STEP1-1 この気持ち、届けたくて~もと訳ありフリーターな転生『神の子』は納得のいく説明を要求するようです~
2019.10.03
文章表現の改修を行いました!
2019.04.21
ご指摘頂きありがとうございます! ほんとうに助かりました……お恥ずかしい(__)
(今作中の全部)
Today's Calactor Data:
↓
Today's Character Data:
階段を上りきり、屋上のドアを開けた。
はたして、そこに奴はいた。
180cm近い、すらりとした長身。
地上九階の夕景をバックに、真っ白なシャツを着て立てば、完璧に絵になってしまう。
絶妙なウェーブを描く、金色がかった亜麻色の髪。
涼風にふわりと乱れれば、たちまち芸術的な一シーンが出来上がる。
貴公子然とした美貌のなかでひときわ輝く、黒にも近い深緑の双眸。
長いまつげの影には神秘性さえ宿り、見る者すべてが心奪われる。
そんな、反則レベルのイケメン野郎は。
いまだにこれがあの、年中短パンランニング、ひよこちゃんぽいつんつん頭、ケンカ無双のわんぱくぼーずだったとは信じられない。
それでも、奴は奴だ。
よわむしなきむしだった俺の、いちばんさいしょの大親友。
そして――――。
奴はすでに振り向いて、硬い面持ちでこちらを見ていた。
よく響く甘やかな声も、不思議なくらいに硬い。
「わざわざ、どうした。
やはりご家族に止められたか。それならそれで」
俺は首を左右に振った。違う、そうじゃない。
たしかに、速度だけを。効率だけを求めるならば、メールでもよかった。
けれどこういうことは、直接顔を見て。直接、声に出して、言いたかったから。
だって、この気持ち。メールなんかじゃ伝えられない。
まっすぐに歩を進め、その距離いまや、一メートルたらず。
俺はしっかと奴の目を、一対の宝石のようなそれを見て、大きく息を吸い込んだ。
「ちょっとなにこれみんな知ってたの実家のみんなも――!!
姉貴にいたっちゃすでにスノーとメル友になってるとか――!!
サク、これってどーゆーことっ?! 説明をっ!! 納得のいく説明を要求する――!!」
そう、奴はそして、まんまと俺をかついだ男だ!
手にしたままのスマホを突き出し、俺は奴に詰め寄った。
なぜか背後で『ええっ』とかいう声が複数聞こえたが、俺はそんなん聞いちゃなかった。
Today's Character Data:
サキ……此花 咲也
Former Name:ヴァル・サクレア=ユキマイ
Class:『神の子』(豊穣神・武神/もとユキマイ共和国神王)
Element:植物・生命・存在
Battle Type:回復・補助・格闘系
Skill Name:天才(逆転)パワー
Belongs to:ユキシロ製薬株式会社CEO直属特務技官/常務取締役
Strain:人間・朱鳥国人(山北地方舞雪村)
Hair Color:黒
Eye Color:黒に近い深緑色
主人公。植物の成長のコントロールが特技。心優しく頭脳明晰……のはずが、独特の感性、おっちょこちょい、頭に血が上ると人の話を聞けなくなるなどから、そう見えないことも多い。
猫と猫耳が大大大好き。
サク……Sakuya Iwanaga May/岩永 朔夜
Former Name:ヴァル・サクス
Class:神王の騎士長
Element:カリスマ
Battle Type:万能系
Skill Name:オーバードライブ
Belongs to:ユキシロ製薬株式会社CEO/代表取締役
Strain:人間・朱鳥国人と欧羅国人とのハーフ(山北地方舞雪村)
Hair Color:金色がかった亜麻色
Eye Color:黒に近い深緑色(※サキと同じ)
サキの幼馴染で親友。サキを守るため、仲間とユキシロ製薬を作った。誰もが認める『完璧王子(ただし末期のシスコン)』。得意技はつっこみチョップ。
故郷の村の小学校に通っていた当時は、朱鳥国ふうに岩永朔夜と名乗っていた。
とくにお仕事モードのときは、サキを『此花特務技官』と呼んだりもする。