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『二度目の人生はゼロ歳から。未来知識(チート)で詰んだ日本を買い叩く 〜伝説の投資家、赤ん坊のフリをして経済圏を支配する〜』  作者: Serizawa


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第9話:アジアの火種と、硝煙のハーレム

1997年。タイ・バーツの暴落に端を発した『アジア通貨危機』が、静かに、しかし確実に世界を飲み込もうとしていた。  日本中が大手銀行の破綻に震える中、俺の執務室――六本木ヒルズが完成する前に俺が自社ビルとして建てさせた『FGタワー』の最上階では、異様な光景が繰り広げられていた。


「蓮様、こちらがタイ、インドネシア、韓国の主要企業の負債リストです。既に、破綻のカウントダウンは始まっています」  凛々しく、そしてどこか誇らしげに書類を差し出したのは、冴島凛だ。彼女は冴島財閥の再建を通じて、冷徹な実務能力を身につけていた。


「フン、遅いわね、凛。そんな古いデータじゃ、蓮を満足させられないわよ」  ソファで優雅に脚を組み、ワイングラスを傾けるのはエマ・ロスチャイルドだ。小学生(俺)の執務室で何をやっているんだと言いたいが、彼女は既に欧州の金融ネットワークを俺の支配下に統合しつつあった。


「いい、蓮? 私はロスチャイルドの情報網を使って、IMF(国際通貨基金)が動く一歩先に、これら諸国の『エネルギーインフラ』の利権を買い叩くスキームを組んだわ。これなら、国が滅んでも利益は残り続ける」


「なんですって……!? それじゃあ、あの国の人たちは……」 「ビジネスよ、凛。蓮の野望には、情熱よりも冷徹な『数字』が必要なの」


 火花を散らす二人。その背後で、ピコピコと電子音を響かせているのは、九条舞だ。 「……二人とも、うるさい。……蓮。AIの解析終わった。IMFの救済措置が出る直前、韓国のサムスン株が底を打つ。……そこ、全部、買い取る。私が作った自動買付プログラムなら、誰にも気づかれずに市場を制圧できる」


「……よし、三人とも上出来だ」


 俺は、小学生向けのサイズのデスクを叩き、立ち上がった。  凛(実務)、エマ(金融・人脈)、舞(技術)。  この三人が揃った今、俺はもはや一企業のオーナーではない。一つの「経済圏の神」だ。


「いいか。今回の通貨危機は、僕たちにとっての『大バーゲンセール』だ。沈みゆくアジア諸国を救う『救世主』の顔をしながら、その心臓部であるライフライン、銀行、そして先端技術企業をすべて僕たちのフューチャー・ゲート傘下に収める」


 俺の言葉に、三人の少女たちが同時に跪いた。  かつての没落令嬢も、世界最強の銀行家の娘も、孤高の天才プログラマーも。  今はただ、一人の少年のカリスマに酔いしれている。


「凛は日本国内の混乱を鎮め、中小企業の救済バイアウトを進めろ。エマはIMFの裏側に手を回し、融資条件に『僕たちの参入』を組み込ませろ。舞は全資産を動員して、アジアの全通信インフラのドメインと特許を買い占めるんだ」


「「「御意」」」


 声が重なる。  だが、仕事の話が終わると、空気は一変した。


「ところで、蓮。今日の晩御飯、私の家で専属シェフが腕を振るうことになっているのだけれど……」  エマが、俺の腕にしなだれかかってくる。


「何言ってるのよ! 今日は私がお弁当を作ってくる約束でしょ!」  凛が顔を真っ赤にしてエマを突き飛ばす。


「……蓮、お腹空いてる。……ジャンクフード、食べる」  舞が俺の服の裾を無表情で引っ張る。


(……やれやれ。世界を支配するより、この三人を宥める方が骨が折れるな)


 俺は苦笑しつつ、窓の外に広がる東京の夜景を見つめた。  眼下では、バブルの残骸が燃え、新しい時代の足音が聞こえてくる。    1997年、冬。  歴史では「最悪の年」とされるこの年、俺はアジア全土を「買収」し、名実ともに世界の王へと登り詰めるための玉座を築き始めた。


「さあ、世界中を『フューチャー・ゲート』の色に塗り替えてやろうじゃないか」


 神童の野望は、もはや日本という枠を超え、銀河のような膨張を見せていた。

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