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ライムの場合①

つまらない、つまらない、つまらない!


そんなことを考えるくらいしかすることもない。出来ることもない。


思考能力があるが故に気づく。

どうせ自分は死ぬだけだと。


見渡す限りの生物の中でほぼ底辺。

最弱に近い。

それに気づいてしまうことがどれだけの不幸か。


そんなことを考えながら今日の食事を探していると気配を感じた。


気づかれた...。

それもよりによって相手は人間である。


やつらは自分たちを親の仇のように殺す。

自分もここまでかと諦めたとき、自分の体がぷるるんと触れられた。


「お前も1人なのか。だったらこの家に住んでいいよ」


一瞬何が起きたか分からなかった。


「おやすみ」


そう言って人間は眠りについた。


人間は、次の日の朝にはおはようと言って出かけて、夜にはただいまと言って帰ってきた。


「あれ、少し縮んだ?ご飯が無いのかな?」

そう言って多くの魔力が人間から自分の身体に流される。


「これおっさんに言われた鍛錬に丁度いいや」


人間はそう言って自分にとんでもない量の魔力を流してから、力尽きたように眠った。


それは次の日もその次の日も続いた。


それが日課となった頃からは人間にも魔力操作に余裕が出来たのか、日々の出来事を自分に話してくるようになった。


人間はまさかスライムが話を理解しているとは思ってないのだろうが、スライムは高い知能を持っているため、ある程度のことは理解できる。


それが楽しみになったのはいつからだったか。

自分にはそれがとても幸せだった。

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