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どこにも分類できない作品集

大型連休からの逃避

作者: 矢田こうじ

 これを読んでいる方の中では、

「いや、もう終わってるし」


 とお思いの方もいらっしゃるだろう。


 しかし、そんな方には次の連休を迎えるにあたり、以下の事を頭の隅に置いておくと、また考え方も変わるのかもしれない。


 まず、一般的なサラリーマンであれば、学生であれば、大型連休というのは、いつになっても素敵な響きを耳にもたらしてくれる。

 しかし、その最終日はズシリとその言葉が、重く私のお腹にのしかかるのだ。


 毎回思う。

 大型連休で1番幸せな時期はいつなんだろうか、と。


 初日の朝?

 丁度真ん中の日?

 予定したイベントを過ごしている時?


 違う。


 私はその前日だと考える。


「あー、明日から何しよう」

「今日は帰って準備しなきゃ」

「たっぷり今日から寝よう」


 いろんな思惑、期待、膨らむ想像。

 まるで少年少女が明日の遠足を楽しむかのような、そんなひと時。

 ここでの大きなメリットは、まだ連休が始まっていないことにある。"まだ"始まっていないこと。


 そう、だって連休は明日から始まるのだから、"今日"は違うのだ。

 言い換えれば、今日の仕事が、学校が、終わったと思った時、その瞬間が既に絶頂なのだ。


 そして、その時間がすぎれば、経てば経つほど、まるで転がる石のように不幸の谷へと落ちて行くだけなのだ。


 かくして私もそんな思いをわざわざこんな時間になっても噛み締めたいとは思っておらず、なるべくならそんな思いを長く持ち続けないよう、気持ちが逸れるよう、つらつらと書いている。

 そしてこのように何かに残すということは、後で読み返すことになるかもしれない、そんな諸刃の剣を懐に携えながら、私は身を呈して伝えているのだ。


 それで結局何を言いたいのかと言うと、要は私の無駄な足掻きともいえる、無駄な逃避に皆さんを無理矢理連れて回しているのだ。

 もっと言えば、読んでる皆さんに読後感なんてものを期待しておらず、


「なんだよ、読んだぶんだけ連休が終わるじゃないか」


 と思わせるだけに過ぎないことを、この文章を読んだ瞬間に思わせたい、それだけなのだ。

ごめんなさい。


ただ謝るしかなく、こうべを垂れた

その下の顔は、不気味に微笑む。

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― 新着の感想 ―
[一言] えぇえぇ、分かりますとも。 連休前の胸の高鳴り! キーを打つ手がうっかり跳ねちゃうぐらいに軽やかに踊りますとも。 それに引き換え連休明け前の今なんて、 暗い中布団でぼんやり現実逃避しつつ色…
[一言] 大型連休関係なしに仕事な私は、いつもの読書の時間になってしまいました(笑)
[一言] 私はシフト制の仕事なので、ゴールデンウィークは普通に仕事してたのですが。 今回はたまたま、10日からちょっとまとまったお休みが入ってまして。 つまり、他のみなさんが連休明けでしぶしぶ日常に戻…
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