はじまり
最初に母さんが亡くなった。
原因は交通事故だった。
次に父さんが亡くなった。
父さんは母さんが居なくなってから駄目になった。
原因は薬物中毒だった。
最後に兄貴がいなくなった。
きっと、親の代わりに俺を育てることがわずらわしかったのだろう。
今は生きてるのか死んでるのかも分からない。
きっと神様なんてものがいたなら、俺達の一族を根絶やしにするつもりなのだろう。
だからこう思った。
世界は俺にやさしくない。
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「なんだこれ!!??」
俺は駿河 悠斗。引条高校の三年生だ!!
今現在、補習後の帰宅途中と言う状況なのだが………なんか変なものが渦巻いている……。
普通のやつだったらここは全力ダッシュで逃亡に決まっている。
でも、学校帰りの疲れた頭で思考回路がショートしている俺。
「おおすげぇ!!何だこの謎物体!!」
なんか手なんか突っ込んでみちゃったりして、もうやりたい放題。
(見つけた!!)
「ん?」
ふと、渦の中から声が聞こえてきた。
「うおぉぉぉぉぉ!!!!!」
急に渦が俺の体を吸引しにかかる。
「おらぁ!!」
ぎりぎりで、近くの電柱に捕まる。
「やばいやばい!!」
吸引の勢いがどんどん強くなっている。
「飲まれてたまるかぁぁぁぁ!!!!」
全力で抵抗する俺。
バン!!
「ぐふっっっ!!」
飛んできた何かが顔面に直撃。
そのせいで手を離してしまった俺。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
俺は渦に飲み込まれた。