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異世界(?)の同族たち

3話


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



 熊っぽいのから逃げ出して、感覚で10分ほど走った。結構な距離を走ったハズだ、やはりポテンシャルはかなり高い。以前のドワーフ時の体は、耐久力を重視していた。

けれど今のような速度・移動力は高くなかったはずだ。現実は比べるまでもない。大剣を振った際の感覚に差がないから、身体能力は変わらないのかな。と思いながら

休憩のため木の根元に座る。




「あれだけしか走ってないのに結構疲れるな。能力は高いはずなんだが・・疲れる・・」



これは、ゲーム時と違う感覚からきていた。ゲームは、命の危険がない。また技術が上がったとはいえ、実際同様疲れるといった仕様には、されなかった。

これは勿論、のめり込み現実とゲームを混同してしまう危険性故にである。



「眠くなってきた。暗いし・・。」



 独り言を言って、寂しさを紛らわす。後ほんとに眠い。仕事帰りだったし。周囲を見る寝場所を探すが、逃げる最中で見た大蜘蛛が忘れられない。



「永遠の眠りは勘弁してほしいぞ・・・」



 異世界転生の案内人もいない。周囲を警戒しながら、ゆっくりと進んで寝床を探す。



「高所恐怖症だから高いところは無理。なら下か・・・」



 木に防御力はない。なら洞窟か岩か、・・後は、人がいる所か。と思いながら進む。



「もうこれでいいや。」 



 結構時間歩いた。野犬っぽいのからも隠れてやりすごしたりした。岩なんかない、今なら断言してもいい。疲れから危険なんてどうでもよく感じ始めた。

今は、木の根元が大きく開けた所に葉っぱを敷いている。眠気に負け、妥協した。あんなの(熊っぽいの)には滅多に出くわさないと念じる。

最後に、剣を入口に突き立てて終了。すぐさま丸まり。



「オヤスミ~」



俺は、疲れからかすぐさま眠った。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 起きた。木造の家の寝床にいた。自分でも何言ってるかわかんねーが。いや、わかった。誘拐だ。手だけがロープで拘束されてた。

あれだけ探して作った寝床から一夜も持たず連れてこられ何とも空しい。剣どこ行った。辺りを見ても見当たらない。

パンが置いてあったので遠慮せず頂く。そうしていると誰かが入ってきた。



「起きたか。食事もとっているようだな。」


「(コクコク。)」



 首を縦に振りつつ、言葉通じてよかった~。と安堵。そしてエルフな人が尋ねてくる。



「お前はどこの手の者だ?」


「?」



 速攻で何か疑われている。特に何かやった覚えもないので、素直に首を傾げた。

するともう一人が勢いよく扉を開けどかどかと入ってきた。



「勝手に始めてるんじゃないの!」



入ってきた女エルフに男エルフが怒鳴られている。



「だが早めに見極めなければ、危険だ」


「はぁ~確かにそうだけど。ジルド次はもっと慎重にしなさい情報が引き出せないでしょ。」


「機会があればな、今回そんな時間はない。」


「そうかもしれないけど、引き出せないでしょ情報。まぁ今回は必要なさそうだけどね。」



女エルフが叱るが、ジルドと呼ばれた男は毅然とした態度で反論している。

俺はそれを蚊帳の外で眺めて甘いんじゃないかなぁと思っていたが、女エルフの方がこっちを見た。



「ごめんなさいね。私は、リディアーヌ・セントニアよ。リディと呼んで。こっちの人は、ジルドよ。貴方の名前は?どこから来たの?」


「ナリィ」



 反射的にゲームの名を答えてしまった。まぁどうやらエルフの人は、外国仕様だ。もし田中花子と自己紹介されたならば、逃走していたかもしれない。

ナリィは某ロボットの名から取ったため、この体型には相応しくない。現実だった自分の名は当然わからない。

なので、仕方ないと思いながら質問に答える。



「迷ったらここにいました。」


「・・・貴方が寝てた木の前の黒い大剣は貴方の物?」


「はい。知り合いの(ドワーフ・ナリィ)の形見です。」


「見たけど嘘を言ってる感じではないわね。」


「そうか。」



魔法かな?そういやぁそんな感じのスキルあったな。体温と心拍数とかが見える奴だっけ。医療機械か!と言ったこともあったなぁ。そんなことよりも、


「あの~、剣はどこに?」


「小屋の外に置いてあるわ。」


「そうですか。」



わざわざ運んでくれたのか。優しいなと思ったが、軽量化(レビテーション)魔法があった・・・。使えないから詳しく覚えてないよ・・・。

そんなことより、あの感慨深い自分で作製した剣を見失わなくてよかった。あるだけで何とも心強い、数少ない手持ちの物だ。

これがあるとないとで山賊ルート、いや森賊ルートへ一直線の末バッドエンドが見えてくる。

だが、それ以上に女神がいた。



「これから、里の方に行くけど一緒に来ない?」


「(コクコク)」



そう。リディさんは、怪しい自分を快く里へ招待してくれたのだ!ロープで手つながれたまま。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



結界の様なモノを抜けた後、里へ着いた。里には、子供もっぽい小さいのもいるが、そんなに大勢の人がいるようには見えない。隠れ里って感じだ。

村長の家に連行されるようだ。ついでに|相棒≪大剣≫は、魔法で運んでくれている。ありがたやありがたや・・・。

村長の家には、見るからに村長という人と女の人がいた。



「ふむ、悪しき者には見えんな。ナリィといったか、行き場がないのならここで暮さんか?」



甘すぎんだろ!この足怪我してるおっさんやリディお人好しすぎるだろ・・。どうやって生きてんだ。考えていると、



「心配してくれなくともちゃんと見ているよ。」


「!?」


「全部君の顔に出ているよ。セシール、君のところで預かってもらってもかまわないかね。」


「はい。私の方からもお願いいたします。」


苦笑しながら、そう言われた。そんな経験する機会なかったしな・・・。そのまま俺を置いて話は進んでいく。

結局、村で厄介になることにした。ここで知識を蓄え生活力をつけ生きていく計画を進行中。

賢い俺は、ジルドの言った、どこの手の者といった言葉が脳裏から離れないのだ!



「ナリィ、そろそろ学校の時間よ~」


「は~い」



今、セシールさんのところで厄介になっている。とてつもなくかわいがられている。数日情報収集した結果彼女の夫と子が殺されたことだけがわかった。

そして俺は今日、初めてエルフの学校へ行く。青空教室だけどな!



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


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