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3話

「なっなんであんたがここにいるわけ!」


「仕方ないだろ。誠一の願いだからな」


「ここから出てきなさい!『神弾』!」


随分と荒っぽいな。というか初対面の時の口調はどこ行ったのやら。しっかしいきなり攻撃するってのは…


「ないな」


俺は結界を前面にはる。まだ神力がどういうものかいまいち理解できてないので一応全力だ。

案の定術は結界に阻まれてた。んー魔法の魔力弾と変わらない威力だな。これなら結界なしでもダメージにはならないな


「えっ私の神弾を止めるなんて…」


「マーちゃん。それぐらいにしときなさい。それより自己紹介に入ろう。まぁ面識はあるようだけど一応ね。まずこの娘は柳 真夢。そしてマーちゃん。この人が君の命の恩人であり、しばらく君の教師となる佐藤 俊だよ」


「なっ教師ですって!」


まぁそりゃそうだな。ただでさえそういうのは嫌だろうし、なおかつ同級生でしかも嫌いな男だ。随分面倒になった。


「嫌よ!どうして教師なんて?私はもう完璧よ。術だって使いこなしてお父さんレベルには敵わないけどこいつくらいは倒せるくらい強いわよ!」


「ごめんねマーちゃん。でもお父さん決断したんだ。嫌われても構わない。けど今のマーちゃんがそのまま大人になって欲しくないんだよ。それに最後の言葉。それを聞いただけで確信したよ。どちらにせよ教育は必要なんだと」


誠一は泣きそうな顔で言う。というかマーちゃんってなんだよ。親バカすぎだろ。


「何が違うっていうのよ!確かに神弾は防がれたけど私が勝てないわけないじゃない!」


真夢はさらに顔を憤怒の色に染める。


「なら戦ってみるといいさ。俊もいいかい?」


「ああ。それも依頼のうちだしな。それに神主の戦いに少し興味もある」


「じゃあ修練場に10分後に集合だよ」




----------




「いまならまだ間に合うわよ?早く降参したら?」


「あいにくとこちらも負けるつもりはないな」


「ちっ腹経つわね…お父さんともタメ口だし余計に」


なんというかこっちこっちだな。少しファザコンがあるな。


「さてじゃあ両者武器を!」


誠一の言葉に俊は剣を、真夢はデカイナニカを手に出現させた。それには穴が無数に空いていてトリガーがある。そうガトリングガンである。


「なっあんたなんで転移の術を!?でもそれは…まさか収納の術?」


俺がこいつの武器についてびっくりしているのと同じくこいつも驚いていたらしい。俺もまさかこいつまで楓のような術を使えるのかとびっくりしたがどうやら違ったらしい。おおよそ召喚のようなものだったのだろう。


「というか剣?プフゥあんたいつの時代の人よ」


「俺にはこれが1番合うんだよ」


「さてではいいかい?…始め!」


誠一の声が修練場に響く。今の声で何人かの神主がこっちによってきたがまぁ余波の影響はないだろう。


ガガガガガガガガガガガガガガガ


ガトリングガンから容赦のなく弾が発射される。

どうやらこの弾一つ一つに神力が込められているらしい。まぁ確かにただでさえ威力のあるものに神力が込められたとんでもない威力になるだろう。というか高校生くらいの女がガトリングガンぶっ放してるのはなんかすげーな。


「まぁ当たってやる義務はないな」


俺はガトリングガンの弾幕を避け彼女の背後に回って首元に剣を当てる。


「なっっっいつのま…に」


「今のが目で追えないならランクはCくらいかね」


ちなみにランクは冒険者ランクだ。まぁ定番のF〜Sまである。


「もっもういっかいよ!今のマグレだけで勝ったと思わないほうがいいわよ」


真夢はすぐさま俺から距離をとってまた無茶苦茶なことを言い出す。本当にこいつ誠一の娘なのかねー。


「ならお前のスタミナが切れるまで俺は動かない。好きなだけ攻撃してもいいぞ。いいだろう誠一?」


「私は君に任せるよ。それじゃぁ…始め!」


真夢はすぐさまガトリングガンをぶっ放してくる。

今度は俺は動けないので結界を敷く。


威力はそこまでだな。さてさて彼女はいつになったら諦めるかね。


「あんたのそれずるいわよ!それはナシよ!」


「はぁ?お前何言ってるんだ?敵に防御するなとか…これはもう致命的だな」


「うるさいわよ!私の言うことが聞けないわけ!?」


「仕方ないな。ならお望み通り結界は解こう。ほら早く終わらせよう」


「あんたなんて結界がなかったらおしまいよ!『流星群』」


結界解いた瞬間にいきなり大規模な魔法かよ。随分とひどいことだね。そして空を見上げると空一面を覆う流星群。


「おぉーこれは綺麗だなー」


「さぁこれで終わりよ!」


ドンドンドンドンドンドン


空から落ちてきた質量兵器によって修練場は砂埃が舞う。


「結界に関しては褒めるけど、所詮その程度ね」


「おいおい勝手に勝った気になってんだ?」


俺は少しドヤ顔しながら言ってみた。いやだってね?「やったか?」ていうフラグの定番だよ?なかなか出来ないよ?少しぐらいドヤ顔してもいいと思うんだ。


「なんで…」


「なんでってどうやってあの攻撃をふせいだかってか?」


「そうよ!結界もナシに…」


「斬った」


「はっ?」


「いやだから斬撃飛ばして迎撃したんだよ」


「そんなことできるわけ…」


「出来るんだよ。実際俺がここにいるのが証拠。さてもう終わりか?」


「まだよ!」


こいつ意外とタフだな。




----------




「ハァハァハァ…」


「終わりか…」


あれから3時間後ついに真夢は力尽き倒れた。


「どうやら終わったようだね。おつかれ俊」


「ありがとう誠一。しっかしこいつ意外とタフだな」


「それに関しては同意だね。でも技術は疎かすぎる」


そんなことを話すと真夢が起き上がる。


「さてお前もよく分かっただろう?お前と俺の差を。お前は井の中の蛙だったんだよ。この島の中でな。多分だがお前より強い奴はほかにも居るだろうよ。別に神主全員がこの島にいるわけでもないしな」


真夢は俯く。流石に言い返せないらしい。


「そもそもある程度の力を持つやつなら誰だって相手の力をある程度感じ取ることが出来る。それが出来ずに無謀にも俺に勝てると思ったお前は三流だな」


今までこんな風に言われたことが無かったのだろう。まぁ随分甘やかされて育ったみたいだしな。


「だがまだお前は若い。俺が言うのもあれだがまだ間に合う。今からお前はしばらく俺の教育を受けてもらう。嫌とは言わせないからな?言ったらどうなるか覚えておけよ?」


俺は脅しの意味で手に火球をつくる。


「さて明日から早速始めるからな」




----------




「誠一いるかー?」


「おぉ俊じゃないか!?こっちに来たってことは…」


「まぁとりあえずな」


俺は今柳家の島に来ている。まぁ理由は真夢の再教育が終了したからだ。


「お父さん!」


「おぉマーちゃん!」


相変わらずファザコン&親バカな2人だ。


「それにしても……真夢は随分と体内の神力の量が増えたんじゃないか?それに…」


「まぁな。とりあえず今日までひたすら鍛錬させ続けたな。もちろん性格面も少しは改善したと思うぞ?要はこいつは甘やかされたのが原因なんだ。だからお前と離れて暮らして、キツイ鍛錬やらしとけば嫌でもまともになるだろ」


「ちなみにその鍛錬というのは…」


「山籠りだな。1ヶ月間山に閉じ込めた。あとは近接戦闘とかその他の技術面だな」


「それはまた随分すごいな…」


「あと誠一。お前らの武装について忠告しておく」


「なんだい?何か問題でもあったか?ここ数年で神主も近代化で銃を持たせることで大幅に戦力が上昇したのだが?」


「確かにそうだな。本来の銃の威力に神力の付与を行うことでより威力を高める発想は良いと思う」


そうこの発想はなかった。俺も一時期は異世界でそんな現代兵器チートをやろうとしたのだが異世界の人たちのスペックが高過ぎて銃弾ではダメージを与えられなかったので諦めることとなった。もし魔力付与をしてたら違ったかもしれない。


「というかそもそもお前ら神主の知識として保有神力の向上方法について何かあるか?」


「年齢を重ねるごとに増えるとは言われてるね。諸説あるけど信仰の年月が原因だとか」


「なるほど…。俺は今回の真夢の鍛錬で気づいたのだが保有神力の向上は身体の強度が関係あるのかもしれないぞ」


「詳しくお願いできるかね?」


「ならまず誠一に聞きたい。ここ最近の神主は全体的に保有神力が減少してないか?」


「確かに言われてみればそうだね。私はてっきり神力の少ない者がたまたま多いだけかと思ってたが…それを言うということは何か理由があるのか?」


「簡単な話だ。今の神主たちは銃に神力を付与する時くらいしか神力を使わない。なんだってそれだけで妖怪は倒せるんだからな。だけど神力は使えば使うほど身体がよりたくさんの神力に耐えられるようになり、より体内に保有できるようになる。だから神主たちは銃に頼り過ぎて神力を使わないから今の神主たちの保有神力の減少に繋がってるんだ」


「確かに一理あるね。よしなら柳家から各神主たちに今のことを伝えておこう」


「そうしておいたほうが良いな」


「さて、じゃぁ真夢」


「ひっ」


……。なんか怯えてるよ。いやまぁわかるよ?鍛錬の時は結構脅かしたし、最初の頃は生意気だったから色々魔法でやったけどさ…。そこまで怯えられると辛いな。


「真夢。これでお前の再教育はおわりだ。これからはまたアイドル生活を続けて構わない」


「はい…」


なんだこのなんとも言えない雰囲気は。誠一からこいつやっちゃったな見たいな視線が腹立つ。


「まっまぁとりあえずお礼を言うよ。ありがとうね。これからも俊と柳家のさらなる関係を願うよ」


「そうだな。じゃあ俺も明日からは高校にいくわ」


「あぁ。拘束してしまって悪かったね」


「まぁ依頼だしな。もちろんこっちの依頼にも答えてくれるんだろう?」


「もちろんだよ!それにもういくつか手は打ってあるよ。君の街の工作部隊の増員とかね。もし君が目立つことがあっても彼らが対処してくれるからね」


「それは助かる」


確かにそれは助かる。前に異世界から帰ってきたばかりの頃につい人前で魔法を使ってしまった。その時は周りの人全員に記憶操作しなければならなかった。


「そうだねー。この際だしはっきりさせておこうかね。柳家は俊に対して最大限のサポートをする。魔法の隠蔽とか、最悪国のような権力集団から目を付けられた場合の保護とか。で対して俊は私たち柳家の依頼をこなす。基本的には神主の対処できない妖怪。

まぁ傭兵だね。もちろんお金も渡すよ」


「そうだな。というかそんなの気にしなくても誠一のためなら手伝うぞ?」


「ダメだよ。そういう人の善意だけをあてにしたらいつかは自分たちが困るんだ」


「まぁそういうことならそうしよう。ちなみに今回の場合は?」


「傭兵の仕事じゃないけどお金はでるよ」


「了解。それじゃあこれからもよろしく頼む」


「こちらこそよろしく頼むよ」


俺は今一度誠一と固い握手を交わした。



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