プロローグ
「なっ……なぜっ! なぜ〝施設〟の場所を教えて頂けないのですか!」
窓から明るい陽光がギラリと差し込むビルの一室。一人の少女が語気を荒げながら、眼前で深く椅子に腰かける三十代程のスーツ姿の男に詰め寄る。
「それは君自身が一番理解しているんじゃないかな?」
今年、中学生三年生へと進級してまだ間もない彼女は、思わず言い淀んでしまう。
あのような結果になったのだ。正直なところ自分自身、断られる可能性は十分にあると予想していた。
いた――が、やはり一度、口にしてみなければわからない。その考えのもと、こうしてここまで足を運んだのだが…………どうやら徒労となりそうである。
無駄とは思いつつ、それでも尚彼女は食い下がって情報の開示を要求したものの……返事は予想通り「出来ない」の一点張りだった。
「……わかりました。本日はこれで失礼いたします」
「結果は……」
「……やはりダメだった」
「あああっ! くっそぉ! ったく……なんで教えてくれねえんだよ……。俺たちこそ一番知る権利があるはずなのにっ!」
「落ち着け。……それにまだわからない。私たちはまだ家を調べてないだろう? どこかに場所を書き残したものがあるかもしれん」
「そ、それはそうだけど……さ。……いや、わかったよ。文句を言う暇があるなら少しでも手を動かすべきだよな」
「そういうことだ………………〝敵は必ず討つ〟」




