運搬クエスト
課金サーバとの調整は書けませんでした。すみません。
『……そうだ、ちょっと皆で運搬クエストやってみませんか?』
『『『運搬クエスト?』』』
かやの提案に全員が疑問に思う。
『まあ、ランダムに発生する系の……まあ、適当に発生するクエストで、どっかの村でなんかの素材アイテムを持って行って……という系統のクエストだな……。このあたりは定番なんで、信頼度上昇が高いからやるんですけど、ちょっとした見聞には丁度いいでしょ?』
『ふむ、困った人間を救うのも、我ら偉大なる冒険者の役目……私は悪くないと思うぞ。』
『でも経験値が………全員レベルバラバラだし補正ひどくない?。』
『レベル補正無しのクエストクリア経験値が出るから、全員同じだけの経験値がもらえるはずさ。』
『……へー。』
『今あるクエストは……。』
かやがそう言いながら、クエスト一覧を覗き見る。
『結構多いですね………サーバが変な乱数引いちゃったのかしら?』
『乱数言うな。』
『乱数ですし。』
やや否定気味に言うドラゴンナックルに、たかやがやや憮然とした声で言う。
『困っている人間なんていない。木材が無くて困っている村人なんていない。ただただ乱数のままにクエストが作成され、それを私達が見てるだけなのです。』
『それは違いますよ。』
『え?』
『<エルダー・テイル>においては内部で経済が作成されていて、その村々で何かが足りなくなったから冒険者に依頼が出るようになっているの。』
『………え?確かに<エルダー・テイル>は<ハーフガイア・プロジェクト>の為に擬似的な経済が作成されていますけど、まさか運搬クエストがそれに連動していたとは思いませんでした。』
『……ふっ、どれほどの挑戦者とはいえ世界の法則書を読み込んだ人間には勝てないということだな。』
驚愕するかやに子原が解説を入れる。
(すみません、読み込んでいません。基礎部分作ったの私です。)
原子はそう言って心の中で謝る。
『それよりも、どのクエストにするんだ? 数が結構多いし、お勧めはあるか?』
たけるの言葉にかやの言葉がつまる。
『………これとこれとこれとこれ……個人的なお勧めはこれぐらいかな?』
そう言ってかやは手慣れた手つきで幾つかのクエストをピックアップする。
『………ふむ、これなんかどうかな?』
アカツキがそう言って一つのクエストを選ぶ。
『賛成。長々と話し合ってもしょうがないじゃん。』
『俺も賛成だ。こんなに数が多いと選ぶだけで相当に時間がかかるぞ。』
『じゃ、そういうことで。』
そんなこんなで、小さな村に素材アイテムを届けに行くことになった6人であった。
旅自体はやや順調に進んでいった。
『………今のところ問題なく進んでいるな。』
『……ま、日本サーバでPKする奴なんてそんなにいないって事だな。』
『かや、運搬クエストが増えたって言ってたけど、どうしてなのかしら?』
『………たまーに乱数……じゃなくて、景気が悪いのか運搬クエストが大量に発注されることがあるんだよな。
その後に限って、後々大規模イベントが発生することがあるし……いやあるいは大規模イベントの前に、何処かで資源消費しているのかもしれないな……。』
『……つまりどこかで、アイテムを消費しているから、ゲーム内の資源が減ってきていて、そのせいで運搬クエストの需要が増えているって事?』
『ああ………まあ、値段が増えたからってクエストが始まるわけじゃないから、未来予測としては使えないのかもしれないけど。』
『だが、大規模クエストの前に物の値段が下がることはないんだろう?』
『何度かあったけど、その時は価格調整のために大規模なクエストだったからねえ………』
『価格調整のためにクエストを発生させるって本末転倒なような………。』
(すみませんすみませんすみませんすみませんすみません……。)
自分のミスではないのだが必死に心の中で謝る子原。
『まあ、そこまでやるようなクエストはそうそう発生しませんけどね。』
『……でもさ、こんな運搬クエストなんて面倒じゃない?』
『まあ、クエストを探す手間を考えると、ついでにクエストを探せるからいろいろと便利なんですのよね。』
『……物を運ぶ⇒村でクエストを探す⇒そのお金で新しく物を買う……無限ループだな。』
『まあ、それだけ金を持っていても、銀行に預けられる金額には限界があるから、いつかは何かに使うわけですが。まあ金を元手に高い装備を買うか、素材アイテムを転がすか……』
かやはホルダーの言葉を補足しつつ、やや演技っぽく言葉を紡ぐ。
『…………このゲームって色々な楽しみ方があるんですね。』
もしこの場に、関連人物がいたのならお前が言うなと言わんばっかりに突っ込む事を子原は言う。
『しかし、子原殿は物知りでござるな。』
アカツキがそう言って子原をほめる。
『まっ、まあ仕様書全部読んだから!』
『……なるほど。』
『まあプレイヤータウンだけで50個以上、大きな町で200個以上、小さな村々になると1000を超えるから、定期的にプレイヤーが通うシステムがないと、苦痛になるだろ?』
『でもそれだと、村ごとに個性が出ちゃうんじゃない?』
『それがいいんじゃないんですか!!』
かやは満面な笑顔でそういった。
運搬自体は簡単に終わり、全員が帰還呪文で帰る前に一同が一通り村人から情報収集を行う。
まあそう簡単に追加クエストは発生しないのだが、やっぱりこの手のクエスト確認は癖になるのである。
【なんでも兵士さんたちが慌てて武器をかき集めて何やらしているのですよ。】
【なんか事件でも起きるのかしらねえ………。】
【ウェストランデで何かが起こってるのかしら?】
『……何でNPCってこの手の情報をすぐに理解できるのかしら……。』
『……気にするな。気にしたら負けだ。』
『<主婦>の特殊能力。噂話から、真実をつかみ取る能力を得る。』
『……マジでありそうだ。』
そう話しながらも、かや達はその村から去って行った。




