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白き光よ降り注げ!  作者: YGkananaka
第三章 ――ホワイトアシスト――
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第五話 驚き



「まず第一に……どうして、長たちが狙われるんです?」

「その問いには答えられない。なぜなら……現在、答えを持ち合わせていないからだ。しかし、女生徒の父親と接触出来れば……その謎も解明するだろう」

 どうやら、長は本当に敵組織の情報をほとんど掴めてないらしい。

「……わかりました。じゃあ次に……〝『機械』は風景に溶け込む〟と言ってましたよね。それって……つまりどういうことです?」

 俺は大して追及もせず、あっさり二つ目の質問へ移る。

 まあ、しごく当たり前の当たり前の話だが。しつこく問いただそうと……〝知らない〟ならしょうがない。ちなみにこの判断は〝長が虚言を吐いてない〟前提である。

「〝透明になる〟と表現してもいいだろう。近づけばその空間に違和感がある事を見抜けるはずだ。しかし遠目からでは……発見は困難になる」

 透明……ね。正直、全く想像つかない。

「〝護衛〟というからには、俺が女生徒を誘拐しようとする瞬間、攻撃してくるんじゃないんですか? どうやって逃げ切ればいいんです? 透明じゃどうにもなりませんよ?」

「スピードが重要だ。素早く作業を終え、逃亡する。……だが、もしそれが叶わないなら…………〝やられる前にやれ〟だよ、霧白君」

 ……。

 って! 結局、ただのごり押しじゃないか! 

 何とまあ野蛮極まりない……いや、俺が言えたことでもないか……。最近の俺は野蛮な行動ばかりしてる。

「それじゃあ最後。三つめですが……」

 今までの質問も知りたかった事に間違いない。

 間違いない……が、三つめの問いかけは、特に俺が聞きたかったことだったりする。

「百人以上殺された……って言いましたよね? そもそもアンタ達…………その、()()()()()()? というかそもそも……長、アンタは一体何者なんです?」

 そう言った俺は、改めて長の頭頂部からつま先まで、まじまじと眺めた。

 やっぱりどこからどう見ようと……普通の人間、だ。

 驚異的身体能力や黒い血液が流れ出るなど、外見からは微塵も窺えない。

 すると長は。 

 さらりと。あっさりと。さも平然と。

 俺の問いかけに対し、即座に返答してみせた。


「我々は……そうだな。地球外生命体……『宇宙人』というヤツだよ、霧白君」


 ……。

 ……。

「………………………………はぁ」

 ……あれっ?

 驚きだ。

 何が驚きって、『宇宙人』という単語に対し自分がそこまで驚いてない事が驚きだ。

 いや、むしろ〝当然だ〟とすら思える。

 『創作』、『妄想』……そう吐き捨てる気が一ミリもわかないくらいに、俺は色々と余計なものを目にしすぎてしまった。

「その……。あぁ……ええと……。それじゃあ目的……は? 何のため地球へ?」

 すると長は、何かを考え込むよう僅かの間沈黙し…………やがて、ゆっくりと口を開いた。。

「それは全てが終わったら話そう。霧白君が仕事を終えたその時にでも」



 具体的な仕事内容は、白井さんが追々説明するということで一旦長との話は終了となった。

 俺は、我が自室で待機している女子二人を扉の前まで呼びに行き……再び居間に全員が集った。

「光道君、次は君に話がある。悪いが霧白君には少し席を外してもらおう」

 今度は白紗季だと……? 

 俺は疑い深く眼を細めながら長に尋ねる。

「どんな話をするんですか?」

「安心したまえ。危害を加えることはないし、無論『依頼』の話でもない。ただ確認したいことがあるだけだよ、霧白君」

 ……確認? 

「大丈夫ですーよキリシーロ先輩。私がしっかりしっかりしっかぁ~り、見張ってますから、安心して待っててください」

 あぁ! それは安心だ!。

 安心……安心…………って、できるかいっ! 

 白井さん! 君は『白光神援教』の信者じゃないか! まるで見張りが信頼できないわ!

「いい。龍太はちょっと待ってて」

「白紗季! お前まで。……ったく、わかった。けど何かあったらすぐ呼べよ」

「わかったわ」

 不信感は拭いきれないものの……結局、俺は自室で待機することにした。

 長は俺へ仕事を依頼してきたのだ。下手に信頼関係を崩すような行動は取らないだろう。

 そもそも……危害を加えたいのなら。俺と悠長に会話などせずとっくに実行しているはずだ……。

 そんなことを考えながら、二階にある自室の扉を開いた俺だったが。

「なぁっ……!」

 ベッドが乱れている。

 ブランケットとか、枕とか……とにかくあちらこちらが、何故か激しく乱れている。

 何故か……乱れている……。

 ……。

 取りあえず、これ以上深く考えないことにした。



 それから、何だかそわそわ落ち着かないままにしばらく待っていると、白井さんが俺を呼びに来た。

「終わりましたよキリシーロ先輩」

 彼女と共に居間へ戻ると……どうしてか白紗季がうな垂れていた。心なしかずーんと重たい空気が白紗季の周囲へ漂っているようにすら感じられる。

「な、何かあったのか白紗季……?」

 俺が慌てて駆け寄ると、白紗季はのろりと気だるげに面を上げる。

「……何も……何も……なかった」

 …………いや、どこからどう見ても何かあったとしか思えないんだが。

「大丈夫ですーよキリシーロ先輩。長は光道先輩になにもしてないですー」

「えっ⁉ だけど……」

 その時だ。ふらりと力なく立ち上がった白紗季が、俺の右手を弱々しく引っ張った。

「龍太、私のことは気にしなくていい」

 そう……なのか? だいぶ落ち込んでいるように見えるけど……。

 普段あまり感情を表に出さない白紗季が落ち込むとは……一体、長に何を言われたのやら。

 ……うーむ、謎は深まるばかりだ。後でこっそり白紗季に聞いてみるか。

 ところが。後に白紗季へ尋ねたところ、微妙にはぐらかされてしまい、答えようとしてくれないのであった……。



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