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初心者と上級者

ようやくシロエの登場。

最初は誰もが初心者だった。

少しずつ慣れていき、その技術を伝えていき、切磋琢磨していき新たな技術を磨いていく。

そうして世界は少しずつ変わっていくのである。


守護戦士のたかやは、小さい時から<エルダー・テイル>をプレイしているプレイヤーである。

理由があってレイド級のクエストには参加しないが、足りないメンバーのフォローなどをしているプレイヤーである。


『こんにちわー。』

『誰かパーティー組んでくれませんかー。』

『回復役必要でーす。』


『今回、初心者の皆さんはホットスタートですけど、突然増えだした棘茨イタチの退治に向かってもらいまーす。』


ワイワイと騒いでいる初心者に向かって一人の男が声をかける。


『まずは6名パーティを作ってくださーい。足りないところにはフォローを入れますから宣言お願いしまーす。』


その言葉と共に次々とパーティを組ませていく。

が、速度重視でパーティーを編成したため、一人ぽつんと余ったしまった初心者がいたのだ。


(ふぉ……フォローできない……。)

たかやは内心焦っていた。


しかも付与術師エンチャンター。今更パーティーを組換えようにも時間がない。

盾役と回復役は予備のメンバーがいるが、攻撃役のメンバーがいない。


『ふむ、これは手伝った方が良いですかにゃ?』

そう言って一人の猫人属がフォローに入ってくる。


『お時間の方はよろしいのですか?』

『時間が無ければこちらにはこないですにゃ』

『はは、確かに。』


そうしてメンバーごとに軽く自己紹介を行い、行っている間にスキルの確認などを行う。

『俺が守護戦士の直継。』

『盗剣士のにゃん太と言いますにゃ。以後お見知りおきをお願いしますのにゃ。』

『森呪使いのヒラ082だ。よろしく頼む。』

『付与術師のシロエです。』

『この班だとにゃん太さんが一番のリーダーだな。』

『となると班長ですね。』

『にゃははははは。』


『シロエ君は、どういった道を選ぶつもりなんだい?』

『そうですね、なるべくならレイドとかはせずに、単純なサポート役でいきたいかなと思います。』

『ううむ……。』

レイドせずに付与術師をパーティーに入れるとなるとそれこそ高いプレイヤースキルが必要になる。

『……それは茨の道だぞ。』

スキル構成のアイディアや、意見などを交わしながら目的地にたどり着くとさっそく無数の棘茨イタチが襲い掛かってきた!!


『アタックを頼む!』

『ええと、私だけダメージかなり受けているんだけど。』

『武器攻撃職の耐久力なんてそんなものだ! ヘイトはまとめてではなくて1体1体設定されているからな。

 よくよく注意して戦えよ!』


何人か倒されたが、それでも戦いの中で得た経験は数字では表せないものがある。


初心者講座はつつがなく終わり、幾つかのマナーや注意事項などを行う。

『みんな色々と試したいこともあるだろうけど、この世界だけが世界じゃない。

 それだけは忘れないでくれ。』

たかやはそう言って言葉を締めた。


水原貴也は運営の人間の息子だ。

だからと言って特に優遇されてると言う事はないし、特権を振り回すこともしないようにしている。

両親に育てられた人間として両親の手伝いをしたいというのは正しい気持ちだからだ。


『サブ職業については無理に強い職業を選ばない方が良い。

 あまり強すぎる奴はパッチで弱体化するし、誰も彼も同じ職業になるのはつまらないだろうからな。』

そう解説しながら、たかやはサブ職業について少しずつ説明していく。

『弱点の補強とか、長所を伸ばすとか色々考えはあるんだろうが、こんどサブ職業を『記録』できる<奥伝の書>が出ますから、それを使って色々と試してもいいんでしょうけど……ただ、ちょっと高いですけど。』

『それは、とても便利そうですにゃ。』

『ただ、種族的なサブ職業とかについてはいったんクリアする必要がありますけど。』

そう言いながら、たかやは幾つかの事項について説明を行う。

『それと、一部の生産職に派生職業ができました<奥伝の書>はこれらについてのフォローなんですけど……。

 料理人については不人気職のせいか、あまり派生職業がなかったりするんですよね。』

『あれ? 確かどっかのまとめサイトだと料理人は一番人気のサブ職業って聞いたような気がしますけど……。』

『いやいやいやいや、基本料理による強化は割と使い捨てだし、レイド級のイベントがないとコスト対効果が得られないから。それにコマンドで数分で作れるから沢山いても料理が余るだけだし。』

基本、料理による好感度上昇がなくなってから基本<料理人>はそんな扱いである。

とある拡張パックが適用されるまではその傾向は続いた。

『なるほど……。』

『ただ、レイドイベントをするのなら、バフが長時間だし、選択肢の一つとしても入って良いんじゃないかなとはおもうけどな。』

そんなこんなで話しながら、たかやとにゃん太とヘッジホッグ達は初心者に色々と教えていった。


そして、また次の日、たかやは頭を抱える事態になる。

料理に関しては……リプレイでとんでもない設定が飛び出してきたんですが……。

とりあえず、設定はこのままにしておこうと思います。

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