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人気者の君と一人ぼっちの僕  作者: 浅井天


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8/28

先生、僕もここの問題わからないです

今、僕は夏休みなのに学校に来て補習を受けています。帰宅部の僕が休日に学校に来たことはあっただろうか。おそらくない、とりあえず憂鬱だ。先生と二人きりならまだましだったかもしれないが補習を受けている人はもう一人いる。名前はしらない。先生が山本と言っていたのでおそらく、山本というのだろう。

補習内容は単純で数枚のプリントが渡されて解き、わからないところがあれば先生にききすべて解ければその日の補習は終わりというものだ。これが1週間続く。実質、夏休みが1週間削れることが確定した。

山本君は僕よりも勉強が苦手なようだ。すべての問題を先生に聞いている。先生が山本君に付きっ切りになっているので僕はわからないところを先生に聞くことがなかなかできない。感覚で解いていくがあっている気がしない。これは困ったものだ、このままでは山本君が解き終わるまで僕は帰ることができないだろう。なぜ、先生が一人なのだ。人手不足か、恨むぜ現代社会。


時計が11時を指していた。補習が午前9時から始まったからもう2時間経ったと意識して急にやる気がなくなり疲れがきた。時計を見て時間を意識した瞬間人の集中力が途切れて時間の進みが遅く感じるのだろうか。学校に時計がなくなれば一瞬で一日が終わるのだろうか。

ため息を吐きながらプリントをみる。右手でボールペンを不格好なペン回しをする。もっとペン回しが上手かったらこの時間も少しは楽しかったのかな。

山本君はどのくらい終わったのだろうかと気になりちらちら見るがよく見えない。くっそーこのままじゃいつまでこの状態かわからないじゃないか。

切り替えて頑張ろうと思って、一度腰を浮かして座り直して自分のプリントに向き合った。


教室のドアがガラガラと音をたてて開く。別の先生が来たのかと思いそちらをみた。そこにいたのは木下さんだった。予想外の人だったので先生も「どうした、木下、何か用か。」と言った。木下さんは「暇だったので木村君がしっかり勉強しているか確認しに来ました」と言いながら僕の方に歩いてきた。先生は「そうか」とだけ言って再び、山本君の方に顔を戻して勉強を教えだした。


僕は驚きのあまりなかなか声が出なかったが目の前にあった椅子をこちらに向けて座って対面した時にやっと落ち着いて声を出すことができた。「木下さんなんでここに来たの?」木下さんは「さっき先生にも言ったじゃん、聞いてなかったの?まあ、実際は」

木下さんは小声で「生徒会の仕事があったから学校に来てて、その用事が終わったから様子見に来ただけだけどね」いたずらっ子の顔と声で言ったが僕は別に小声で先生に隠すようなことではないのにと思いながら少し可笑しかったので笑ってしまった。

木下さんが「補習は順調なの?」と聞いてくれたので僕は「そこそこですね。でも少しわからないところがあって、こことか」僕はわからないところを指さした。木下さんは「どれどれー」といいながら僕の指さした問題を見て解き方を教えてくれた。そのあとも結局ほとんどの問題を教えてもらい解き終わったころには13時を回っていた。山本君は12時ぐらいに解き終わりもう帰っていた。先生も山本君が終わったときに「木下あとは頼んでもいいか?」木下さんは「はい、はい」と二つ返事をしていた。「木村。解き終わったらプリントと教室のカギを職員室に持ってきてくれ」と言い残して教室を出ていったので終わったころには木下さんと僕だけだった。

「木下さんありがとう。おかげですごく助かった」

木下さんは「どういたしまして」と言ってくれた。僕は荷物をまとめて教室をでて先生に言われた通りにカギを閉めてプリントとカギを持って職員室に向かっていた。木下さんと話しながら職員室に向かいプリントとカギを先生に渡して昇降口に向かった。どうやら、生徒会の仕事というのは文化祭関係のようだ。学校行事に興味がないから忘れていたが夏休み明けてしばらくしたら文化祭であまり時間のないようだ。生徒会長だからかなり仕事があるのだろうと僕は考えながら靴を履き替え昇降口を出た。


しばらく歩いて木下さんと別れる交差点まで来た。

「じゃあ、また明日」と言って颯爽と横断歩道を渡っていった。

木下さんがわたりきるまで僕は手を振っていた。

それぞれの帰路に就いた。

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