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白き光よ降り注げ!  作者: YGkananaka
第二章 ――ホワイトリベンジ――
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第二十九話 隠し事



 というわけで、あっという間に時間は過ぎ……現在昼休み。

「やあ、二人とも! 今日はすまんな!」

 昼休みを迎えるや、すぐに東子と進が教室へとやって来た。

「科学室に行こうぜ。あの部屋なら昼休み誰も来ねえから。……すみません光道さん、貴重な時間を」

 ……科学室ね。

 宇津白姉弟が先を進み、俺達は後に続く。

 そうして到着すると、進の言う通り科学室には誰の人影もなかった。

 それにしも。初めて授業時間外でこのような部屋へ足を運んだが……扉にカギはかかっていないのだな。

 教室の机とは異なり、縦にも横にも幅が広く実験しやすい造りとなってる長方形の机を挟み、俺と光道、進と東子、という具合にそれぞれ隣り合って座る。

 ちなみに。ここまで光道は一切口を開いておらず、完全に置物と化していた。まあ……いつも通りであるが。

「さて、二人を呼んだのは他でもない。進と話し合ったのだが……君たちには腹を割って、正直に話そうとしたんだ。というのも我々は……君たちにある隠し事をしていた」

 東子はそのように会話を滑り出した。姉弟の真剣な雰囲気に当てられたか、俺はごくりと生唾飲み込む。

「そうだ……まずは光道さんにも伝えなくてはな」

 すこぶる意外だったが……東子は光道に自分たちが『白光神援教』を壊滅させようと画策していることを率直に説明したのだ。

 さて肝心の光道はというと、相変わらず驚いているんだかいないんだか……無表情だった。

「ここから霧白君にも言ってない話だ。実は『白光神援教』を〝今すぐ〟にでも壊滅させようと計画しているのは……『白抗流』日本支部の意思ではない。我々()()の意思なのだ」

 それは……ええと……どういうこと?

「実は霧白君が施設から出てくる姿を目撃するつい数日前まで、我々は施設の監視や信者の尾行をしていたんだが……全て()()なのだ。というのも『白抗流』日本支部は我々にこう命令している――「まだ襲撃の準備は完了していない。時が来るまで『白抗流』の修行に励みつつ待機せよ」と」

 ……よくわからんが、待ってろと指示されたなら……そうすればいいのでは? 

 実際問題。本気であの場所を攻めるというのであれば、念には念を入れて準備した方が身のためであることはまず間違いない。

 ちなみにだが。たとえどれ程血迷ったとしても……けして一人で行こうだなんて考えちゃいけない場所であることだけは、きっぱり断言できる。

()()だ。我々は三年以上前から、全く同じことを日本支部から命じられ続けている。もはや、日本支部は攻勢に出る気がないとすら思えるほど悠長。あまりに進展がなさすぎる」

 それは……まあ言われてみれば、確かにそうかもしれんか。

「だが、我々は早く終わらせたいのだっ! 今もこうして話している間、誰かが殺されているかもしれない! ……それと、実は『白抗流』の使命という以外に理由がもう一つある……」

 そこで話を区切った彼女は、この先を喋るかどうかわずかに逡巡した。同時に、宇津白姉弟を取り巻く空気がより一層重々しさを増す。

「忘れもしない……私がもうすぐ中学三年を迎えようとしていた春休みのことだ。日課のランニングのため朝早く家を出ると、門の前に長方形をした随分と大き目な〝白い箱〟が二つ、横に並べて置かれていた」 

 東子は眼つきを鋭く厳しいものに変化させつつ、さらに話を進める。

「それは宛先どころか、何かが貼られていたり、書かれてもいない――〝純白の箱〟だった。だから箱が宇津白家に宛てたものか、それとも配送先を間違ったか……一度、中身を確認する必要が出てきたんだ。その時ちょうど目を覚ました進と共にひとまず箱を庭へと運び入れたんだが……何やらやたらと()()()()ことを覚えている」

 謎の箱が置かれていたのか……なんだかちょっと不思議な話だ。

「どちらの箱も上部の面がフタになっていた。私は傷つけないよう慎重に一つの箱のフタを持ち上げて開き、中身を確認したのだが……そこにあったのは、箱とほぼ同じ大きさをしたところどころ汚れている白い袋だった……」

 土嚢(どのう)か何かだろうか……? うーん、まだわからんな。

「どうやら袋には何か入っているようで、私と進で慎重に袋を持ち上げ……そっと箱の隣に置いた。そして袋の開け口が白い紐で固く縛られているのを発見した私は、悪いと思いながらもハサミを用意し紐を切断したのだ。そして中身を進が取り出した……」

 益々もって奇妙な話になってきた。俺は一層集中し、話に耳を傾ける。

「――――〝頭〟だった。最初に姿を現したのは……人の頭部。続いて上半身……下半身……。そこで、我々は袋の中に〝人間〟が横たわっていることを理解した」

 俺は動揺のあまり大きく目を見張ると同時……どうやら、あまり穏やかな回想でないことに気づいた。

「全身におびただしい数の()()()()()()があり……衣服のありとあらゆる箇所に大量の血液が付着していた。つまり……箱の中身は〝死体〟」

 した……い? 死体だとっ⁉


「そして……それは()()()()()()()()()


 ち、父親の死体……?




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