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究極の疑問の答え

今回hidさんのアイディアを入れてみました。


それと六傾姫について、かなり厳しい意見になっています。ご注意ください。

F.O.E本社。

「……やっぱり、何件かBOTが動いているみたいですね……。」

簡易版のBOT調査プログラムを動かしながら、原子はため息をつく。

「何件かですか?」

「ほぼ確実な個体が2体。非常に疑わしい件が5体。その他、BOTではありませんが日本におけるRMT案件を1体『A』が発見しております。」

「………それはこちらでも報告を受けております……私どもとしても対処は考えているのですが……。」

「わかっています。『A』についての詳細はアタルヴァ社の独占技術となっています。これは……。」

「アタルヴァ社の独占技術にすることで、次世代MMOのシステムスタンダードを自分だけのものにする……。」

「その通りです。」

「……情報を渡された後それを別の場所に流されたら大変だと言う事ですね………。」

「その通りです。」

原子はため息とともにいう。

「……結構大変なんですよトップシェアを維持するのって。」

その言葉に原子はため息をついた。

「……わかりますよ。うちも<エルダー・テイル>を運営していますからね。」

そう言ってその男もため息をついた。大々的なRMTは行われていないが、網の目を透き通って動いているBOTに関してはどうしようもできない。

これらはやや頭の痛い問題だった。業界最高レベルうたわれながらも、その実、透間は幾らでも存在する。

「………はあ……。」

原子はため息をつく。

「……どうかなされましたか?」

「こうして報告を見てると、動いているPC全員がBOTに見えてくるんですよ……本当は<エルダー・テイル>を遊んでいるプレイヤーなんていない。全員BOTを使って、後は適当に戦っている……。

 そんなはずはないんですけど、どんどんそんな風に思えてくるんですよ……。」

「それは………。でしたら、一度<エルダー・テイル>を楽しんでみてはいかがですか?」

「え?」

その男は、すっと<エルダー・テイル>の無料チケットを出した。

「こちらにきてから(も)ずっと働きづめでしたよね。基本的なプログラムに関してのバグは見つかってませんから、しばらく、自分の作ったゲームで遊んでみてはいかがでしょうか? 何か面白い発見があるかもしれませんよ。」

「でも何かあったのなら……。」

「すぐに連絡がついてきちんと来れる場所にいるのでしたら、そこまで束縛はしませんよ。

 というか、今作っているものも本当なら、もっと遅くても良いぐらいの代物ですし………。」

「それでは、御言葉に甘えて、しばらく自分の作ったゲームで楽しみましょうか。」

かくして、<エルダー・テイル>にかかわった時間5万時間以上……製品版プレイ時間0時間の謎の新人型廃人がここに誕生した。


さて、とある一軒家。

「42番目の音楽?」

「そうだ。世界が終る時に鳴り響き、世界を終わらせる魔獣を召還する、世界最後の音楽。それを作ってほしい。」

そう言って、その男は契約書を出す。日本語で書かれた紙を見せながらその男は

「………本当にそんな音楽を作る気なのか?」

「個人的な雑感を言わせてもらおう。正直に言うと<エルダー・テイル>はもはや限界を迎えている。」

その男はそう言いながら、困ったような顔を浮かべる。

「13地域で好き勝手に設定を付け加え続けたせいで、設定の矛盾や付け足しをし続けている状況なのだ。

 日本サーバ内ですら、後で作られたウェストランデが正当後継者扱いされていたりしてるからな……。

 というか! 六傾姫って何だよ! いきなりそんな設定出すなよ! 13サーバあるんだぞ! 世界級クエストで7サーバ分出せないだろうが! 数決めないでくれよ………………世界級クエスト作るにどれだけ時間がかかると思っているんだ……。すまん。愚痴になってしまった。」

その男はそう言うが、実際にはまだまだ余力は存在している。

設定に関してはゲームバランスが崩れない限り、変わる事は結構存在する。そして、設定が変わる事を気にする冒険者は少ないし、設定が変わる事に文句をつけるプレイヤーは……まあ自分の地域が悪者扱いされない限り存在しない。

六傾姫についても1サーバで6人と言う方法も残されている(それだと七十二傾姫じゃねーかとか、名前とか72個全部考えるのかという意見はさておいて)。

ゲームバランスが異常に崩れなければ、それこそもっと長く続けるだろう。そう、ゲームバランスを崩さなければ……。

「しかし、世界を終わらせる音楽ね………。」

その男はそう言いながら、幾つもの旋律を考える。

「…………企業が管理しきれなくなったら、MMOの世界は終わりを告げると思うのです。

 それが|42(究極の疑問の答え)だと私は思っています。」

「………?」

「例えゲーム内でイケメン貴族と一緒に戦う機会があったとしても、彼とは絶対的な差が存在する……。その世界は『モニター越しの世界』。本物じゃない。」

「………とりあえず音楽の件はわかった。幾つか考えてみるよ。」

あまりにも具体的すぎる設定を聞きながら、その男はやや困惑気味に答えた。

「ありがとうございます。」


「……しかし、42個しか音楽が無い世界ねえ……。」

理由としてはわかる。移動中の場面で音楽のせいでモンスターが近づく効果音が聞こえなかったらそれこそストレスが溜まるのだろう。

だからこそ音楽の数を減らす。だからこそ不要な音楽を削る。

悲しい時の歌、嬉しい時の歌、オープニング………。

そう言って意味で必要なだけの音楽をまとめていったら41個しか残らなかったと言うわけだ。

そんな事を考えながらも幾つかの音楽を考えるが、その音楽の旋律が思いつかない。

「…………世界の終りの歌か。」

そう言いながらも旋律を鳴らしながら、考える。

「……お父さん、その音楽新しい歌?」

そう言いながら、娘が聞いてくる。

「ああ、そうだな………。」

ゲームとしては、順当な物だろう。

悲しい時には泣かず、嬉しい時にも喜ばない存在に無数の音楽など必要ないのだから。

「だけどさ……。」

最後の最後が、滅びと言うのはつまらない。だからこそ。

「43番目の歌を歌おう………お前の7つ前のの歌を、6と7を掛けたその一つ先の歌を……。」

「お父さん何を言っているのかわからない。」

「ははっ、この歌が聞こえるのはもっともっと先の話さ……だから、今日の事は忘れるんだ。」

「はーい。」

そう言って少女は立ち去って行った。


沢山の物と足りないもの。その全てに流されながら<エルダー・テイル>の時間は12倍の速度で進んでいく。

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