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白き光よ降り注げ!  作者: YGkananaka
第二章 ――ホワイトリベンジ――
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第五十五話 綱引き




「将来けっこ――」

「わあああああああああああああああああああぁっ‼」

 俺は叫んだ。

 体のキズが痛むが、そんな泣き言は……ってしまった! こんな大声で叫んでは近所迷惑になってしまうじゃないかあっ! あああ俺としたことがっ!

 だが……どうやら妨害のかいあって、進にも東子にも余計なことは聞こえなかったようだ。

「おっ、幼馴染だっ! 家が隣ってこともあってちょっと交流が多いだけ!」

「……そっ、そうかそうかぁ‼ つまり『友達』ってことか!」

 東子はまるで安堵するかのように、ホッと大きく溜息を洩らす。

「…………」

 すると……東子から解放された光道はすぐに俺へ振り返るや、じっと俺の瞳を見つめてくる。

 というか心なしか……ムッとしているような? 

 気のせいだろうか……うーん、普段通りの無表情とも思えるが……。

 まあ、きっと普段通りなんだろう。うんうん、そうに違いない。



 その後。堂々学校をサボる俺達四人組みは居間に集合した。そのまま適当に机を囲うようにして座る。

 ちなみに東子の腕の負傷だが、そんなに大事には至らなかったとのことだ。まあ、しばらく安静にする必要はあるらしいが……。

「それで……二人は今後どうするんだ?」

 俺はまず最初に、一番気になっていたことを姉弟へ尋ねてみた。

「そのことなんだが……の前に。霧白君、今回は本当にありがとう。君がいなかったら……たぶん私も進も〝白い箱〟に入れられ……自宅に送り付けられていただろう」 

「……そうか」

 それは……こっちも同行した意味があったというものだ。。

「今回の一件で俺達も考えを改めたよ。やっぱり『白光神援教』を倒すには、『白抗流』日本支部の力が必要……ってな。それに……」

 そこで進はわずかに思案するよう一瞬口を閉ざしたものの……すぐに再び話し始める。

「俺もまだまだ未熟だった。人は見かけによらないって……お前から散々学ばされたよ。だからな霧白、まずはお前を超えるため……今はもっと修行する」

 それはいい心がけだ。向上心を持つことは大事だしな。

 何より。『白光神援教』の引っ越し先を割り出し、すぐさま〝再突撃〟すると血迷ったことを宣言しないのが非常に安心感を与える。

 ……んんん? というか待てよ。

 「人は見かけによらない」ってのはつまり……俺のこと〝見た目はひょろひょろの弱そうなヤツ〟って思ってたのか‼

 ……。

 ……ま、まあ……否定できないかもしれん……な。

「そういうことだ霧白君。そ、それで……だな……。その、ちょ、ちょお~~~っと……、耳をこっちに……」

 俺の右隣りに座っていた東子が、急にそわそわ落ち着きを失い出す。

 そしてちょいちょい俺の服を摘まむや、自分の方へ引き寄せようとして来たので……大人しく、俺は東子へ身を近づける。

「い、いいか。あの時は、しっ、仕方なかったとはいえ……霧白君にその……キっ、キキキキキキキ、キス……したのは……絶対誰にも内緒だぞぉ! 二人だけの秘密だ! もし喋ったら一刀両断するからな‼ 私にそんなことをさせないでくれっ!」

 ぷしゅー。

 その途端。自分で言い出したクセに、煙が吹き出るイメージが見えるくらい彼女の全身が真っ赤に染まっていった。

 しかも、彼女が言うとそれは本当にシャレにならず……尋常じゃないほど恐ろしい。

 い、一刀両断なんてお断りだぁっ! 

 俺は極度に顔を青ざめなさせながら、必死になってぶんぶんと何度も執拗に頷きまくった。

 ‼

 ――その時だ。

 突如、左側からそれはそれは力強く……俺の腕が引っ張られた! 

「むぎゅっ!」

 しかも。そのまま俺の頬を柔らかい胸に押し付けるようにして、ぎゅっと抱きしめられてしまう。

 当たり前だが進がこんなことをするわけもなく……犯人は光道だ!

「それ以上近くにいると、龍太のケガが悪化するわ」

「な、なにっ! 君の眼は節穴か! そもそも! 霧白君のどこをどう見れば『重傷』になるのだっ!」

 すかさず俺の右腕が東子に引っ張られる。

 だが、光道は俺の頭を放すつもりはまるでないらしく、俺の頭を抱く力を一層強めていき……俺は女子二人によって『綱引き』のように両側からぐいぐい引っ張られてしまう。

「き、霧白ぉぉぉ‼ てめぇ何をうらや……いかがわしいことをしてるんだぁっ‼ さっさと光道さんから離れるんりゃああああ!」

 さらに厄介なことに。

 興奮のあまり最後のほう何を言っていのかサッパリわからない進が、わざわざ俺のもとにまでやって来るや、空いていた俺の左腕を容赦なく引っ張り出しやがった!

 その結果。変な体勢で三方向から身体を引っ張られる俺――という謎の構図が完成した。

 ちなみに俺は……。


 ……白目になって現実から逃避していた。


 なんなんだこの状況……。


          ○


 翌日の放課後。

 俺と光道は一緒に下校していた。

「光道……ちょっとそこの公園に寄っていかないか?」

 俺と光道の登下校ルートの途中には小さな公園がある。ちなみにここは、進に木刀でぼかぼか殴られた場所でもある。

 何か大きな理由があるわけじゃない。

 ただ〝普段とは気分を変えて話せるかな~?〟くらいの軽い気持ちからの提案。

 ようはなんとなく……だ。




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