれらとはいえ、しょせんは一企業。
クラウドファンディングで募ることのできる金も、高が知れておりますゆえ。
どうかご裁可を、お願い致します」
『……よかろう。
ユキシロ製薬株式会社への、雪舞砂漠の売却を許す』
『言っておくが、あまり早くはつぶしてくれるなよ。
彼らにはある程度まで、調査と緑化を進めてもらわねばならん。
そうでなければせっかくの『神の子』も、宝の持ち腐れとなるからな!』
「かしこまりました。
――なれど、我らはあくまで手足。
最高指揮と後ろ盾とは、宜しくお願いいたします」
『ハッハッハ! 仔兎め、よくわきまえておることよ!
よかろう、必要な時は我らが頭脳と経験を、存分に頼るがよい!』
* * * * *
「はああ、ここがフタバカフェ!
そしてこれがハニーブラウニーショコララテ!
さっ、やるわよサキ! 準備はいいわね!」
「あっあのっ!
……ほ、ほんとにだいじょぶっすかスノーさん……いきなりグランデってそれは……」
「そのためにストロー二本もらったんでしょ? さっサキ、遠慮しないで!」
「っ……
ちょっ、ちょっとまった!」
「なによ?」
「あの、ですね。咲也さんはやはりもうすこし、こころのじゅんびが、ですね……」
「むぅぅ……
サキはあたしのラテがのめないっていうのー?
兄さまやサクとはペットボトル回し飲みとかしてたくせにー!!」
「ちょっちょちょちょちょっとまってぇぇぇ!!」
* * * * *
「『キュア・レイ』!
うん、やっぱダメだ俺にゃそっちの才能ないわ。」
「素直に精神操作応用で治せよ……つかお前ほんっと料理もダメダメだな!」
「おにいちゃんよーしゃないっ! むかしはあんなやさしかったのに!!」
「きたえられたからな。(フッ)」
「ははは、梓はほんとうはまだ2歳だからなぁ。よしよし、消毒してばんそうこうを貼ろうな」
「あ! それツイネクの! いつ買ったの親父! いいなー……」
「いやちょっとおとーさん、さすがにそれははずかし……あー……ううう……
これしばらく外でらんないわ俺……」
「よーしそれじゃみんなで写真をとろうか!
この姿になってはじめての共同作業だからな!」
「ってそれどんなあれだよおとーさーん!
たく……絶対ネットに上げんなよ! 上げたら家出するからな!!」
「あははっ、すぐ連れ戻してやるよ。梓はまだ2歳なんだから!
全 力 で 探し出して連れ戻してやるからなっ★」
「おにーちゃんがまっくろだー!!」
* * * * *
「はああ……まーいっちゃうなーあ。はは……シャサさんまいっちゃうなーホント……」
「ほらほら、もうそのへんにしとけよ。
……まだ諦めんなよ。他の国には、正妻五人までOKのとことかあるし、ユキマイだってそうなったら」
「んー……むり。
だってシャサさん“ふられちゃった”もん……ココロ、おれちゃったんだもん……
ははは……弱いなああたし。ほんと、ダメダメ……はは……。」
「よしよし、いい子いい子。
だいじょぶだって。シャサはいい子だから。ぜったい、幸せ見つかるから」
「そっかなー……。
「そうにきまってる。
ほら、水飲んで。
肩かしてやるから、そろそろ部屋戻るぞ」
「……あんがと。
イサはやさしーね……ほんといつも、……イサは……」
* * * * *
「とゆーわけでっ!」
「すぐにユキマイに飛びなさい。
そして『ルーナ様』かその側近の、素敵な女性にもらってもらいなさい!
これは姉として、家長として、いえ、国家としての命令です!
ミーティア、ひきつづきお目付けを頼んだわよ!」
「かしこまりました、陛下。ご命、この命に代えましても……」
「サリュートの男として、しっかりお役目を果たしなさいねイザーク!」
「たのんだわよティア。間違っても男に走らせないようにね!」
「ちょっとまって姉貴たちどーして俺が男に走るの?! ねえ?!」
「はい、かならずや」
「ちょっとティアもフォローしてえ!! サラッと了承してないでええ!!」
「さ、参りますよ殿下。いい子で飛行機乗りましょうね?」
「にゃああああ!!」




